2014.11.17
話が前後してしまうが、ソウル駅前のバスに続いて、ソウルの南方35kmに位置する水原(スウォン)というところに出かけた際に見かけたバスをご紹介しよう。
水原のバスは、ソウルのバスが青バスと緑バスだらけだったように、川崎市バスの青い部分を緑色にした塗装のバスばかりが走っている。やはりとんでもなく大きなバス会社が都市内の輸送を牛耳ってるのかと思ったら、ここでもバス会社自体は自治体に委託された小規模なものの集まりで、塗装や運行方式を自治体の意向に従う準公営方式とのこと。バスの正面中央には「G BUS」と書かれたロゴがあり、「G」は水原市に道庁を置く京畿道(Gyeonggi-do、キョンギド)のことだろうから、京畿道が管轄するバスということになろうか。
ここでも、車両は現代自動車製と大宇バス製が大半を占める。塗装は、緑色のものが目立つが、青い川崎市バスもどきとあとここには載せていないが赤いものもいた。もしかしたらソウルのバスと同様に、塗装の色に何らかの意味を持たせているのかもしれない。また、車両の側面に大きく路線番号が貼ってあるように、G BUSでも車両はほぼ路線固定で使用されているようだ。それにしてもこの番号の貼り方はいいと思った。数字は大きくて目立っているし、全体的なデザインとしてのバランスもとれている。
◆ ◆ ◆
水原駅前のバス停もバス乗換センターとなっており、以前ご紹介したソウル駅前のそれと同じように一方向から来て他方に抜けていくタイプのもの。少しばかり様子を観察してみたが、ここは明らかにキャパ不足・・・。バスはどんどんやってくるのだが、前の方から詰まってしまい、終いにゃバス停手前で止まってしまったバスもその場で客扱いを始める始末。こうなればここでも乗る方は必死で、みな乗り遅れまいとバスの方へ駆けていく様は軽く阿鼻叫喚、地獄絵図となっていた。ちょっと何とかしたほうがいいんじゃないかい。
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そして、ここ水原ではバスに乗ってもみた(と言っても、乗ったのは水原駅から水原の旧市街の入口にあたる八達門までの短い区間だが。約10分)。乗るのに一番の不安となる運賃の支払いだが、G BUSにおいてもIC乗車券T-moneyに対応しているので助かった。IC乗車券なら、適当な額をチャージしておけばあとは運賃計算を勝手にやってくれるのでやはり気が楽だ。T-moneyは乗る時と降りる時に1回ずつ、車内の読み取り機にタッチさればOK。水原駅から八達門までの運賃は現金で1150ウォンだが、ここでも割安なT-money運賃が適用されるので、結局支払った金額は1050ウォンであった1)。
運転は、評判通り(?)かなり荒めと言ってよい。と言うか、運転手は客が乗ってるという自覚あんのか? という感じ。先進国を標榜し、街もある程度綺麗な韓国だが、こういうところに本質が見え隠れするのだよなあと思う。あと、車内にはラジオと思しき放送が流れていたが、韓国のバスはラジオを流しながら走るのが一般的なのだろうか。
ただし、今回乗車したバスでは、次の停留所案内では必ず英語での案内も合わせて放送されていた。前々回の記事でご紹介したインターネットを最大限活用したバスロケーションシステムも含めて、情報の提供方法についてはかなり進んでいると感じた。
- 1)ソウル市内から水原駅まで鉄道(特急セウマル号やムグンファ号等の首都圏電鉄に枠組みに入っていない列車を除く)でアクセスし、かつ運賃をT-moneyで支払った場合、ここでも通し運賃が適用される。例えばソウル駅を起点とした場合、水原駅を経由して八達門までの運賃は、T-money初乗り運賃1050ウォンと距離による運賃が加算されて計1750ウォンとなる(現金で支払った場合は水原駅までの運賃1850ウォンとバスの初乗り運賃1150ウォンで計3000ウォン)。しかし、私はT-money Mpassという乗車券を使っていたため、支払った運賃は水原駅から八達門までのバスの初乗り運賃のみであった(G BUSがT-money Mpassの適用範囲外のため)。首都圏電鉄の共通運賃制とT-moneyによる通し運賃適用が思いのほか強く、このことも事実上の乗り放題乗車券であるはずのT-money Mpassが実はそんなにお得じゃないと感じてしまう要因なのであった。(注:以上の運賃は2014年2月現在のものである。)
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