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2019.02.08

1998年11月18日の京急線羽田空港駅開業に伴うダイヤ改正で登場したエアポート快特。本稿は、そのエアポート快特の20周年を記念し、同列車のこれまでの歩みを簡単にまとめてみたものである。その3では、2010年7月ダイヤ改正から現在までの動きを取り扱っている。(その1その2

注:以下、本稿では飛行機マークを(飛)と表記している。

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京成3050形 3052編成
2016.7.5/平和島

▲成田スカイアクセス線開業に伴う2010年7月ダイヤ改正で再び空港間直通特急となった(飛)快特。京成車が担当する列車では、運用の関係から主に3050形が使用されるようになった

1998年11月ダイヤ改正で日本初の空港間直通特急として登場した(飛)快特は、2002年10月ダイヤ改正で諸般の事情から成田空港発着から成田発着に短縮(2006年10月ダイヤ改正でさらに佐倉発着に短縮)され、当初の設定意図から少しばかり逸脱した状態になっていた。

そんな(飛)快特に再び転機が訪れる。成田スカイアクセス線開業に伴う2010年7月ダイヤ改正は(飛)快特にとって大きなダイヤ改正であった。従来は羽田空港〜佐倉の運行系統としていた日中時間帯の(飛)快特が、成田スカイアクセス線を走る新種別のアクセス特急と繋がって羽田空港〜成田空港へとシフト。これにより、(飛)快特は再び空港間直通特急として走ることになった。さらに、同年10月には羽田空港国際線ターミナル駅が開業。成田・羽田両空港へのアクセス列車として確固たる地位を築いていく。

2010年7月17日ダイヤ改正

2010年は四直にとって激動の年であった。京急線内でエアポート急行が新設された2010年5月ダイヤ改正に続いて、7月に京成成田スカイアクセス線開業に伴うダイヤ改正が実施された。京成は成田スカイアクセス線を走る一般列車としてアクセス特急を新設。日中時間帯はこのアクセス特急を40分間隔の運転とすることで、同じく40分間隔の運転となっていた(飛)快特とピッタリハマって羽田空港〜成田空港間を(飛)快特〜アクセス特急として走る新たな空港間直通特急が誕生することになった。

8年ぶりに復活した格好の空港間直通特急は、以前の空港間直通特急がたいへん複雑な車両運用に支えられていたのに対し、両空港間を往復するだけのシンプルなものになった。ただし、成田スカイアクセス線内で120km/h運転を行うことから、充当可能な車両に新たな制約が生まれることになった。まず、都営車は単純に120km/h運転に対応していないために空港間直通の(飛)快特から除外された。また、京成車についても成田スカイアクセス線に係わる運用を一般の運用とは分けることとしたため、主に3050形が担当することになった。

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京急新1000形 1129編成
2011.3.11/大 町

▲空港間直通特急が復活し、成田スカイアクセス線経由で成田空港まで再び顔を出すようになった京急車。「成田空港方面佐倉」なる方向幕まで作って成田空港直通を苦し紛れにアピールしてきた京急にとっては本当によかったねといった感じ

同年10月21日には羽田空港における国際線ターミナルの供用開始に伴い、羽田空港国際線ターミナル駅が開業。空港アクセス列車たる(飛)快特ももちろん停車することになった。また、合わせて羽田空港駅も羽田空港国内線ターミナル駅に改称されている(車両の行先表示は従来通り「羽田空港」を使用)。

2011年9月23日ダイヤ改正

早朝に運転していた羽田空港発(飛)快特品川行を快特に格下げした(平日1本、土休日2本)。

2012年10月21日ダイヤ改正

京急蒲田駅付近の高架化完成に伴うダイヤ改正である。このダイヤ改正で(飛)快特の種別色が緑色からオレンジ色となり、種別幕や路線図の変更が行われた。(飛)快特の京急蒲田通過による快特との誤乗車防止の観点から実施された種別色変更となるが、もとよりオレンジ色を使用していた京成のアクセス特急と同色とすることで、空港間直通特急としての一体感を意識させるものになった。

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都営5300形 5320編成
2013.7.3/大森海岸

▲2012年10月ダイヤ改正でオレンジ色の種別となった(飛)快特。都営5300形の(飛)快特も緑色からオレンジ色の表示となるように改修された

運行面では京急蒲田付近の配線の関係で日中時間帯のパターンダイヤが変更され、アクセス特急の根古屋信号所での運転停車が解消。これにより空港間直通特急は羽田空港〜成田空港間で最速93分という新記録を打ち立てた。

一方、2010年5月ダイヤ改正で20分間隔となっていた日中時間帯の京急線内(飛)快特は、青砥・高砂発着の列車を(飛)快特から快特に格下げ。(飛)快特は2010年5月以前と同じ40分間隔に戻されることになった。(飛)快特は同改正で京急蒲田通過となっていたが、これに対して高架化費用の一部を負担した大田区などが反発していたため、京急側が譲歩した格好である。

2013年10月26日ダイヤ修正

朝のラッシュ時間帯の直前に、京成本線で都営浅草線・京急線内(飛)快特となる快速特急が1本新設された。京成方面からの列車で、快速特急から(飛)快特に種別変更するパターンが初めて登場した。

このほか、京成線内で種別における飛行機マークの使用が取りやめられることになった。京成線内の飛行機マークは、押上から都営浅草線内(飛)快特となる列車を識別するための記号として使用されていたが、種別幕のコマ数の関係などで種別変更のパターン増大に対応しきれなくなったためとみられる。

2014年11月8日ダイヤ改正

これまで(飛)快特についての変更は主に京成と京急の都合によるものが多かった中、都営浅草線の(飛)快特にかつてないほどの変化が起きたのがこの2014年11月ダイヤ改正である。このダイヤ改正では、従来日中時間帯に京急線内快特・京成線内普通として運転していた羽田空港〜高砂の運行系統を速達化。羽田空港〜青砥を京急線内快特・都営浅草線内(飛)快特・京成線内快速特急で走る新たな運行系統が登場した。

これにより、都営浅草線の(飛)快特はもとより(飛)快特として運転していた空港間直通系統と合わせて20分間隔化。(飛)快特が登場した1998年11月ダイヤ改正から一貫して(飛)快特を40分間隔での運転としていた都営浅草線だったが、運行開始から15年を経てその運転本数が一気に倍増することになった。

平日夜間時間帯に京成線方面に運転される(飛)快特について、その約半数(3本)が京急線内も(飛)快特運転とした。

2017年10月28日ダイヤ修正

土休日ダイヤで都営浅草線内における(飛)快特の運行時間帯を40分ほど拡大。羽田空港行2本、成田空港行1本が新しく(飛)快特になった。

◆ ◆ ◆

以上、都合3回にわたりエアポート快特の変遷について簡単にまとめてみた。紆余曲折はあったものの、運転開始当初は1日に4往復のみの設定だった(飛)快特が20年という時を経て都営浅草線内で20分間隔で走るようになったのは、まさに(飛)快特をじっくりことことと育て上げてきた結果と言えるだろう。

2010年7月の成田スカイアクセス線開業と2012年10月の京急蒲田駅付近の高架化完成、2014年11月の都営浅草線内(飛)快特の大増発を経て、(飛)快特は大きな動きがなくなり安定期と呼べるような雰囲気になってきている。他方、5500形の増備や泉岳寺駅・品川駅改良、羽田空港国内線ターミナル駅の引き上げ線新設など、(飛)快特に影響がありそうな動きも出てきている。今後、(飛)快特はどう変化していくだろうか。

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