2024.05.03
2023年度の京成線の駅別乗降人員ランキング!
京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2023年度の駅別乗降人員をランキング形式で見てみよう。合わせて、各駅について前年度からの順位の変動や乗降人員の増減もご紹介する。
全体の傾向
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2020年度から3年が経過した中で、利用者の回復傾向は前年度より続いており、全ての駅で乗降人員が増加した。京成全線における1日平均の乗降人員の合計は1,500,053人で、前年度比123,667人、10.1%の増。定期・定期外の別では、定期利用は833,746人で前年度比5.4%増、定期外利用は666,307人で同13.9%の増である。
この1,500,053人という数字は、コロナ禍前で最大だった2018年度比で93.7%となっている。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類から5類になったのが2023年5月であることを踏まえれば、利用者はほぼコロナ禍前の水準に戻ってきているものと言える。駅単体ではコロナ禍前の利用者数を超えてきたところも複数出てきている。
また、インバウンド(訪日外国人旅行者)はますます盛況で、これに影響される形でスカイライナー・アクセス特急停車駅の利用者数が伸びている。同社の小林社長が2024年1月に明らかにしたところに1)よれば、スカイライナー利用者は「コロナ禍前を超えてきた」とのこと。ここ最近の京成の好調っぷりは、インバウンドが支えていると言っても過言ではないわけだ。
それでは、ランキングを見てみよう。( )内の数字は1日平均の駅別乗降人員、[ ]内は前年度の順位と前年度からの増減を表す。*京成高砂、京成津田沼、東成田、押上は他社局線直通の連絡人員を含む。#東松戸、新鎌ヶ谷、千葉ニュータウン中央、印旛日本医大はスカイライナーまたはアクセス特急の利用人員のみをカウント。下線のある駅は、2019年度の利用者数を超えている駅。
1位〜3位
1位:押 上*(209,421人)[前1→ / +20,588人]
2位:京成高砂*(97,368人)[前2→ / +7,231人]
3位:日暮里(94,963人)[前3→ / +11,133人]
不動のトップ3である。順位の変動はなかったものの、それぞれの駅で利用者の大きな増加が見られる。中でも押上は驚異の2万人増で、4年ぶりに20万人の大台を突破。2019年度の22万5000人にはまだ及ばないものの、その数字に近づいていっているのは確かである。
4位〜10位
4位:京成船橋(88,905人)[前4→ / +5,267人]
5位:京成津田沼*(57,251人)[前5→ / +2,352人]
6位:勝田台(47,512人)[前6→ / +1,912人]
7位:青 砥(46,937人)[前7→ / +3,030人]
8位:京成上野(45,083人)[前9↑ / +6,510人]
9位:八千代台(42,892人)[前8↓ / +1,815人]
10位:京成成田(34,539人)[前13↑ / +3,399人]
8位以下に順位の変動が見られる。インバウンドに後押しされる格好で京成上野が8位となり、八千代台を上回った。京成上野が八千代台を超えるのは少なくとも2010年度以降で初めて。また、コロナによる影響を大きく受けて13位に甘んじていた京成成田が14年ぶりにトップ10入りを果たしている。これにより、前年度にトップ10入りの快挙を果たした京成大久保がわずか1年で11位に転落した。
11位〜20位
11位:京成大久保(34,389人)[前10↓ / +1,695人]
12位:京成八幡(33,920人)[前11↓ / +1,859人]
13位:京成立石(33,675人)[前12↓ / +1,615人]
14位:お花茶屋(31,424人)[前14→ / +2,004人]
15位:京成千葉(30,276人)[前15→ / +2,298人]
16位:空港第2ビル(29,106人)[前20↑ / +10,603人]
17位:成田空港(28,580人)[前25↑ / +10,811人]
18位:実 籾(23,144人)[前17↓ / +986人]
19位:京成関屋(23,003人)[前16↓ / +508人]
20位:京成金町(22,905人)[前18↓ / +876人]
空港第2ビルと成田空港の勢いが止まらない。成田空港の28,580人は2019年度を超える史上最高値、空港第2ビルの29,106人もそれに匹敵する数字をたたき出した。いずれも前年度比で50%以上の伸びを見せており、頑張ったで賞(後述)の1位:成田空港、2位:空港第2ビルはいずれも2年連続である。冒頭で記した通り、インバウンドが大きな力になっているものと思われる。
前述のとおり、トップ10から陥落した京成大久保が11位にランクイン。続いて、12位:京成八幡と13位:京成立石が僅差で迫ってきており、デッドヒートが繰り広げられている。前年度、たった1人という超絶僅差となった京成八幡と京成立石の熱い戦いは、順序変わらず京成八幡が少し突き放す格好になった。
21位〜40位
21位:堀切菖蒲園(21,209人)[前19↓ / +1,088人]
22位:千葉中央(19,367人)[前21↓ / +1,070人]
23位:ユーカリが丘(19,069人)[前23→ / +1,004人]
24位:町 屋(19,043人)[前24→ / +1,040人]
25位:京成曳舟(18,818人)[前26↑ / +1,544人]
26位:船橋競馬場(18,408人)[前22↓ / +315人]
27位:京成小岩(17,629人)[前27→ / +866人]
28位:四ツ木(17,398人)[前28→ / +1,200人]
29位:京成臼井(16,549人)[前29→ / +748人]
30位:京成佐倉(16,281人)[前30→ / +845人]
31位:京成幕張本郷(15,939人)[前31→ / +745人]
32位:千住大橋(15,863人)[前32→ / +1,119人]
33位:公津の杜(13,755人)[前34↑ / +1,515人]
34位:志 津(13,656人)[前33↓ / +554人]
35位:八 広(13,264人)[前35→ / +1,146人]
36位:京成大和田(11,776人)[前36→ / +653人]
37位:国府台(11,738人)[前37→ / +663人]
38位:京成西船(10,575人)[前38→ / +569人]
39位:谷 津(10,118人)[前39→ / +391人]
40位:柴 又(8,453人)[前40→ / +610人]
この中で特に順位の変動が大きかったのは船橋競馬場。前年度の22位から大きく順位を落として26位となったほか、ヤバいで賞(後述)では不名誉な1位となってしまった。ただし、同駅はもともと25位あたりをうろついていた駅なので、もとのポジションに戻っただけとも言える。
いずれの駅も利用者数を伸ばしているが、興味深いのはその内容。大雑把に言えば、都心に近い駅は利用者の増が大きく、郊外の駅では伸びは鈍いように見える。好調な駅とそうでない駅がはっきりしている中で、今後も順位の変動が発生していきそうな状況である。
41位〜69位
41位:京成幕張(7,794人)[前41→ / +249人]
42位:みどり台(7,682人)[前42→ / +291人]
43位:京成稲毛(7,287人)[前43→ / +417人]
44位:東中山(6,727人)[前45↑ / +409人]
45位:市川真間(6,726人)[前44↓ / +165人]
46位:江戸川(5,964人)[前47↑ / +416人]
47位:ちはら台(5,943人)[前48↑ / +413人]
48位:京成酒々井(5,879人)[前46↓ / +291人]
49位:海 神(5,812人)[前50↑ / +458人]
50位:新三河島(5,696人)[前51↑ / +384人]
51位:鬼 越(5,576人)[前49↓ / +196人]
52位:学園前(5,503人)[前52→ / +356人]
53位:おゆみ野(5,382人)[前53→ / +352人]
54位:大神宮下(5,303人)[前54→ / +331人]
55位:千葉寺(5,142人)[前55→ / +406人]
56位:新鎌ヶ谷#(5,008人)[前58↑ / +736人]
57位:千葉NT中央#(4,939人)[前56↓ / +348人]
58位:東松戸#(4,918人)[前59↑ / +913人]
59位:菅 野(4,809人)[前57↓ / +315人]
60位:検見川(4,112人)[前58↓ / +232人]
61位:京成中山(3,588人)[前60↓ / +161人]
62位:大森台(3,173人)[前62→ / +204人]
63位:西登戸(3,057人)[前63→ / +232人]
64位:宗吾参道(2,699人)[前64→ / +223人]
65位:新千葉(2,156人)[前65→ / +115人]
66位:東成田*(1,928人)[前66→ / +198人]
67位:成田湯川(1,824人)[前67→ / +329人]
68位:印旛日本医大#(1,692人)[前68→ / +304人]
69位:大佐倉(343人)[前69→ / +32人]
長らく市川真間の後塵を拝していた東中山が、わずか1人差で市川真間を追い抜いた。ここ数年混戦模様となっている46位〜50位付近は、京成酒々井と鬼越が負ける格好。鬼越は15年以上トップ50を維持していたが、ここにきて51位に陥落することとなった。
アクセス特急停車駅にも変動が生じている。新鎌ヶ谷が利用者を大きく伸ばし、千葉ニュータウン中央を追い抜いた。同駅は2022年11月ダイヤ改正でスカイライナー停車駅となったことも追い風となったことであろう。67位:成田湯川と68位:印旛日本医大も増加率で言えばトップ5入りしており、好調である。
50位以下の小さな駅では、コロナ禍前(2019年度)の利用者数を超えているところが多いのが特徴となっている。小駅であるがゆえにもともとコロナによる影響が少なく、その分だけ利用者の戻りも早いということだろうか。
頑張ったで賞
前年度比で増加率の大きい5駅
1位:成田空港(+60.8%)
2位:空港第2ビル(+57.3%)
3位:東松戸(+22.8%)
4位:成田湯川(+22.0%)
5位:印旛日本医大(+21.9%)
ヤバいで賞
前年度比で増加率の小さい5駅
1位:船橋競馬場(+1.7%)
2位:京成関屋(+2.3%)
3位:市川真間(+2.5%)
4位:京成幕張(+3.3%)
5位:鬼 越(+3.6%)
- 1)日本経済新聞、2024年1月12日
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