2017.02.26
さようなら、京成3500形未更新車。
2月25、26日、3500形未更新車のさよなら運転にあたる「さよなら3500形未更新車記念ツアー」が催行された。3500形の未更新車として最後の1編成となっていた3588編成の引退に合わせて企画されたもので、昨年に実施されたAE100形のさよなら運転と同じく京成トラベルツアーの団体専用列車として運転された。この列車の運転にあたっては3588号車に「感謝」、3585号車に「卒業」と書かれたヘッドマークを掲出。これらは3500形未更新車が種別板を使用する最後の車両ということで種別板の位置にそれぞれ掲出され、未更新車のラストランに華を添えている。
さよなら運転は、これもAE100形の時と同じように当日のお楽しみというかたちでミステリーツアーとされ、その行路は上野始発宗吾車両基地着とだけ発表されたほかは詳細が伏せられていたが、実際には次のようであった。
- 25日:宗吾参道→(回送)→上野→柴又→押上→ちはら台→京成津田沼→宗吾参道
- 26日:宗吾参道→(回送)→上野→柴又→押上→東成田(留置線)→成田→成田空港(アクセス特急専用ホーム)→宗吾参道
運用番号は両日ともS39として設定され、Thank youとかけてここにも感謝の意味が込められたものになっていた。
臨時列車は臨時シティライナー用の不定期回送スジで宗吾参道から上野まで回送され、ツアー参加者を乗せて上野を9時2分に出発。その後は柴又、押上へと走り、25日はちはら台、26日は東成田と成田空港までそれぞれ入線して宗吾参道へ入庫という行路となった。
特筆すべきは金町線柴又への入線。日中時間帯の金町線は2本の編成が行き来しているので、単線区間で常に在線のある柴又〜金町への入線こそ叶わなかったが、2本の編成が高砂と金町にいる隙をついて柴又まで乱入する格好で金町線入線が実現した。高砂の地上ホーム〜柴又における営業運転は、2010年7月の金町線分離以降で初めてのことである。柴又での折返し運転も通常では行われていない。このほか、26日の運転では東成田は留置線側で、成田空港はアクセス特急専用ホームである1番線でそれぞれ折返しをした。
両日あわせて成田スカイアクセス線を除くほぼ京成全線を走り回った今回のさよなら運転は、4両編成の通勤型車両である3500形未更新車の最後にふさわしい行路だったように思う。
3500未更新車はこれにて「卒業」となるが、3500形には卒業できなかった更新車が56両在籍している。3500形は更新工事が途中で打ち切られたばっかりに車齢の若い車両が先に淘汰される結果となったが、3500形としては更新車が今後も走るので、こちらの方の活躍も見守っていきたいところである。
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