2023.12.26
京成電鉄、宗吾車両基地の拡張後の姿が明らかになる。
将来的な成田空港の機能強化に伴う空港利用者の需要増加に対応するため、かねてより拡張が行われることが明らかになっている宗吾車両基地。12月22日、その拡張工事についての住民説明会が実施された模様である。酒々井町議会の大石のりこ議員が自身のブログやX(旧Twitter)で明らかしている1)。
これまで同基地の拡張については、酒々井町議会などによってやんわりと南側へ拡張されることだけが明らかになっていたが、住民説明会で配布されたとみられる資料には完成時のイメージが掲載されており、宗吾車両基地の拡張後の姿が初めて公になった格好。以下は、その資料を基に拡張後の平面計画を描いてみたものである。
車両基地は現在の敷地の南端より京成本線に沿って南側へ約400mほど拡張され、列車の撮影地として有名な京成酒々井第4号踏切付近まで至る規模となる。現在の車両基地とは高低差のある敷地だが、現在の敷地と一体利用できるように高架方式での建設となる模様。拡張される敷地は大雨で印旛沼の水が氾濫した場合に1m〜3mの浸水が予想されるエリアを含んでいるので2)、高架方式の採用は災害対策も兼ねていると言える。
完成イメージの中で目立つのは、拡張された南側の中央に鎮座するクソデカ建築物。京成は11月14日に公表した四半期報告書3)において車両基地の拡張工事に伴い新工場を建設することを明らかにしていることから、これが新たな工場を含んだ建物になるものとみられる。現在の工場は1982年に竣工したもので、稼働開始から40年が経過している。同基地の拡張は、単に容量を拡大するだけではなく、工場機能の一新を伴った一大プロジェクトだ。
同報告書によれば、工事は今年度より着工し、2029年3月の完成を予定しているとのこと。ただし、これは新工場の完成予定であり、旧工場などの撤去およびその跡地を活用した新たな設備の設置まで含まれているかどうかはわからない。いずれにせよ、2030年代までに在来線で最速となる160km/h運転で成田空港アクセスを担うスカイライナーの運行拠点としてふさわしい車両基地に進化することは間違いないはずだ。
- 1)住民説明会 - 酒々井町議会議員大石のりこ、2023年12月23日
- 2)酒々井町ハザードマップ
- 3)京成電鉄、第181期第2四半期報告書
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