2024.11.17
京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリース1)や15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。
本稿では、2023年11月25日現在のダイヤを「現行ダイヤ」、2024年11月23日に修正されるダイヤを「新ダイヤ」などと記している。
1.上りスカイライナーを1本増発
外国人旅行者(インバウンド)による好調でダイヤ改正のたびに増発されるスカイライナーだが、今回のダイヤ修正においても上り列車1本の増発を行う。増発されるのは21時20分発成田空港始発京成上野行。合わせて同30分発の列車を40分発に変更し、20分間隔で運転される時間帯を拡大する。
2.青砥・新鎌ヶ谷停車スカイライナーの増
現行ダイヤで日暮里〜空港第2ビル無停車で運転している下りスカイライナー2本(京成上野19時40分発・20時20分発)を、青砥・新鎌ヶ谷停車便に変更する。従来は15時台で終了していた下り青砥・新鎌ヶ谷停車便を、夜間時間帯にも運転するという新たな試み。北総線経由のイブニングライナー的列車の新設ともとれる変更となっている。
3.平日早朝のアクセス特急成田空港行を神奈川新町始発に延長
現行ダイヤで平日早朝に運転されている押上6時11分発アクセス特急成田空港行605Kレの始発駅を神奈川新町に変更する。神奈川新町5時19分発特急青砥行521Hレ(品川から普通)を統合する格好で、列車番号を505Kレとして神奈川新町より直通運転を行う。
車両の送り込みは、前日の京成高砂23時10分発普通神奈川新町行(平日2302Kレ、押上から特急)または同09分発普通品川行(土休日2308Kレ、品川から回送)となり、新町検車区で一夜を明かした上で充当する。京成車の神奈川新町行が初めて登場するほか、こちらも初となる京成車の京急線内停泊も設定される。なお、土休日では5時19分発特急青砥行503Kレ(品川から普通)が京成車の運用となる(青砥で折返し602Kレから現行ダイヤの03K運行と同じ)。
これらの変更に伴い、高砂車庫で停泊する京急車が1本増えて2本体制となる(平日65H・71H・土休日53H・73H→翌平日21H・83H・土休日15H・53H)。
4.京成本線そのほか
- 復活と消滅を繰り返している押上線の6両編成が1年ぶりにまたまた復活する。6両編成での運転となるのは土休日の京成高砂21時22分発普通押上行2196Kレおよび押上21時53分発京成高砂行2197Kレで、現行ダイヤで53K運行が担当している1往復分。2196Kレは20A32レ快速京成高砂行からの直通で、京成高砂で種別行先を変更して走る。
- 京急車の京成本線乗入れは、平日・土休日ともにめでたく残存。平日29H、83H運行と土休日61H、81H運行がそのまま残る。なお、従来は京成高砂到着後高砂車庫に入庫していた2160Hレ快速京成高砂行は、新ダイヤでは京成高砂からさらに2260Hレ普通逗子・葉山行(押上から急行)として走るようになる。
5.北総線関連
北総線においてもダイヤ修正を行う2)。新鎌ヶ谷発の千葉ニュータウン内区間列車を1本増発する。
増発となるのは新鎌ヶ谷22時20分発普通印西牧の原行で、新鎌ヶ谷同19分発アクセス特急成田空港行に対する接続列車確保が目的。この列車の設定により、当該アクセス特急を利用した場合の新鎌ヶ谷〜印旛日本医大間アクセス特急通過駅到着時間が最大で8分早まる。なお、増発は片道のみとなることから、送り込みは回送となる模様。
このほか、一部の列車で運用が持ち替えられる関係で、高砂車庫で停泊となる北総車が登場する(平日31N・土休日29N→翌平日27N・土休日25N)。北総車が他社局線内で停泊を行うのは、北総線開業以来初めてとなる事例。合わせて、印旛車両基地で停泊となる京成車も出現している(平日73K・土休日81K→翌平日87K・土休日85K)。
6.新京成線関連
今のところ時刻変更などの発表はない。同線は2025年3月に京成松戸線となる予定だが、列車番号も従前のままとなっている。
◆ ◆ ◆
以上、11月23日のダイヤ修正を概観した。内容としては比較的小規模なものとなっているが、直通社局間における車両の走行距離調整と思しき運用の持ち替えが多数発生し、車両運用はますます混迷を極めている印象である。そして、今回のダイヤ修正においてもやはり珍列車と呼べるような列車が出現しているので、それは別途紹介していくことにしよう。
- 1)京成線ダイヤ改正を実施します[PDF] - 京成電鉄の2024年10月22日付プレスリリース。
- 2)北総線ダイヤ改正を実施します - 北総鉄道の2024年10月22日付プレスリリース。
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