2018.06.05
廃車が進み、残り3編成となっている新京成8000形。現在、奇しくもこれら3本の8000形は互いに異なる装いで走っており、ちょっと楽しい状態になっている。三者三様となっている8000形をそれぞれ見てみよう。
8512編成
8512編成はリバイバルカラーとして走っている。8512編成のリバイバルカラー化は2017年6月のこと。先に入場した、後述の8518編成の後を追ってやはりジェントルピンクの新塗装になるかと思われたところでのリバイバルカラー化は、趣味者を大いに驚かせた。
8000形は2006年12月の京成千葉線直通運転開始に合わせて8502編成(マルーンとキャンディピンクのリバイバルカラー)を除いてマルーンのストライプ帯とデザインが変更されていたので、8512編成のリバイバルカラー化により約10年半ぶりに茶色帯の8000形が帰ってきた。
8514編成
8514編成は京成線への直通運転対応のステータスとなっているマルーンのストライプ帯で走っている。リバイバルカラーとなった8512編成を除くと旧塗装で残っているのは他の形式を含めてもこの8514編成だけであり、2014年から始まった車両の新デザイン化はまもなく完了となる見込み。
8514編成の新塗装化により車両の新デザイン化はめでたく完了となればよいが、どうにもそうはならなさそうな雰囲気。詳細は後述。
8518編成
8518編成はジェントルピンクの新塗装として走っている。2014年に制定された新京成の新しいコーポレートアイデンティティ(CI)に基づく車両の新塗装化は、全般検査または重要部検査に合わせて順次実施。しかし、8000形は諸事情により検査のタイミングがなかなか合わず、新デザイン車両が登場してから3年近く経った2017年4月出場の8518編成にてようやく新塗装の8000形がお目見えしたのであった。
8518編成の新デザイン化の後に入場した8512編成が前述のようにリバイバルカラーとなっていることに加えて、旧塗装の8514編成が廃車になる可能性がある(詳しくは後述)ので、この8518編成が8000形で唯一の新塗装になりそうな情勢である。
◆ ◆ ◆
しかし、8000形の三者三様の日常はそう長くは続かないだろう。8514編成の検査期限が近づいてきており、何らかの動きが予想されるためである。
新京成電鉄は4月26日に公開した中期経営計画(2016年度~2018年度)における2018 年度計画1)の中で、N800形5次車(N858編成になると思われる)の新造と所属車両全26編成のうちリバイバルカラーになっている8512編成を除く25編成の新デザイン化の完了を明らかにしている。8514編成が旧塗装で残る中で新デザイン化の完了とN800形の新造・・・これらを結びつければ、N858編成で8514編成を置換えという可能性が極めて高いと言えるだろう。"くぬぎ山のタヌキ"として愛されてきた8000形もいよいよレッドリスト入りとなりそうだ。少なくとも昨年度に出場した8512編成と8518編成はもう少し走るだろうが、8000形の日常風景を今のうちに堪能しておきたい。
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