KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2020.06.18

京成3100形が京成本線を走る。

D34092.jpg

京成3100形 3152編成
2020.6.13/京成臼井〜京成佐倉

▲55K運行に充当し、快速京成佐倉行として走る3152編成。片道だけ京成本線で営業運転した

6月12日に京成本線青砥駅構内で発生した列車脱線事故。押上線八広〜青砥が終日運休になり、ダイヤが大幅に乱れるなど各線に大きな影響を及ぼした。翌13日7時40分ごろに事故現場区間が開通。そこから徐々に平常運転に戻されていくが、その過程で3100形3152編成が京成本線の運用に入った。同編成は55K運行に充当し、快速京成佐倉行として京成本線を走っている。また、3050形3055編成も同様に61K運行に充当し、都営浅草線直通の快速として運用された。

アクセス特急に用いられる3050形は、3100形の登場を機に3100形と同じオレンジ色のカラーリング変更されたが、カラーリング変更後は3100形ともども運用が特に厳格化され、京成本線の運用への充当は原則的に行われていない。3100形がデビューした2019年10月ダイヤ改正以降、これまでに3100形あるいは3050形が京成本線の運用に入ったのは1月24日と28日の2回だけ1)という珍事になっている。

以下、13日に京成本線を走った3152編成と3055編成の動きを追ってみた。

55K:3152編成

事故発生時、3152編成は905Kエアポート快特成田空港行として宝町付近を走行中であった。同列車は浅草橋あるいは押上で運転を打ち切られたものとみられるが、その後3152編成は西馬込〜押上をひたすら往復。最終的に31T運行として2130Tで羽田空港まで走り、折返し2331Tエアポート急行品川行で品川に入庫してこの日の運用を終えている(品川で停泊)。

翌13日は03T運行として品川を出庫し、403T普通押上行からスタート。その後は再び西馬込〜押上の往復となるが、854K普通西馬込行として走っていたタイミングで都営浅草線と京成線との直通運転が再開。折返しの1055Kが所定通り快速京成佐倉行として運転され、3152編成はそのまま京成佐倉まで走った。

本来なら1055Kは京成佐倉到着の後、折返し1254K快速西馬込行になるはずだが、55K運行の3152編成はここで終了。3658編成に車両交換されて、3152編成は宗吾車両基地に入庫した。

61K:3055編成
D34106.jpg

京成3050形 3055編成
2020.6.13/ユーカリが丘〜京成臼井

▲快速西馬込行として走る3055編成。3152編成が車両交換されたのに対し、3055編成は所定の入庫まで京成本線を走り続けた

事故発生時、3055編成は908Kアクセス特急羽田空港行として京成立石付近を走行中であった。同列車は羽田空港まで運転された模様だが、折返し品川行→浅草橋行となり、都営浅草線に戻ってきた3055編成は3152編成と同様に西馬込〜押上を往復した。夜間に羽田空港まで2往復した後、最終的に2276H普通西馬込行になり、馬込車両検修場に入庫してこの日の運用を終えている。

翌13日は前述のとおり61K運行に充当するが、11時ごろまで同編成に関する目撃情報が特にないことから、京成線との直通運転再開に合わせて1161K快速成田空港行から出庫した可能性が高い。いずれにせよ1161Kは3055編成にて運転され、終点の成田空港まで走った。

3152編成が早々に車両交換されたのに対し、3055編成は1961Kで高砂検車区に入庫するまで61K運行を走りきった。その後、押上線を1往復だけ走る81K運行にも充当している。翌々14日は前日(13日)にアクセス運用の代走をしていた3035編成2)と交換する格好で、05K運行に充当。アクセス運用に復帰した。

  • 1)いずれも京急線内で発生した人身事故の影響により、09K運行に充当していた編成が運行途中で77Kに変更され、2277K快速京成成田行(※)として京成本線を走った。1月24日は3056編成が、28日は3152編成がそれぞれ充当。※所定は通勤特急だが、ダイヤ乱れのため種別を快速に格下げして運転
  • 2)3035編成は13日、17S08臨時回送として宗吾車両基地を出庫し、京成高砂から09K運行の代走に入っていた。14日は63K運行に充当した。

関連記事

京成線 青砥駅脱線事故で市川真間行などが走る

6月12日10時15分ごろ、京成本線青砥駅構内で列車脱線事故が発生した。この影響で京成線ならびに直通している都営浅草線、京急線、北総線の各線では、大幅にダイヤが乱れた。本稿は、この事故の概況と...

京成線 青砥駅脱線事故で市川真間行などが走る
京成3100形(3150形) 営業運転開始 2 - 写真あれこれ

10月26日ダイヤ改正でデビューした京成電鉄の新型車両3100形(3150形)。ようやくあれこれ観察することができたので、今さらながら営業運転の様子などをまとめてみた。前回の記事で3100形の...

京成3100形(3150形) 営業運転開始 2 - 写真あれこれ
京成3050形 新アクセス色登場と初代アクセス色の運行終了

京成3050形、装いを新たに。10月26日ダイヤ改正におけるスカイライナーの大増発や3100形(3150形)の運行開始で、開業以来の大変革が訪れている成田スカイアクセス線。同線の開業時より...

京成3050形 新アクセス色登場と初代アクセス色の運行終了
京成3100形(3150形) 営業運転開始 1 - デビューまでの動きと今後について

10月26日ダイヤ改正でデビューした京成電鉄の新型車両3100形(3150形)。ようやくあれこれ観察することができたので、今さらながら営業運転の様子とデビューまでの動きをまとめてみた。さらに...

京成3100形(3150形) 営業運転開始 1 - デビューまでの動きと今後について
京成3100形 行先表示LEDシミュレーター

JavaScriptというプログラミング言語の勉強を兼ねて、京成3100形の行先表示LEDを模したシミュレーターを作ってみましたよっ。お暇なときにでも遊んでみてくださいな。 ※実車が運用開始前...

京成3100形 行先表示LEDシミュレーター

最新記事

京成線 2024年11月23日ダイヤ修正

京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリースや15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。本稿では...

京成線 2024年11月23日ダイヤ修正
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K

京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)

空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...

京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える

都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...

都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」

「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...

船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」