KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2018.10.15

まさかのまさかで、京成3600形3648編成が6両編成に。

D30843.jpg

京成3600形 3648編成
2018.10.14/江戸川

▲6両編成として営業運転を行う3648編成。3600形チョッパ制御の6両編成が走るのは実に16年ぶりのこと

3600形3648編成が、10月8日より6両編成に組成変更されている。3648編成の6両編成化は次のとおり。

3648-3623-3622-3647-3646-3643-3642-3641

3648-3623-3622-3643-3642-3641
-3647-3646-

中間のユニットである3647-3646の2両が編成から抜かれた格好となっている。6両編成になった3648編成は、12日にS91運行として宗吾参道〜ちはら台間で試運転を実施。その後、14日の29運行より営業運転に入っている。また、同編成は6両編成化されるにあたり、その準備のための試運転が8月3日のS49運行にて実施されていた。

3600形が6両編成で営業運転を行うのは、3668編成が4両編成となった2017年2月以来1年半ぶりのこと。ただし、3668編成は3600形の8両編成化の際に余った先頭車両を寄せ集めて作ったVVVFインバータ制御の編成なので、これを除外してチョッパ制御の3600形に限定すると、2002年1月から8月まで一時的に6両編成として走っていた3618編成1)以来となり、実に16年ぶりのできごとになる。

D30833.jpg

京成3600形 3648編成
2018.10.12/大森台

▲千原線で試運転を行う3648編成6両編成

さて、3648編成が6両編成になった理由だが、これもやはり昨年度よりイレギュラーな車両の動きを引き起こしている列車無線の更新に絡むものとみられる。今年度に入ってから車両に対するデジタル無線の準備工事が進められているが、この準備工事のため昨年度に新造した3000形により8両編成が北総鉄道の1本分を含めて3本増となったのは再三お伝えしているとおりである。準備工事は3001編成を皮切りに8両編成を中心に進められてきており、気がつけば3000形の8両編成と3050形のほとんどで準備工事が終わったというところまできている。

3648編成が8両編成から6両編成になったことは、8両編成の予備が1本減り、6両編成の予備が1本増えたことを意味する2)。このタイミングで6両編成の予備を増やしたということは、これまで8両編成を中心に行っていたデジタル無線の準備工事を、6両編成にも対しても実施し始めるということになるものと考えられる。

いずれにせよ、3648編成がこの期に及んで6両編成になるというのは驚くばかりである。まさか3600形チョッパ制御の6両編成をふたたび見られる日が来ようとは。しかし、列車無線の更新に絡む動きであることや、もとより3648編成の検査期限が残り少ないことを考えれば、この姿はあまり長く見られない可能性がある。突如としてリバイバルされた3600形の6両編成を、しっかりと堪能しておきたいものだ。

なお、元の3648編成から抜かれた3647と3646の中間車2両については今のところ廃車にはなっていない模様で、その動向も気になるところである。

  • 1)3618編成に組み込まれている3607-3606のユニットに不具合が生じたため、一時的にこの2両を抜いた6両編成を組成していた。
  • 2)このほか3039編成と3040編成の導入により6両編成は合わせて3本の増となっているが、3039編成・3040編成が来たるダイヤ改正あるいはダイヤ修正で予定されている編成増強分ということを踏まえると、予備として増えるのは3648編成の6両編成化による1本分となる。

関連記事

京成3500形3532編成 営業運転終了

3500形更新車に初の廃車が発生。京成3000形3039編成・3040編成の導入により、3500形3532編成が営業運転を終了した。廃車とされたのは9月末だった模様だが、9月11日に3039編成...

京成3500形3532編成 営業運転終了
京成3000形3039編成・3040編成 登場

8月下旬より、京成3000形の14次車にあたる3039編成と3040編成がお目見えしている。2017年度の新造車として3039編成と3040編成が製造され、9月27日までにそれぞれの編成が...

京成3000形3039編成・3040編成 登場
京成電鉄「2018年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

新年度が始まって早1ヶ月。大型連休も終わってしまい、なんとなく憂鬱な気分の中で鉄道趣味界隈におけるこの時期の楽しみといえば、各社から発表される鉄道事業設備投資計画であろう。京成電鉄でも8日の夜に...

京成電鉄「2018年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
北総7800形7828編成 登場

2017年度も年度末に近づくにつれ、京成電鉄や京成グループで車両の動きが出てきている。北総鉄道では、7800形7828編成が登場した。7800形7828編成は京成3700形のリース車両となって...

北総7800形7828編成 登場
京成3600形3668編成 4両編成に

京成3600形3668編成、約17年半ぶりに4両編成に。3600形では唯一の6両編成となっている3668編成が2月16日をもって6両編成としての運用を終了し、4両編成となっている。3668編成の...

京成3600形3668編成 4両編成に

最新記事

2025.03.31

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

2025.03.24

京成3200形 営業運転開始

まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...

京成3200形 営業運転開始

2025.03.17

さようなら JR東日本E217系

さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...

さようなら JR東日本E217系

2025.03.12

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化