KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2011.03.12

7年目の青。

D09583.jpg

京急600形 606編成
2011.3.11/逸 見

▲青いまま出場となった606編成

昨年10月に京急ファインテックに入場、重要部検査に合わせて車体の更新工事が行われていた606編成だが、工事が完了し、11日に試運転を行った。入場のたびに"KEIKYU BLUE SKY TRAIN"の解除が心配される606編成だが、今回も青いままの出場となっており、600形更新車に青い編成が仲間入りとなっている。

606編成は2005年に600形としては初めてロングシート化改造が行われた編成で、その時にドア上にLEDの案内が設置されたが、今回の更新では他の600形更新車と同様の17インチ液晶ディスプレイ(LCD)に置換わっている。この他、目立つところとしては前面のワイパーカバーを「600」のスリット入りのものに交換している。

なお、試運転は"KEIKYU BLUE SKY TRAIN"ロゴ等のステッカーが未貼付の状態で実施された。ステッカー類が貼られていない状態での本線走行は2005年、606編成が重検に合わせて"KEIKYU BLUE SKY TRAIN"となった時の出場試運転以来で、6年ぶり2度目の珍事となっている。

◆ ◆ ◆

本当は上だけで記事は終わる予定であったが、試運転の日付を見ていただいて分かるように、この直後に東日本大震災が発生している。上記の606編成は試運転途中の追浜〜京急田浦間で被災しており、緊急停車の後、当日深夜の運転再開までその場に留め置かれた模様。

私はというと、この606編成を撮りに行ったがために横浜駅にて被災した。その日は夕方から所用があって千葉に戻らなくてはいけなかったので、試運転往路(上の写真)だけ撮った後の帰途であった。

地震発生後、鉄道全線が運転中止ということで、品川まで8時間かけて歩いた。品川で臨時の休憩所として開放されていたホテルのロビーで1夜を明かし、翌朝からかろうじて動き始めた都営浅草線と京成線を乗り継いでなんとか家にたどり着くことができた。

横浜から千葉までは電車がちゃんと動いていれば高々2時間である。だが、この2時間、当たり前すぎて特に意識することはなかったはずである。今回は、公共交通がきちんと動いてくれていることが、どれほど大切なこと、ありがたいことだろうということを改めて認識させてくれる体験であった。

被害の大きかった東北地方は言わずもがな、首都圏の鉄道網も未だ平常運行に戻っていない。ありきたりな言葉ではあるが、早期の復興、一日も早く日常が戻ることを願うばかりである。以上が私にとっての3月11日であった。

関連記事

2011.08.16

京急600形「ワンワールド アライアンス号」

京急600形606編成、車体更新後初めてのラッピング電車である。KEIKYU BLUE SKY TRAINの606編成が8月1日より「ワンワールド アライアンス号」として走っている。同日より...

京急600形「ワンワールド アライアンス号」

2009.05.10

ヨコハマ界隈ヘッドマークづくし 2 - 「2010年上海万博」広告電車

というわけで、さっそくシリーズその2をば。ヘッドマークと題していながら、いきなり広告電車を取り上げるわけだが、まあ広告ヘッドマークということで・・・。京急に2編成在籍する「KEIKYU BLUE...

ヨコハマ界隈ヘッドマークづくし 2 - 「2010年上海万博」広告電車

2009.01.05

606編成「羽田-成田直結10周年記念号」

羽田空港~成田空港間の直結を記念して「直結10周年」のヘッドマークが掲出されているが、京急の宣伝部長殿・・・もとい606編成にはラッピングもなされて、「羽田-成田直結10周年記念号」としての運転...

606編成「羽田-成田直結10周年記念号」

2008.03.19

大雪の京成線@2008年2月 4 - 雪中のKEIKYU BLUE SKY TRAIN

雪の中を行くKEIKYU BLUE SKY TRAIN。大雪となった2月3日は3000形ばかりが多く目についてげんなりしていたのだが、土休日の京急車では唯一佐倉まで乗入れる79Hに606編成...

大雪の京成線@2008年2月 4 - 雪中のKEIKYU BLUE SKY TRAIN

2006.11.18

京急線・羽田空港駅 開業8周年

早いもので、羽田空港駅が開業してから今年で8周年、だそうだ。「8」は特にキリのいい数字ではないが...

京急線・羽田空港駅 開業8周年

最新記事

2025.02.10

京成線 4両編成の現況(2025年)

京成線の4両編成の今。京成線にわずかに残る4両編成。弊サイトでは2020年12月にもその運用状況をレポートしたところだが、2022年11月ダイヤ改正におけるワンマン運転開始や新型車両3200形の...

京成線 4両編成の現況(2025年)

2025.02.05

京成バスシステムKS-7602号車 三菱ふそうエアロスターPJ-MP37JM

1台だけのエアロスター。京成バスシステムKS-7602号車は、2006年式の三菱ふそうエアロスター(PJ-MP37JM)である。俗に「ペタノン」などと言われる独特なスタイルを持つエアロスターの...

京成バスシステムKS-7602号車 三菱ふそうエアロスターPJ-MP37JM

2025.01.31

新京成N800形 「マイメモリーズトレイン」運転

新京成の78年間の思い出を乗せて。4月1日に予定されている京成電鉄への合併により、まもなく終焉を迎えようとしている新京成電鉄。車両に掲示されているコーポレートロゴが消えたり、駅の案内サインが京成...

新京成N800形 「マイメモリーズトレイン」運転

2025.01.26

京成AE形 臨時シティライナー「成田山開運号」運転(2025年)

毎年恒例、臨時シティライナー「成田山開運号」。京成電鉄では、臨時シティライナー「成田山開運号」を、大晦日〜翌元日に実施される終夜運転および1月の土休日ダイヤ実施日において運転した。成田山新勝寺へ...

京成AE形 臨時シティライナー「成田山開運号」運転(2025年)

2025.01.21

四直珍列車研究 137 - 平日 1706K・1808K

アクセス車の上野ローカル。平日1706Kレと1808Kレは、夕方に運転される京成高砂始発普通京成上野行である。京成上野といえば、京成本線の都心側のターミナル。そこを目指す普通列車は星の数ほど運転...

四直珍列車研究 137 - 平日 1706K・1808K