2014.11.17
話が前後してしまうが、ソウル駅前のバスに続いて、ソウルの南方35kmに位置する水原(スウォン)というところに出かけた際に見かけたバスをご紹介しよう。

水原のバス
2014.3.6/수원역
水原のバスは、ソウルのバスが青バスと緑バスだらけだったように、川崎市バスの青い部分を緑色にした塗装のバスばかりが走っている。やはりとんでもなく大きなバス会社が都市内の輸送を牛耳ってるのかと思ったら、ここでもバス会社自体は自治体に委託された小規模なものの集まりで、塗装や運行方式を自治体の意向に従う準公営方式とのこと。バスの正面中央には「G BUS」と書かれたロゴがあり、「G」は水原市に道庁を置く京畿道(Gyeonggi-do、キョンギド)のことだろうから、京畿道が管轄するバスということになろうか。

水原のバス
2014.3.6/수원역

水原のバス
2014.3.6/장안문

水原のバス
2014.3.6/수원역

水原のバス
2014.3.6/수원역
ここでも、車両は現代自動車製と大宇バス製が大半を占める。塗装は、緑色のものが目立つが、青い川崎市バスもどきとあとここには載せていないが赤いものもいた。もしかしたらソウルのバスと同様に、塗装の色に何らかの意味を持たせているのかもしれない。また、車両の側面に大きく路線番号が貼ってあるように、G BUSでも車両はほぼ路線固定で使用されているようだ。それにしてもこの番号の貼り方はいいと思った。数字は大きくて目立っているし、全体的なデザインとしてのバランスもとれている。
◆ ◆ ◆
水原駅前のバス停もバス乗換センターとなっており、以前ご紹介したソウル駅前のそれと同じように一方向から来て他方に抜けていくタイプのもの。少しばかり様子を観察してみたが、ここは明らかにキャパ不足・・・。バスはどんどんやってくるのだが、前の方から詰まってしまい、終いにゃバス停手前で止まってしまったバスもその場で客扱いを始める始末。こうなればここでも乗る方は必死で、みな乗り遅れまいとバスの方へ駆けていく様は軽く阿鼻叫喚、地獄絵図となっていた。ちょっと何とかしたほうがいいんじゃないかい。

水原駅バス乗換センター
2014.3.6/**

水原駅バス乗換センター
2014.3.6/**
◆ ◆ ◆
そして、ここ水原ではバスに乗ってもみた(と言っても、乗ったのは水原駅から水原の旧市街の入口にあたる八達門までの短い区間だが。約10分)。乗るのに一番の不安となる運賃の支払いだが、G BUSにおいてもIC乗車券T-moneyに対応しているので助かった。IC乗車券なら、適当な額をチャージしておけばあとは運賃計算を勝手にやってくれるのでやはり気が楽だ。T-moneyは乗る時と降りる時に1回ずつ、車内の読み取り機にタッチさればOK。水原駅から八達門までの運賃は現金で1150ウォンだが、ここでも割安なT-money運賃が適用されるので、結局支払った金額は1050ウォンであった1)。

水原のバス
2014.3.6/**
運転は、評判通り(?)かなり荒めと言ってよい。と言うか、運転手は客が乗ってるという自覚あんのか? という感じ。先進国を標榜し、街もある程度綺麗な韓国だが、こういうところに本質が見え隠れするのだよなあと思う。あと、車内にはラジオと思しき放送が流れていたが、韓国のバスはラジオを流しながら走るのが一般的なのだろうか。
ただし、今回乗車したバスでは、次の停留所案内では必ず英語での案内も合わせて放送されていた。前々回の記事でご紹介したインターネットを最大限活用したバスロケーションシステムも含めて、情報の提供方法についてはかなり進んでいると感じた。
- 1)ソウル市内から水原駅まで鉄道(特急セウマル号やムグンファ号等の首都圏電鉄に枠組みに入っていない列車を除く)でアクセスし、かつ運賃をT-moneyで支払った場合、ここでも通し運賃が適用される。例えばソウル駅を起点とした場合、水原駅を経由して八達門までの運賃は、T-money初乗り運賃1050ウォンと距離による運賃が加算されて計1750ウォンとなる(現金で支払った場合は水原駅までの運賃1850ウォンとバスの初乗り運賃1150ウォンで計3000ウォン)。しかし、私はT-money Mpassという乗車券を使っていたため、支払った運賃は水原駅から八達門までのバスの初乗り運賃のみであった(G BUSがT-money Mpassの適用範囲外のため)。首都圏電鉄の共通運賃制とT-moneyによる通し運賃適用が思いのほか強く、このことも事実上の乗り放題乗車券であるはずのT-money Mpassが実はそんなにお得じゃないと感じてしまう要因なのであった。(注:以上の運賃は2014年2月現在のものである。)
関連記事
韓国 ソウル首都圏の交通事情 8 - 広域バスあれこれ
韓国での写真を整理していたら、広域バスだけで記事1本イケそうな量があったので、追加で広域バスの特集をば。・・・え、韓国はもういいって? いやいやそんなこと言わずにお付き合いを。広域バスという...
韓国 ソウル首都圏の交通事情 6 - バスあれこれ@ソウル駅前
さて、ソウル駅前で見かけたバスを適当に掲載してみよう。帰りの空港へ向かう前の時間調整を兼ねてものの2〜30分の撮影といったところだったが、前回の記事でご紹介したようにバスはひっきりなしにしかも...
韓国 ソウル首都圏の交通事情 5 - ソウル駅バス乗換センター
ってことで、帰りの空港行までの時間調整を兼ねて、ソウル駅前のバス乗換センターの様子を小一時間ばかり観察してみた。バス乗換センターと言っても、基本的にはバス専用レーン上に方面別の乗降ホームが...
韓国 ソウル首都圏の交通事情 4 - ソウル市内のバス事情
ソウル首都圏の交通事情、続いてはバスの話題を取り上げてみよう。韓国は鉄道よりもバスの国という感じで、都市内で完結する路線バスはもちろん、都市間バスや高速バス、そしてかの有名な4人組が乗った...
韓国 ソウル首都圏の交通事情 3 - 首都圏電鉄の電車あれこれ2
前回に引き続き、韓国ソウルの首都圏電鉄の電車の走行音を適当にアップしていこう。走行音その2は、ちょっと古めの車両篇である。まずはKORAIL311000系の走行音。311000系は前回の記事でも...
最新記事
2025.06.18
京成線 6両編成に弱冷房車を設定
京成線、6両編成に弱冷房車が登場。鉄道において、他の車両よりも冷房時の設定温度を高くして「冷房で寒い」という要望に応える格好で設定されている弱冷房車。京成では、8両編成において上野方より3両目を...
- 京成
- タグはありません
2025.06.13
京成8800形 赤と青の京成カラーに塗装変更
京成カラーの8800形が登場! 4月に京成の一員となった松戸線。報道などにより既存の車両については塗装を順次京成カラーに変更していくことが明らかになっていたが、いよいよ実車が登場した。3月末より...
2025.06.08
都営浅草線 タブレット端末を活用した自動放送始まる
都営浅草線でタブレット端末を活用した自動放送始まる。都営浅草線では、2月末よりタブレット活用した自動放送の使用を開始した。対象となるのは、5500形以外の他社所属の車両で運転される列車で、これに...
- 東京都交通局
- タグはありません
2025.06.03
京成AE形 「葬送のフリーレンライナー」運転
「京成のフリーレン」開催。京成電鉄では、5月上旬より「葬送のフリーレンライナー」の運転を実施している。2026年1月に第2期の放送開始が決定したTVアニメ『葬送のフリーレン』とのコラボ企画「京成...
2025.05.29
京成線 駅スタンプを集めてみた(2025年追加分)
京成線の駅スタンプを集めてみた。京成線の一部の駅に設置してある駅スタンプ。2019年3月に登場した現在のバージョンは、翌2020年3月に設置駅が追加されたものの、その後はコロナ禍やら何やらが...