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2017.08.20

京成バスでは各車両に対して4桁の英字または数字を漏れなく付しており、これを車両番号(社番)として各車両の管理に使用している。今回はこの車両番号について、その付番の法則などを簡単にまとめてみた。なお、基礎知識などという偉そうなタイトルとなっているものの、筆者の日頃の観測に基づいているだけなので、間違っているところなどがありましたらご指摘いただければ幸いです。

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京成バス 3331号車&8155号車
2016.10.8/幕張メッセ

▲京成バスの三菱ふそうエアロスター3331号車といすゞエルガ8155号車。これらの番号は何をもってして付けられているのだろうか

前述のように、​京成バスの車両番号は英字あるいは数字を用いた4桁のものを使用している。一般の路線車両や高速車両はもちろんのこと、貸切・特定輸送用の車両まで全ての車両にそれぞれ1つの番号が与えられており、番号の重複はない。まずは各桁が表す意味を見てみよう。各桁が表す意味は以下のとおりになっている。

  • ​千位は所属する営業所を表す1)。1:奥戸営業所、2:市川営業所、3:松戸営業所、4:新都心営業所、5:千葉営業所、8:金町営業所、0:習志野出張所、E:江戸川営業所、H:新習志野高速営業所、N:長沼営業所。
  • ​百位はシャーシのメーカーを表す。1・2:いすゞ、3・6:三菱ふそう、4・5:日野(トヨタを含む)、7:日産ディーゼル(日産を含む)。
  • ​十位と一位は車両の導入順に付けられる番号。

京成バスの4桁の車両番号は、基本的にはこの法則に従っている。​例えば、市川営業所に所属するいすゞ製車両であれば、車両の導入順で、2100、2101、・・・、2199、2200、2201、・・・というふうに番号が付されていく2)。ただし、下2桁が42、49の番号は飛ばされて欠番になる(ナンバープレートの数字と同様)。車両の導入が進んで2299まで達した場合、番号は2100に若返り、再びカウントが始まる。2300に及んでしまうとそれは三菱ふそう製車両の番号になってしまうし、新しい2100号車が登場する頃には先代の2100号車は除籍になっていることがほぼ確実に見込まれるためである3)。数字は有限なので、過去に使用された番号が再び使用されることがある。

​車両番号は車両の内外に掲示してある。車外においては車体側面の前方と後方のそれぞれ2ヶ所、合わせて4ヶ所に番号が記されているほか、近年になってさらに前面と後面にも1ヶ所ずつ番号が掲示されるようになって、計6ヶ所に4桁の番号が見られる。高速車両では、これらに加えてバスジャックへの対応の観点から屋根上にも番号を大きく掲示している。

​千位に所属営業所を表す数字または英字が組み込まれており、車両番号によりその車両が所属する営業所が一目で分かるのが特徴である。しかし、このことはある車両が他の営業所に転属した際、車両番号が必ず変更されるということを意味する。例えば、前述した市川営業所のいすゞ製車両が千葉営業所に転属した場合、この車両には5100あるいは5200番台の番号が新しく付けられる。市川営業所から千葉営業所への転属の場合、ナンバーも習志野ナンバーまたは市川ナンバーから千葉ナンバーに変わるので、外部の人間からしたら車両の動向を注意深く見ていないと転属した車両を見失うことになる。中には営業所をたらい回しにされ、除籍になるまでに6つも7つも番号をもらった車両も存在する4)

なお、車両の転属に伴う車両番号の変更ついては、転属後の営業所で番号が重複しない範囲内で営業所を示す千位の文字のみを変えて対応ということも行われており(例:金町営業所8128→長沼営業所N128)、この場合は車両の動きが読み取りやすい。また、車両を短期的に他の営業所に貸し出す場合は、車両番号の変更を省略することがある5)

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京成バス 0486号車の車両番号
2017.7.29/**

▲習志野出張所0486号車の車両番号。千位の0の部分だけ修正されており、転属車であることがわかる。この車両はもと船橋営業所の4486号車である(よく見ると元の番号が透けている)

​​百位については、上記のシャーシメーカーにより割り当てられている数字以外で0と8、9があるが、これらについてはシャーシのメーカーに関係なく貸切・特定輸送用の車両に与えられていることが多い。ここらへんのことを含めて、付番における細かな裁量は各営業所に委ねられているようで、付番の"くせ"は各営業所でまちまち。以下では、その細かいところを含めた各営業所の付番事情を見ていこう。

奥戸営業所[1]
  • ​2003年までいすゞ製の高速車両に1000番台を与えていた。1091まで達したところで2006年導入の車両より1201〜を付番。
  • 1300番台は2004年と2005年に1301〜1312の12台が導入されていたが、全車移籍済となっていたため、2018年導入の新車より再度1301〜を付番。
  • ​台東区コミュニティバスおよび特定用の中型車に1100番台を割り当て。
  • 2018年に導入したスカニア・バンホール製の2階建て車両および2024年に導入したBYD製の小型車両に1800〜を付番。
  • 2020年に運行開始した東京BRT用の車両に1001〜を付番。
江戸川営業所[E]
  • ​貸切用の車両にE000番台を与えている。
  • ​E100・E200番台は1996年にE199まで付番された後、1998年導入の車両でE100にリセット。その後、2003年にE127からE250に番号が一気に飛んだ後、2008年にE299に達してE150からカウント。
  • ​大型車と中型車で関係なく番号を付けてきていたが、中型車については2012年に導入した車両にE117とE118(2001年に導入された中型車の追番)を付番した後、2013年に導入した車両からE010番台を割り当てて大型車と番号を分離。
  • シャトル☆セブン専用車および新小岩駅〜TDR特急バス専用車にE701〜を付番。
  • いすゞ製の転属車にE201〜を付番していた(全車除籍済)。
  • 日野製の転属車にE501〜を付番。
  • 1989年に導入したネオプラン製の2階建て車両にE981を付番(除籍済)。
  • 2024年に導入したBYD製の電気バスにE801〜を付番。
金町営業所[8]
  • 所属している車両が少ないためか、新車については8100番台のみを使用。2007年の新車で8193まで達した後、その次の車両から8101〜を付番。
  • ​いすゞ製の転属車に対して8200番台を割り当て。
松戸営業所[3]
  • 1977年の新車で3399に達した後、3601〜を付番。1991年の新車で3699に達し、3301から再カウント。2007年の新車で3397まで達した後、その次の車両から3301〜を付番。
  • 3600番台を他所からの転属車あるいは特定輸送用の車両に割り当てている。
  • 2019年より導入された三菱製の高速車両に3611〜を付番していた(全車転属済)。
  • ​2016年より新車として導入されたいすゞ製車両に3201〜を付番。
  • いすゞ製の転属車に3101〜を付番(現在、該当する車両なし)。
市川営業所[2]
  • ​新車の導入順で付番した2100・2200番台とは別に、他所からの転属車に対して2100番台を割り当てており、転属してきた順で2101〜を付番している。
  • ​2013年の新車で2299に達して、2014年の新車で2100から再カウント。2016年に2118まで達したところで転属車の2100番台と番号が重複しそうになったので、番号を飛ばして2200〜を付番している。
  • 市川市コミュニティバス用の小型車に2401〜を付番。
  • 市川市コミュニティバス北国分ルート用のワゴン車に2001〜を付番(現在、該当する車両なし)。
  • ​貸切・特定輸送用の車両に2900番台を割り当て(現在、該当する車両なし)。
新都心営業所[4]
  • ​2012年に船橋営業所茜浜車庫を移転・格上げした格好の営業所で、2012年末に閉所になった船橋営業所が使用していた千位の4をそのまま引き継いだ。
  • ​4000番台は貸切・特定輸送用の車両に与えられていた(現在、該当する車両なし)。
  • ​4400・4500番台は船橋営業所時代に空き番号に余裕がなくなったため、2003年の途中から一時的に4850番台を使用していたことがある。4413の次の車両より4850〜を付番し、2005年に4894まで達したところで翌2006年の新車より4414から再カウント。
  • ​4515から新都心営業所として導入された車両である。
  • ​通常の4400・4500番台とは別に、2016年より導入された小型車に対して4400〜を付番している。
  • ​1998年に導入されたボルボ製の連節バスに4811〜を付番していた(全車除籍済)。
  • ​2010年に導入されたメルセデス・ベンツ製の連節バスに4821〜を付番している。
  • 2021年に導入された日野製の連節バスに4001〜を付番している。
  • ​4444は欠番。
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京成バス 4824号車
2017.7.2/千葉市花見川区幕張本郷

▲新都心営業所に所属するメルセデス・ベンツの連節バス。4821から付番され、4835までの15台が在籍している。ナンバープレートも車両番号に合わせた希望ナンバーを取得しており、京成バスのフラッグシップらしさを醸し出している。
新都心営業所習志野出張所[0]
  • ​2012年に新設された出張所。組織的には新都心営業所の傘下のようであるが、営業所を示す千位の文字として新都心営業所とは別の0という数字が新しく与えられている。
  • ​船橋営業所の閉所に伴い開設された出張所ということで、発足当時は船橋営業所花輪車庫から移管した車両が多数を占めた。これらの車両は一律に千位の4を0に書き換えて対応。
  • ​新都心営業所の項でも記したように、船橋営業所時代に4850番台の車両がいたため、習志野出張所においても0850番台の車両が存在していた(全車除籍済)。
  • ​0515から習志野出張所として導入された車両である。
  • ​田喜野井線用のワゴン車に0050番台を割り当て。
  • ​貸切・特定輸送用の車両の一部に0800番台を割り当て。
新習志野高速営業所[H]
  • ​2012年に新設された営業所。船橋営業所に同居していた高速貸切センターを茜浜車庫に移転した格好の営業所で、同センターが使用していた千位の7とHを引き継いだ。
  • ​三菱ふそうの新車についてはH600番台が付番されており、H300番台は全て他所からの転属車。
  • ​日野の車両はH500番台を使用している。
  • ​奥戸営業所からの多数の車両が転属してきている。これらは千位の1をHにしただけとなっており、したがってH000番台とH200番台が存在する。
  • ​貸切・特定用車両については7000番台を使用していたが、2014年にシャーシのメーカーを問わず全てH700番台に改番し、新しくH701〜を付番。これにより、京成バスから7000番台の車両が消滅。
  • 2023年に導入したららぽーと送迎用の車両にH701〜を付番。
長沼営業所[N]
  • 2023年の新車でN599に達し、N501より再カウント。N401に戻らなかったのは他所からの転属車でN400番台を付番した車両が多数在籍していたため。
  • ​高速車両にN801〜を付番。
  • ​瑞穂の杜線専用車にN030番台を、み春野線専用車にN050番台を割り当てていた(現在、該当する車両なし)。
  • 転属車に対する番号の付け方が、新車の追番だったり空いている番号に放り込んだり元番号の千位を変えたものだったり、その時々で割と適当。
千葉営業所[5]
  • ​三菱ふそうの車両については高速車両に5300番台を、一般車両に5600番台を割り当て。
  • 2019年に導入した中型車に5001〜を付番。
  • 2020年の新車導入の際に5274を飛ばして付番。転属車にこの番号を付けていた車両がいたため。
  • ​1)このほか成東営業所に6を、佐倉営業所にSを割り当てていたが、それぞれちばフラワーバス、ちばグリーンバスとして分社化して消滅(ただし、ちばフラワーバスでは引き続き6000番台の番号を使用している)。7は高速貸切センター→新習志野高速営業所の一部車両に使用されていたが、改番等により現在使われていない(新習志野高速営業所の項を参照)。
  • 2)トップナンバーがxx00かxx01になるかは営業所によりけりとなっている。
  • 3)新車で導入された車両が概ね12〜14年程度で除籍になるのに対し、車両番号が一回りするのに25〜30年かかるため。
  • ​4)一例として、2003年に船橋営業所の4861号車として導入された車両(日野KL-HR1JKEE)がある。この4861号車は高速貸切センター(当時)に転属して7861号車になった後、2009年にいったんグループ子会社のちばシティバスに移籍してC183号車に。同年、3407号車として京成バスに復籍するとその後は4498→E501→N560と各営業所を渡り歩き、2015年に除籍。現在は関東鉄道の9406号車として走っている。営業所をいくつも抱える京成バスでは少なからず車両の転属があるとはいえ、ここまでいろいろな営業所を転々とした例は珍しい。→こちらの記事を参照
  • 5)車両に掲示してある番号が見かけ上変わっていないだけで、書類上は変更されている可能性がある。

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