2023.11.15
京成電鉄では、11月25日にダイヤ改正を行う。今回のダイヤ改正について、プレスリリース1)や乗換案内サイトなどで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。
本稿では、2022年11月26日現在のダイヤを「現行ダイヤ」、2023年11月25日に改正されるダイヤを「新ダイヤ」などと記している。
1.上りスカイライナーを1本増発
京成上野~成田空港で運行しているスカイライナーについて、上り列車を1本増発する。増発が行われるのは平日・土休日とも22時台で、成田空港22時20分発の列車が増発の扱いとなる。合わせて現行ダイヤで同駅22時30分発の列車を同40分発に変更し、増発列車を含めて青砥・新鎌ヶ谷停車のスカイライナーを20分間隔で運行することによって、この時間帯に成田空港に到着するLCC利用者への利便を図る。
スカイライナーが増発されるのは2019年10月ダイヤ改正以来、4年ぶりのこととなる。同列車は新型コロナウイスルの世界的な流行により利用が大きく落ち込み、一時は列車を間引いて運転していたこともあったが、その後はインバウンドの復調などもあって息を吹き返している。先日にはご利用4500万人を達成しており、京成が毎月発表している月次営業概況においてもコロナ禍前と比べて遜色ない数字が出てきている。
2.深夜上り通勤特急を快速に格下げ
平日成田空港22時34分発の通勤特急西馬込行および土休日同35分発京成上野行を快速に変更する(平日は行先も京成上野行に変更)。深夜帯の輸送力調整に伴うもので、これらの列車の前後を走る普通列車2本が京成津田沼以東でバッサリと削減されている。
この通勤特急は2004年10月ダイヤ改正でやはり輸送力調整のため特急からの格下げで登場したもので、特に土休日の列車は土休日に唯一見られる通勤特急となっていた。通勤特急の中では随一の変わり種列車が、今回のダイヤ改正で約19年の運行に幕を閉じることとなった。
3.平日夜間下り通勤特急の一部を快速に格下げ
平日21時台後半から23時台にかけて運転されている下り通勤特急5本のうち、3本を快速に格下げする。合わせて、同時間帯の京成本線下り普通列車3本(京成成田行1本、宗吾参道行2本)を、京成津田沼止まりまたは千葉・千原線直通列車に変更する。2022年2月ダイヤ改正で行われた夜間時間帯における京成本線京成津田沼以東の列車削減が、いっそう進められる格好となる。
通勤特急から格下げとなる快速のうち2本は都営浅草線内をエアポート快特として運転している列車だが、ダイヤ改正以降もエアポート快特のままとなるので、平日夜間に運転されるエアポート快特としては初めて、押上で快速に種別変更するパターンが生じることになる。なお、下り通勤特急は2本のみとなり、もはや壊滅状態に。ダイヤ改正後の通勤特急は全て京成車での運転となり、都営車の通勤特急はまたしても消滅することになる。
4.京成本線そのほか
- 京成上野〜京成高砂、平日20時以降の3往復分の列車を削減。土休日においても23時台の1往復分の列車を削減。
- 平日京成上野22時18分発普通京成高砂行を同23分発の快速に変更する。この列車はアクセス特急京成上野行からの折返し列車で、アクセス運用の快速が久々に走る。
- 京急車の京成本線乗入れは平日・土休日ともにめでたく残存。新ダイヤにおいても引き続き平日83H運行・土休日81H運行が京成本線を走る。しぶとい!
- それどころか、平日には29H運行も日中時間帯に京成本線を1往復するようになるほか、土休日22時台に京成佐倉発快速京成高砂行が61H運行として設定されている。ここにきて京成本線を走る京急車がめっちゃ増えるで。
5.北総線関連
北総鉄道においてもダイヤ改正を行う2)。今回のダイヤ改正の目玉は、2022年2月ダイヤ改正で登場、同年11月ダイヤ改正で増発が行われた新鎌ヶ谷〜印西牧の原・印旛日本医大間の区間列車の運転区間延長。一部の列車を新鎌ヶ谷折返しから矢切折返しに変更する。千葉ニュータウン区間内に限定されていた区間列車による利便性向上を、新鎌ヶ谷以西の2期線区間にも広げる格好。
新たに矢切発着となるのは平日2往復分、土休日6往復分。2010年7月ダイヤ改正以降上り終電のみに設定されていた矢切行が、約22年ぶりに日中時間帯に走るようになる。なお、平日に都営車の運用が1本設定されており、都営車の矢切行が初めて登場する(そのほかは全て北総車)。
このほか、平日印旛日本医大7時46分発特急西馬込行が羽田空港行に変更される。2001年9月ダイヤ改正で登場した北総線特急で、西馬込行以外の列車が設定されるのは初めて。
6.新京成線関連
今のところ時刻変更などの発表はない。
◆ ◆ ◆
以上、11月25日のダイヤ改正を概観した。前回のダイヤ改正に引き続き内容としては比較的小規模なものとなっているが、京成の稼ぎ頭であるスカイライナーが約4年ぶりに増発されたのはやはり嬉しいところだ。そして、今回のダイヤ改正においてもやはり珍列車と呼べるような列車が現れているので、それは別途紹介していくことにしよう。
- 1)京成線ダイヤ改正を実施します[PDF] - 京成電鉄の2023年10月24日付プレスリリース。
- 2)北総線ダイヤ改正を実施します - 北総鉄道の2023年10月24日付プレスリリース。
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