2013.12.21
飛行機マークの追悼その2は、車両の方面から飛行機マーク付き種別を見てみよう。京成線内を飛行機マーク付き種別で走った車両をまとめてみる。
京成車
(飛)特急については、羽田空港発着の列車に加えて上野発着の京成本線特急も飛行機マーク付きの種別を使用していたため、京成車が(飛)特急として走る機会はとても多かった。また、当時の京成本線特急には6両編成の列車が多数存在していたので、3200形や3500形未更新車による(飛)特急も見ることができた。3150形は飛行機マークが登場した1998年11月ダイヤ改正以降もわずかな期間だけ6両編成が1本残存していたが、(飛)特急の種別板および幕を整備するのをサボったため、当時在籍した車両の中で3150形だけは(飛)特急に絡む運用への充当はなかったようだ。
(飛)快速となると、必然的に京急線に直通することとなるため、飛行機マーク付き種別を見られるのは基本的に3000形、3700形、3400形、3500形(更新車)だけということになった。しかし、遅延やダイヤ乱れ等で所定外の3200形や3300形、3600形の(飛)快速も走ることがあった(その場合は高砂等で所定の車両に交換)。特に3600形は平日朝ラッシュ時の遅延に伴う運用振替えでたびたび代走が発生しており、3600形の(飛)快速はそこそこの頻度で見る機会があった。さすがにこの頃には既に4両編成だけとなっていた3500形未更新車の(飛)快速は一度も無かったはずである。
2010年7月ダイヤ改正で(飛)快速は早朝に1本だけ残存することとなったが、早朝における宗吾参道始発の列車で代走が発生することはほぼあり得なく、2010年7月以降の(飛)快速は京急線に直通できる3000形、3700形、3400形、3500形のみとなった。2010年7月にデビューした3050形も、本線運用への充当が増えてきた以降に数回だけ(飛)快速として走っている。
(飛)アクセス特急はアクセス運用の列車となるため、3050形が主にその役割を担った。代走として120km/h運転の可能な3000形と3700形の(飛)アクセス特急も走っている。京急に直通できない車両でも代走することのあった(飛)快速とは異なり、アクセス運用は代走においても120km/h運転可能な車両の限定を徹底したため、3050形、3000形、3700形以外の(飛)アクセス特急が走ることはなかったものと思われる。
都営車
四直の中核を担う都営浅草線の所属車両、5300形も(飛)特急および(飛)快速として走った。2010年7月以降の早朝1本だけとなった(飛)快速についても、平日は都営車の運用となっていたため、この時期は京成車よりもむしろ都営車の(飛)快速のほうが走る機会が多かった。(飛)快速は2012年10月ダイヤ改正で京成車の運用となり、消滅。なお、5200形については、1998年11月ダイヤ改正の時点で既にかなりの限定運用が実施されていたため、京成線内を飛行機マーク付き種別で走ることは無かった。
(飛)アクセス特急については、成田スカイアクセス線内で120km/h運転を行うことが必要となるため、5300形はこの運転系統から外された。よって、5300形が(飛)アクセス特急で走ることはなかった。1998年における空港間直通特急と2010年における空港間直通特急の大きな違いはここである。2空港間直結の中核となっているはずの都営浅草線だが、その所属車両が空港間直通特急として走ることができないのはまことに残念・・・。
京急車
飛行機マーク付き種別が生まれるきっかけとなった羽田空港駅を開業させた当事者として、京急車も京成線内で(飛)特急および(飛)快速として走った。京急車は浅草線に直通可能な車両が京成にも乗入れてきているが、高砂から先の成田方面に直通するのは停車駅予報装置の関係で基本的に600形とされ(2010年6月以降に新1000形10次車が加わる)、京急車の(飛)特急と(飛)快速は600形での運転であった。しかし、ダイヤ乱れとなると、こちらも600形以外での代走が見られ、1000形や1500形、新1000形が京成線内を飛行機マーク付き種別の列車で走ることがあった。
京急車の特徴として、必要な車両以外への方向幕・種別幕の整備が極端に遅いということが挙げられる。(飛)特急や(飛)快速も例外ではなく、600形以外がこれらの種別で走ったとしても飛行機マークの無い特急や、(飛)快速の場合は種別を印刷した貼り紙等での代用1)となることが多かった。特に、1000形は後年こそ飛行機マーク付き種別の入った種別幕を持った編成が出てくるが、京成線内で飛行機マーク付き種別を表示して走ったことは一度も無いはずである。
2010年7月ダイヤ改正で(飛)アクセス特急が登場するが、120km/h運転が可能な京急車もこの運転系統に参戦することとなり、京急車の(飛)アクセス特急も見られるようになった(同時に早朝のみとなった(飛)快速からは撤退)。使用される車両は(飛)特急および(飛)快速から引き続いて600形と新1000形(10次車以降)である。ダイヤ乱れ時には代走として1500形、新1000形(1〜9次車)が使用されることもあるが、やはり"貼り紙"率が高かった。1500形の(飛)アクセス特急は2回だけ走ったが、2回目は運良く(飛)アクセス特急表示を持つ車両が充当され、たった1回ではあるが1500形による正真正銘の(飛)アクセス特急が走った2)。
北総車
北総車はそもそも京成線内では飛行機マーク付き種別の列車が設定されたことがないため、北総車が京成線内を飛行機マーク付き種別で走る機会はほとんどなかった。ダイヤ乱れにおいて(飛)特急への充当は極稀にあったようだが、異常時におけるできごとなのでその全貌を把握することは極めて困難である。(飛)快速および(飛)アクセス特急については、京成線からの上り列車ということもあり、北総車が代走するということは皆無であった。
- 1)(飛)快速のコマがなければ必然的に快速のコマも無いため。
- 2)2回目は2013年12月13日の27H:1713編成だったが、1713編成は高砂等で車両交換されずに成田空港まで入線した。1500形が成田スカイアクセス線を走ったのは今のところこれが唯一の事例となっている。
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