2019.05.14
今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも13日の夕方に発表1)があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。
車両関連 - AE形と3100形を導入 ほか
車両についての内容は以下のとおりである。
- AE形を導入(8両編成1本)
- 3100形を導入(8両編成2本)
- 3000形ドア上カモイ部のLED案内表示器をLCDに更新
- 3000形・3400形にスタンションポールを設置
- 通勤型車両に防犯カメラを設置
今年度は3100形とAE形を導入する。3100形は3000形以来の新型通勤型車両、AE形は成田スカイアクセス線が開業してから初めての増備車となるが、いずれも既に京成より公表されていたものである。3100形は先日のプレスリリース2)でその概要が明らかになっているのでいいとして、気になるのはAE形。2010年度以来9年ぶりの新造とあって、仕様の変更があるのかどうかが注目されるところ。もっとも、設備投資計画のプレスリリースでそのあたりの言及がなされていないところをみると、既存の車両とほとんど同じ格好で出てきそうな感じだが。
また、「成田空港輸送の増強」との記載があるとおり、AE形の増備に合わせてスカイライナーの増発が実施される予定である。これについても既に京成の関係者が公の場で発言していたもので、秋に予定されているダイヤ改正でスカイライナーの運行本数が現行の59本(1日あたり上下あわせて)から80本程度(同)になることが明らかにされている。2010年の成田スカイアクセス線開業以来の大増発となり、スカイライナーは終日にわたり20分間隔での運転となることが見込まれる。
他方、アクセス特急については3100形(3150形)が導入されるものの、運行本数については何も触れられていない。3100形の記事でも記したとおり、アクセス特急の列車本数は現行ダイヤのまま据え置かれる可能性が高そうだ。その場合、3100形は3050形の置換え用になるものとみられるが、これによってはたしてどのような車両の動きが展開されるのかが気になってくるところ。
LED案内表示器のLCD化とスタンションポールの設置は昨年度より実施されていたもので、いずれも今年度で完了になる模様である。新規項目としては通勤型車両への防犯カメラの設置が出てきている。防犯カメラはAE形で設置済み、新型車両3100形にも設置されることが発表されていたが、既存の通勤型車両についてもこれに追随するということのよう。
駅・設備関連 - 成田空港駅と空港第2ビル駅をリニューアル ほか
続いて駅・設備関連を見てみよう。
- 空港第2ビル駅・成田空港駅のリニューアル
- 上野駅地下連絡通路のリニューアル
- 耐震補強(西船駅など)
- 成田空港駅にホームドアを設置
- 非常停止ボタンのC-ATS連動化
- デジタル方式の列車無線装置への更新
- 立石駅付近の連続立体交差化工事の推進
- 企画乗車券類のICカード対応
- 京成アプリのバージョンアップ
- など
空港第2ビル駅と成田空港駅のリニューアル工事が実施される。3月には2017年度より実施されていた上野駅のリニューアル工事が完了しており、スカイライナー停車駅は全てリニューアルされることになる。これらも今秋に予定されているスカイライナーの大増発と連動した動きであることは明白であろう。駅のリニューアルとスカイライナーの増発により、2020年に控える東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備が着々と進んでいるといった様子だ。
- 1)2019年度 鉄道事業設備投資計画(pdf) - 京成電鉄の2019年5月13日付プレスリリース
- 2)成田スカイアクセスに「3100形」を導入します(pdf) - 京成電鉄の2019年4月11日付プレスリリース
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