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2017.12.21

11月末より都営浅草線の大門駅にホームドアが出現。新技術を用いた検証実験が実施されている。

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都営浅草線大門駅 ホームドア
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▲大門駅の1番線、押上方に出現したドア1枚分だけのホームドア

ホームドアが設置されたのは大門駅の1番線、押上方の最後尾車両ドア1枚分。東京都交通局とデンソーウェーブが共同で実施している、QRコードを用いたホームドアの開閉連動技術の開発の一環によるものとなっている。車両のドアに貼り付けたQRコードを駅に設置されたカメラで読み取ることによりホームドアを開閉連動させるというもので、デンソーウェーブによれば8月までの検証によりその有用性が実証されたという1)。その上で、今回の大門駅のホームドア試験により、実車を用いた最適な設定値の検証を行うということの模様。

前述のように、QRコードを読み取ってホームドアを開閉連動させるものであることから、駅にはホームドア本体のほかに読み取り用のカメラが設置されている。車両側のQRコードは都営浅草線を走る8両編成のうち、4号車、5号車、6号車のそれぞれ押上方のドア、計3ヶ所に貼付。このQRコードにより、車両の動きからドアの開閉状態まで判別できるということのよう。さらに、このQRコードそのものに車両に関するデータが格納されており、編成の長さやドア数が異なる車両が混在した場合でも対応可能とのこと。

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都営浅草線大門駅 ホームドア
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▲ホームドアの動作の様子。車両のドア開閉にワンテンポ遅れてホームドアが動作するが、乗務員は車両のドアスイッチを操作するだけである
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ホームドア連動用のQRコードと読み取り用カメラ
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▲車両側のドアに貼り付けられたQRコードと天井に設置された読み取り用カメラ

◆ ◆ ◆

ホームドアの設置においては、車両のドア開閉に合わせてホームドアも開閉しなければならないのは言わずもがなである。一部の駅ではホームドアの開閉を乗務員や駅係員が直接行う方式も採用されているが、乗務員に対する負担の増大や駅係員を常時ホームに置かなければならないことから、通常はホームドアと車両のドアを連動して開閉させる方式が主流になっている。

ただし、ホームドアと車両のドアを連動させる方式は、車両側において大規模な改修が必要というデメリットがある。東京都交通局では三田線と新宿線、大江戸線でホームドアの設置が進んでいるが、浅草線ではこれまで1駅もホームドアが設置されていない。これは、浅草線に乗入れる車両が形式としても編成数としても広範囲に及び、車両側の改修に係る負担が大きすぎるためとみられる。都営浅草線では直通各社より実に多種多様な車両が入線してきているが、ホームドアに対してはこれが逆に不利に働いてしまっている格好だ。

今回実験が行われているQRコードを用いた技術が確立すれば、車両にQRコードを貼り付けるだけでよいので、前述の車両側において大規模な改修を行なわなければならないというデメリットは解消されるものとみてよいだろう。ホームドアを整備する際の負担軽減となる画期的な方式である。東京都交通局によれば、この技術を用いて2020年までに新橋、大門、三田、泉岳寺の4駅にホームドアを整備するとしている2)

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