京成電鉄「2026年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
2026.05.28
今年も春の大型連休が終わり、鉄道各事業者から設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも20日に発表があった1)ところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。
京成3200形 3000編成
2026.4.29/菅野〜京成八幡
2026年度における鉄道事業の投資額は566億円で、昨年度実績比216億円、62%の増となっている。
車両 - 3200形を42両導入 ほか
車両については、2024年度にデビューした3200形を引き続き導入する。今年度は7編成42両を導入する予定となっている。
目下、置き換えの候補に挙がりそうなのは、3500形(24両)と3600形3688編成(6両)、3400形3448編成(8両)、8800形非リニューアル車(18両)あたりだろうか。SNSでは既に廃車となったもと芝鉄の3540編成と残る3500形、3600形3688編成、3400形でちょうど42両となることから、今年度の3200形でこれらを一掃するのではないかという予想も飛んでいるが、これは少し早計であろう。ワンマン運転対応の4両編成を含んだこれらの車両をそのまま置き換えるとすると8編成となってしまい、発表された数字と合わない。
となると、新京成が京成となってから初めて8800形に廃車が発生する可能性が高まるが、この場合、8800形をどのように置き換えるのか気になるところ。松戸線仕様の3200形が登場するのか、それとも・・・?
成田空港アクセスの強化
- 宗吾車両基地拡充工事計画における新工場建設工事の推進
- 押上〜成田空港間新型有料特急用の車両製作の推進
- 新鎌ヶ谷〜印旛日本医大間複々線化の検討
- 成田湯川〜成田空港間単線区間の複線化の検討
- 空港駅機能改善の検討
昨年度より引き続き、宗吾車両基地拡充工事計画における新工場建設工事を推進する。工事はたけなわで、京成酒々井〜宗吾参道の車窓から車両基地用の高架が立ち上がっている様子を見ることができる。同基地の拡張は、成田空港の更なる機能強化に向けたもので、新工場は2028年度末に完成予定となっている。
そして、成田空港アクセス強化について驚きなのは、成田スカイアクセス線新鎌ヶ谷〜印旛日本医大の複々線化だ。今年の2月に検討着手が発表されたものだが、同区間においてスカイライナーと押上線新型有料特急が160km/hで走行可能な新線を整備するという。同線についてはようやく全線複線化への動きが出てきているところだが、それを超えて複々線化まで話が出てきているのだから、現実は予想以上である。
京成電鉄 新型有料特急
京成電鉄 成田スカイアクセス新線整備計画
なお、複々線化の対象となる新鎌ヶ谷〜印旛日本医大は、約20kmに及ぶ。現在、日本の私鉄における最も長い複々線区間は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北千住〜北越谷の18.9kmであるというのは鉄道趣味の基礎知識だが、将来、京成がこれを塗り替える日がやってくる模様だ。
駅施設 - 松戸駅のリニューアル ほか
- 駅施設リニューアル(京成佐倉、京成稲毛、みどり台、松戸)
- 耐震改修(京成小岩、船橋競馬場、京成津田沼、大佐倉、みどり台、京成千葉)
- ホームドア設置の推進(堀切菖蒲園、青砥、京成高砂、市川真間、鬼越、京成中山、船橋競馬場、八広)
- バリアフリー化(京成佐倉、大佐倉、京成稲毛)
- 駅ホーム改修(京成関屋、宗吾参道、京成成田、新津田沼、北習志野)
- QR乗車券への置き換えに伴う駅務機器の更新
駅施設のリニューアルは、京成佐倉と京成稲毛、みどり台と松戸で実施。このうち、松戸駅の工事が今年度で完了する予定となっている。
このほか、投資計画において初出なのは、QRコードを使用した乗車券への置き換えに伴う駅務機器の更新という内容。QRコードを使用した乗車券は、これまで長らく使用されてきた磁気乗車券を置き換えるものとなる。複雑な機構を持つ専用の出改札機器類(自動改札機や自動券売機など)が必要かつ磁気の使用により一定の環境負荷がかかる磁気乗車券からQR乗車券に移行することで、出改札機器による鉄道サービスを維持したい考え。
京成は2024年5月にも京急電鉄やJR東日本など鉄道事業者7社と共同でQR乗車券への移行を明らかにしており、2026年度末以降、順次実施する2)としていた。また、京成グループ子会社の北総鉄道では、2027年3月ごろに磁気乗車券の発売を終了する予定3)となっている。
その他
- 本線荒川橋梁架替工事の推進
- 押上線四ツ木〜青砥間連続立体交差工事の推進
- 高架橋耐震補強(千葉寺〜ちはら台)
- 法面補強(京成佐倉〜大佐倉、公津の杜〜京成成田、京成成田〜空港第2ビル)
- 列車運行管理装置、電力管理装置の更新
- 連動装置更新(青砥)
- 日暮里変電所、二和変電所機器更新
- など
- 1)2026年度 鉄道事業設備投資計画[PDF] - 京成電鉄の2026年5月29日付プレスリリース
- 2)鉄道事業者8社による磁気乗車券からQRコードを使用した乗車券への置き換えについて[PDF] - 2024年5月29日、京成など鉄道事業者8社による共同プレスリリース
- 3)磁気乗車券の発売終了について[PDF] - 北総鉄道の2026年3月13日付プレスリリース
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