2023.03.18
京急1500形鋼製車が全廃。
現時点において京急最古参の形式となっている1500形。昨年度より廃車が始まっているところだが、このほど1500形のうち鋼製車と呼ばれる形態の車両が運用を終了した。鋼製車として最後まで残っていた1501編成と1517編成が、14日をもって運用離脱したことによるもの。18日現在、既に久里浜の工場で部品の取り外しが始まっている模様である。14日の最終運行となったのは1722Aレ快特京急久里浜行で、1501+1517という編成で充当。さらに、この列車の金沢文庫までの増結車として1525編成が連結され、京急お得意のさよなら運用で有終の美を飾った。
1500形鋼製車は1500形の中でも最初期に導入されたグループで、1984年度に導入された1501編成、1505編成、1509編成と1986年度導入の1513編成、1517編成が該当する。その特徴は、その名のとおり車体が旧来の普通鋼でつくられていること。外観上の大きな特徴であった戸袋部の窓は車体更新の際に埋められてしまったが、1521編成以降のアルミ車とは異なる屋根のカーブの仕方で遠くからでも簡単に見分けることができた。
鋼製車は120km/h運転対応の対象にならなかったこともあり、2000年代中ごろより大師線を中心に運用。700形や1000形なき後の大師線のヌシとして走った。鋼製車と言えば大師線というイメージが付いている方も多いものと思われる。それ以外はラッシュ時間帯の増結車に使用されたり、時おり日中時間帯の本線に姿を見せたりといった感じで運用されていた。
1500形鋼製車の引退により、京急の旅客用車両1)は・・・
- 全ての車両がアルミ車あるいはステンレス車で120km/h運転に対応
- 界磁チョッパ制御の車両は1521編成と1525編成だけ
- 1500形の4両編成も同じく1521編成と1525編成だけ
となる。
鋼製車の全廃によりいよいよアルミ車が最古参となる格好だが、次なる注目は界磁チョッパ制御で残る1521編成と1525編成の去就であろう。この2編成が廃車になるならば、デトを除いた全ての車両のVVVFインバーター制御化が達成されることとなる。
京急は、2023年1月に行った国土交通省への鉄道旅客運賃改定の申請の中で、2023年度に14両、2025年度と2026年度にそれぞれ20両ずつ車両を代替することを明らかにしている2)。鋼製車に続いてアルミ車も淘汰の対象となりそうな情勢か。鋼製車の引退は、1500形の置き換えという枠の中ではまだ序章に過ぎないのかもしれない。
- 1)旅客用車両とは、デトなどの事業用車両以外を指す。
- 2)2023年1月13日付、鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請書、40ページ。
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