KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2015.01.08

8900形もついに6連化。

D23124.jpg

新京成8900形 8918編成
2015.1.8/二和向台〜三咲

▲6連化とともに新デザインとなった8918編成

8900形の6連化改造第1号となったのは8918編成であった。中間車のサハ2両を抜いたほかにVVVFインバーターの更新等を実施、9月2日より1週間ほど試運転の後、同17日より営業運転に入っている。同時に塗装変更も行なっており、8月29日に営業運転に入った8816編成に次いで新車両デザイン電車の第2号となった。

更新されたVVVFインバーターは、2013年度に廃車となった8000形8506編成のものとみられる。8506編成がVVVFインバーターとなったのは2010年2月のことなので、わずか2〜3年しか使っていないものを破棄してしまうのはいくらなんでももったいないということでの流用であろうか。

VVVFインバータの更新によって素子が8900形オリジナルのGTOからIGBTとなっており、走行音にも変化が生じている。以下に走行音を掲載するが、主電動機は8000形の全閉自冷式のものは流用されずに8900形従来のままということもあってか、その走行音は8000形VVVF車8900形を足して2で割ったような感じ。電車の心臓部とも言える制御装置を8000形から移植したことにより、まさに8000形の魂が8900形に乗り移ったかのようである。

新京成8900形モハ8916 高根公団→高根木戸

新京成8900形モハ8916 薬園台→前原

一方、8928編成と8938編成は単純に中間車のサハを2両抜いただけの形での6連化となった。もともと8900形のサハは補機類をほとんど積んでない床下スカスカの車両であったため、特に大きな改造もなく6連化を行なったものとみられる。まるで製造当初より6連化を見越した機器配置だったかのようにも見えるが、そうでなかったとしても6連化を推し進める新京成にとっては有利に働いたことは違いあるまい。

ところで、4M4Tの8両編成だったものを4M2Tの6両編成に縮めたのだから、走りがよくなってるものと思いきや、どうも体感的にはそんな感じはしない。加速度等を従来に合わせるソフトウェアの改修程度は行なっているものとみられる。

D23189.jpg

新京成8900形 8918編成
2015.1.11/二和向台〜三咲

▲単純に6連となった8928編成

したがって、この6連化に伴って、新車両デザイン+IGBT-VVVFの8900形と、従来デザイン+従来のGTO-VVVFの8900形という、2種類の8900形が登場することとなった。とは言え、車両デザインの更新を進めている新京成においては、この状況は長く続かないとみられる。過渡期を楽しむなら今のうちといったところだろう。

なお、6連化に伴い各編成から抜かれた中間車2両×3は、8800形のように再利用されることなく廃車となることが鉄道趣味誌により明らかとなっている。8900形としては初の廃車が発生することになった。

関連記事

新京成電鉄 新車両デザイン電車登場

新時代の新京成の幕開け。かねてよりプレスリリースで発表されていた新京成の新車両デザイン電車だが、このほど実車が登場し、8月29日より営業運転を行なっている。新車両デザインの第一号となったのは...

新京成電鉄 新車両デザイン電車登場
新京成電鉄 8両編成の運用終了

一時代の終焉。新京成電鉄では、9月29日をもって8両編成の運行が終了となった。2011年度より実施されている8連に対する6連化改造がいよいよ完了するためで、1982年10月より約32年間走った...

新京成電鉄 8両編成の運用終了
新京成電鉄 新CI&新デザイン駅名標

急にどうした、新京成。それは5月末のことであったが、新京成電鉄は「『シンボルマーク』と『スローガン』が新しくなります」というプレスリリースを出した。新津田沼〜京成津田沼間のくねくね線形を...

新京成電鉄 新CI&新デザイン駅名標
さようなら 新京成8800形8両編成

どんどん進む8800形の6連化改造。2006年度に3編成、2011年度から毎年3編成ずつ実施されてきた新京成8800形の6連化改造だが、いよいよ終わりが見えてきた。2013年度は8両編成として...

さようなら 新京成8800形8両編成
新京成8800形 6両編成化改造

新京成8800形の6両編成化、再び。8月24日より8805編成が6両編成として運用を開始している。8800形については、鉄道趣味誌において関係者へのインタビューで2013年度までの全車6両編成化改造が...

新京成8800形 6両編成化改造

最新記事

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K

京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)

空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...

京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える

都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...

都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」

「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...

船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
北総車の京急線内特急運転が復活

約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...

北総車の京急線内特急運転が復活