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2021.06.14

平和島始発の普通品川行を見る。

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京急1000形 1317編成
2021.4.16/平和島

▲平和島4番線に入線する普通品川行。もとから営業列車として走ってきたような空気を出しているけど、コイツ当駅始発なんだぜ
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京急1000形 LCD案内表示器
2021.4.16/**

▲平和島始発普通品川行、LCD案内表示器の案内表示。LCDもなんだか京急蒲田から営業しているかのよう
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京急線 時刻表

▲平日の午後に突然現れる2本の平和島始発品川行1571・1573(京急時刻表より。当該列車の着色は筆者による)

新型コロナウイルス感染症の影響による利用状況の変化への対応や、夜間における保守作業時間の確保を目的として実施された2021年3月27日ダイヤ改正。そのダイヤ改正において、平日の午後に2本だけ平和島始発普通品川行という列車が設定された。平和島始発とはずいぶんと妙ちくりんな列車だが、運行の様子を見に行ってみたのでレポートしよう。

平日2本のみ、平和島発普通品川行

平日の午後に突如出現する2本の平和島始発普通品川行1571・1573。これらは、結論から言うと同改正で廃止された品川〜京急蒲田間の普通列車、通称"蒲田ローカル"の成れの果てである。もとは京急蒲田始発の蒲田ローカルとして走っていた1577と1571で、それぞれをダイヤ改正で平和島始発に変更したものとなっている。

蒲田ローカルと言えば、2021年3月ダイヤ改正以前より新型コロナウイルス感染症の影響で2020年5月より運休が続いていたが、蒲田ローカルの運休状況のレポートでも記したように、1577と1571の2本は運用の都合で運休したくてもできない列車だった。したがって、蒲田ローカルの廃止に際してもやはり運用の都合でこれらの列車を完全に消し去るわけにはいかず、平和島始発という格好で中途半端に残っちゃったというわけである。

平和島始発の列車は、2003年7月から2010年5月まで走っていた1032普通浦賀行1)以来の設定となる。この時の平和島始発は下り列車だったが、上り列車となるとはたして前例はあるのだろうか。

なぜ、平和島始発なのか

時刻表上では平和島始発として現れる1571・1573だが、列車としては神奈川新町より新町検車区出庫の回送列車として運転されている。この2本の列車はなぜ平和島から営業運転となるのか、神奈川新町出庫の場面から追いかけてみた。

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京急1000形 1317編成
2021.4.16/神奈川新町

▲神奈川新町を回送で出庫する1573。同列車は検車区側の出発線から直接本線に出ていく
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京急1000形 1317編成
2021.4.16/京急蒲田

▲京急川崎でエアポート急行と快特を待避の後、京急蒲田でも待避のため5番線に入線。このあたりの動きはダイヤ改正以前の蒲田ローカルと同じ

神奈川新町を出発した1571・1573は、まず京急川崎まで走行。同駅7番線に入って後続のエアポート急行と快特を待避する。続いて、京急蒲田駅の切り欠きホーム5番線に入線して普通と快特を待避。ようやく平和島まで走って、同駅より営業運転を開始する。

京急川崎からの動きはダイヤ改正以前の蒲田ローカルと同じなので、1571・1573も京急蒲田から営業運転をしようと思えばできるものと思われる。そうでない理由は5番線で客扱いを行いたくないということだろう。この時間帯の普通は全て6番線発着なので、1571・1573を京急蒲田始発にすると、この2本だけイレギュラー的に5番線からの発車となってしまう。乗客の混乱を招くし、いわゆる蒲田ダッシュ2)も誘発してあまりよろしくない。

それだったらもう品川まで全区間回送でもいいような気がするけど、蒲田ローカル自体がもともとは品川〜京急蒲田間のエアポート急行停車駅のための救済列車だったので、やはりそれを廃止してしまうことに対する負い目がある・・・? 京急蒲田の次に始発列車が設定可能な平和島から営業運転を行っているのは、京急のせめてもの罪滅ぼし(?)ということだろうか。

  • 1)品川〜平和島間回送。品川から営業運転すると後続の快特に追いつかれてしまうので、平和島まで回送で逃げて営業運転を行っていた。
  • 2)京急蒲田駅の切り欠きホーム2番線・5番線に停車している列車に急いで乗り換えること。ホームが離れているくせに乗り換え時間が少ないため、走らないと間に合わない。

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