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ベトナム 首都ハノイを走る路線バス - 車両編

2026.01.19

2025年の秋にベトナムの首都ハノイを訪れた際に、街なかで見かけたいろいろな路線バスを紹介しよう。

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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Opera

▲ベトナムの首都ハノイを走る韓国・大宇バス製の11m級大型車両。青い車体は市内路線バスの共通カラーで、行政からの補助金対象となっている路線に使用されている

ベトナムの首都ハノイの公共交通の主役は路線バスである。ハノイ市内では2021年11月にメトロ2A号線が、2024年8月に同3号線がそれぞれ開通しているものの、市内中心部への乗入れは現在工事中。というわけで、路線バスが市内を元気に走り回っている。

路線の数は約150、約2000台もの車両が走っているという。市内のいくつかの主要なところにバスターミナルが設置されており、バスターミナルがバス路線網のハブ的な役割を果たしている。路線やダイヤの設定は市が一括して管理している模様だが、実際の運行はローカルなバス会社がそれぞれの路線を担当している。

車両は、韓国車が中心。特に、ザイル大宇商用車(大宇バス)製の車両が大勢を占めている印象である。同社は2020年より生産拠点をベトナムに移しており、調達のしやすさが影響しているものと思われる。ただし、同社は2022年に事業停止したので、今後ははたしてどうなるのか。

道路事情の悪さから9m級の短尺車が多め。11〜12m級の大型車両は、大通りを走る基幹系統に限られる。このほか、郊外の集落まで行く路線にはマイクロバスのようなミニバスが見られる。

興味深いのは、電気バスが多数走っていることだ。しかも韓国や中国からの輸入車ではなく、自国ベトナムの新興電気自動車メーカーVinFast(ビンファスト)が製造する電気バスである。ハノイ市では、2030年には市内中心部を走る路線について、電気バスのほかCNG車などの環境対応車両100%化を目標として掲げているとのことで、ひょっとしたら前述の韓国車に代わってこれから電気バスの導入が加速度的に進んでいきそうな感じ。

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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Opera

▲同じく大宇バス製の9.5m級短尺車。ハノイ市内では最もよくみかけるタイプの車両である
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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Opera

▲郊外行のミニバス。ホーチミン市人民委員会傘下の国営企業、サイゴン交通運輸機会総公社(SAMCO)製。これもよく見かけるタイプ
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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Giap Bat Bus Station

▲市内中心部とノイバイ国際空港を結ぶ急行86系統に使用される12m級大型車。車体のオレンジ色はこの路線の専用カラーである
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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Giap Bat Bus Station

▲韓国車だらけの中で突如出現したヨーロピアンなスタイルのノンステップ車両は、ベラルーシのミンスク自動車工場(MAZ)製のMAZ-103という車両。当初はノックダウン生産により1000台が導入される予定だったが、計画が頓挫したためわずか15台ほどの超少数派となっている
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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Opera

▲イカしたデザインのVinFast製の電気バス。車体の緑色は環境対応車両に使用される。余談ながら、現在、同社の電気バスはヨーロッパでも売り込み中で、近い内にヨーロッパでもVinFast製の電気バスが見られる日が来るかもしれない
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ベトナム ハノイのバス
2025.10.5/Opera

▲同じくVinFast製の電気バスの小型車。ミニバス路線に使用され、旧来のミニバスを置き換えていく予定である

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