2016.01.15
2015年初秋の静岡、時間に余裕があったので静岡駅にて小一時間バスも観察してみた。
静岡市内を走るバスは静岡鉄道系列のしずてつジャストラインがそのほとんどを独占しており、静岡駅のバスターミナルを出入りするバスはほぼ同社の車両である。しずてつジャストラインは静岡を代表するバス事業者ということもあり、自社発注の新しい車両をコンスタントに導入している一方、地方の事業者ということで古い車両もまだまだ見ることができる。首都圏ではとうに淘汰された古い車種がまだまだ現役で頑張っている姿は実に頼もしい。
鳥坂営業所のエアロスターK(1989年式、三菱ふそうP-MP218K)である。中扉が4枚の折戸になっている車両は、1989年に市内の一部路線にバスロケーションシステムを導入した際に大量に導入されたものということで、古参車両の中でも見かける機会の多い車両であった。メトロ窓にハイバックシートという、なかなか気合の入った仕様なのが魅力的。何というか、バスロケの導入とともに、バスに希望を見出していた時代の産物という印象を受ける。中扉の4枚折戸は塗装と合っていない1)が、ここらへんは仕方がなかったのだろう。
続いて岡部営業所のエアロスターK(1992年式、三菱ふそうU-MP218K)をば。岡部営業所の車両は同営業所が担当する中部国道線で静岡駅に乗り入れてくるが、この日の中部国道線充当車はことごとく古参車であった。そもそも岡部営業所自体が比較的経年車の割合の高い営業所のようで、同営業所が静岡市ではなく藤枝市に所在しているがゆえにそうなのかはよくわからないが、いずれにせよ営業所間の格差が見え隠れしていたのは確かであった。逆に言えば、藤枝方面を訪ねればより多くの古参車両に出会える可能性が高く、今度は藤枝まで足を延ばしてみようかななどと思いながら静岡駅を後にしたのであった。
- 1)しずてつジャストラインの旧塗装は前後扉の車両が多かった時代にデザインされたもので、扉の位置に赤い帯が重なるのが特徴となっている。
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