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2022.02.10

京成電鉄では、2月26日にダイヤ改正を行う。今回のダイヤ改正について、プレスリリースや乗換案内サイトなどで現在公開されている情報を基に、その内容を見てみよう。

本稿では、2021年10月30日現在のダイヤを「現行ダイヤ」、2022年2月26日に改正されるダイヤを「新ダイヤ」などと記している。

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京成3400形 3418編成
2020.11.30/船橋競馬場〜谷津

▲日中時間帯から姿を消すことになった京成本線特急。ダイヤ改正以降、京成津田沼より先で通過運転を行うのは40分に1本の快速特急のみとなる
1.スカイライナーの青砥停車を正式ダイヤ化

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年4月より一部のスカイライナーの青砥停車を実施しているところであるが、今回のダイヤ改正で正式ダイヤ化される。これまでの停車は臨時停車という扱いだったが、青砥はめでたくスカイライナー停車駅に昇格した。

正式ダイヤ化に伴い、青砥に停車する列車を80分に1本から60分に1本に変更。下り10本・上り15本のスカイライナーが青砥に停車する。青砥停車のスカイライナーのみパターンが崩れ、京成上野を青砥通過の列車より3分早く出発するようになる。通常、スカイライナーは千住大橋で先行の普通を追い抜くが、青砥停車便のみ京成上野→千住大橋でも普通に対して先行する(上り列車は2020年6月ダイヤ変更で実施済み)。

2.「臨時ライナー」運転継続、スピードアップ

平日朝に設定されている「臨時ライナー」は、名称そのままで運転継続。印旛日本医大7時ちょうど発→京成上野7時46分着という時刻に変更され、所要時間が10分ほど短縮される。スピードアップは新鎌ヶ谷と千住大橋で先行列車を追い抜くようになるため。

3.日中時間帯の京成本線特急を京成佐倉発着の快速に格下げ

今回のダイヤ改正は、新型コロナウイルス感染症の影響による利用状況を受けた運行見直しが主な内容となっている。その中でも衝撃的なのが、日中時間帯に京成上野〜成田空港を走る京成本線特急を快速に格下げするという内容。運行区間も京成佐倉発着に短縮される。日中時間帯の京成本線から特急が姿を消すことになった。ダイヤ改正以降、京成津田沼より先で通過運転を行うのは40分に1本の快速特急のみとなる。

これに伴い、京成津田沼で特急を待避していた京成臼井発着の普通は京成津田沼発着に短縮、京成佐倉で特急に接続していた都営浅草線直通の快速は成田空港発着に延長される。文字だけで説明してもよくわからないと思うので、以下に40分毎における運行パターンのイメージを掲載する。

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京成本線 運行パターン

▲現行ダイヤと新ダイヤにおける京成本線の日中時間帯40分サイクルの運行パターンのイメージ図

この時間帯、都営浅草線直通の快速が全て成田空港発着となる代わりに、京成上野から成田空港に行く列車がスカイライナーのみとなる。この点について、京成は青砥・京成高砂で接続する快速特急とアクセス特急が速達性を確保すると説明しているが、やはり京成上野を発着する成田空港行の一般列車が消えてしまうのは寂しさを禁じえない。

4.平日夕方〜夜間、都営浅草線からの優等列車の種別格下げ

運行見直しは平日夕方〜夜間のラッシュ時間帯にも及んでおり、京成本線京成津田沼以東の列車本数調整のため都営浅草線からの優等列車の全般的な格下げが行われる。17時台後半から快速特急が約10分間隔で走り出す現行ダイヤに対し、新ダイヤでは一部の快速特急が特急に変更され、快速特急と特急が交互に運転されるようになる。20〜21時台は特急、22時台以降は通勤特急中心のダイヤとなるが、特急あるいは通勤特急の格下げで快速が新たに登場。特急と通勤特急の中に数本の快速が混ざって走る。

17時台後半以降における都営浅草線からの優等列車について、各種別の運行本数の変化は次の通り。快速特急15本→9本、特急7本→13本、通勤特急7本→5本、快速0本→3本。

5.日中時間帯、押上線内で快速特急となる列車を変更

都営浅草線で日中時間帯に運転しているエアポート快特のうち、羽田空港〜青砥・京成高砂の系統の列車(京急線内快特、京成線内快速特急)を都営浅草線内エアポート快特から快特に、押上線内快速特急から普通にそれぞれ格下げし、品川〜青砥・京成高砂を各駅停車として運転する。これにより、都営浅草線内のエアポート快特は20分毎から40分毎に半減。2014年10月ダイヤ改正以前のダイヤに逆戻りする。

上記の羽田空港〜青砥・京成高砂の列車が格下げとなる代わりに、三崎口・京急久里浜〜青砥・京成高砂の一部列車が押上線内を快速特急として運転されるようになる。快速特急となるのは約半数、40分に1本の列車で、青砥で京成本線の快速と接続を行う。三崎口・京急久里浜発着の列車(通称:SH快特)が京成線内で快速特急となるのは初めての事例。

以下に都営浅草線〜押上線における40分毎の運行パターンのイメージを示す。

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都営浅草線〜京成押上線 運行パターン

▲現行ダイヤと新ダイヤにおける都営浅草線〜京成押上線の日中時間帯40分サイクルの運行パターンのイメージ図(※西馬込〜泉岳寺間の区間列車は省略)
6.京成本線そのほか
  • 空港従事者の利便性の向上ため、成田空港23時29分(土休日は30分発)発普通宗吾参道行を増発する。また、2017年10月ダイヤ改正で登場した上り終電の快速京成高砂行は種別を普通に変更し、始発駅の成田空港発車時刻を10分ほど繰り上げる。
  • 平日上り最終の通勤特急を都営車の運用に置き換え、西馬込行に変更する。都営車の上り通勤特急は初登場。
  • 京急車の京成本線乗入れは平日・土休日ともにめでたく残存。ただし、平日・土休日ともに行路の変更がある。平日83H運行は成田スカイアクセス線を経由しなくなり、京成本線を2往復する運用に戻る。土休日は79H運行に代わって81H運行が三崎口からやってくる。また、前述の都営浅草線直通快速の運行区間変更に伴い、土休日も京急車が京成本線経由で成田空港まで走るようになる。
7.アクセス特急関連 - 都営車のアクセス特急運行開始ほか

続いて、アクセス特急関連を見てみよう。まず、最も大きなトピックは都営車がアクセス特急に参入することであろう。かねてより成田スカイアクセス線への乗入れが示唆されてきた都営5500形が、今回のダイヤ改正でいよいよアクセス特急として走るようになる。平日10往復分、土休日6往復分のアクセス特急が都営車の運用に変更。様子見とかそんなもんすっ飛ばして一気に大量進出する。

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都営5500形 5510編成
2020.8.30/京成立石〜青砥

▲製造時よりアクセス特急での運用を想定した仕様となっている都営5500形。デビューから3年半を経て、いよいよ成田スカイアクセス線に足を踏み入れる

運用としては、平日では成田スカイアクセス線を終日走るものが2運用(03T、19T)、朝だけあるいは夜間だけのスポットで成田スカイアクセス線に入ってくるものが3運用(11T、33T、43T)設定されている。土休日においては終日1運用(03T)、夜間2運用(35T、43T)という具合。都営車の成田スカイアクセス線進出により特に平日では京急車のアクセス運用が駆逐され、京急車のアクセス特急が見られるのは土休日だけになる。

5500形のアクセス特急運行開始に伴う5300形の処遇は不明。かつての5200形がそうだったように限定運用下で運用を継続させることも可能と思われるため、ダイヤ改正とともに5300形が引退になるかどうかはわからない。なお、5500形は12月4日終電後の試運転で京成上野までの入線確認が行われているが、今回のダイヤ改正での京成上野乗入れは残念ながら実現しなかった。

アクセス特急の新パターンとしては、平日ダイヤにおいて京成線内でアクセス特急での通し運転とならずに京成高砂まで普通として運転、同駅で種別行先をアクセス特急成田空港行に変更する「化けア特」とも言える列車がお目見えしている。該当するのは京成高砂18時43分発(1807Kb)と19時10分発(1909K)、同39分発(1943T)の3本で、いずれも京成高砂まで普通京成高砂行となる。普通列車として運行する区間の列車本数調整を目的としたものとみられるが、事実上アクセス特急の格下げであり、アクセス特急の地位低下が心配されるところ。

これまでも減少傾向だった京成上野発着のアクセス特急は今回のダイヤ改正でよりいっそう数を減らしており、新ダイヤでは平日3.5往復(うち下りの2本は「化けア特」)・土休日0.5往復のみとなる。

8.北総線関連

北総鉄道では列車の増発を中心としたダイヤ改正を行う。増発されるのは新鎌ヶ谷〜印西牧の原・印旛日本医大で、平日5.5往復分、土休日2往復分の増。新鎌ヶ谷発着の列車が朝と夕方〜夜間に設定され、当該の時間帯、新鎌ヶ谷以東は既存の列車と合わせて10分間隔で列車が走るようになる。かつて走っていた千葉ニュータウン区間の区間列車が復活したような格好。上り列車の新鎌ヶ谷行は21年ぶりの登場である。区間列車は北総車が中心となるが、平日に都営車の運用も設定あり。

北総鉄道は列車の増発について、千葉ニュータウン地区を中心とした北総線内の移動を促進し、沿線全体の活性化に繋げるためとしている。同社は今年中にも累積損失が解消できる見込みで、10月には長年の懸案事項だった高額な運賃を全体として15.4%値下げする運賃改定を実施する予定である。新型コロナウイルス感染症の影響で息も絶え絶えな鉄道事業者が多い中、今回のダイヤ改正においては北総鉄道の勢いが感じられる。

他方、利用状況による運行の見直しは北総線でも例外ではなく、平日において京成線方面に直通する列車が3往復分減少する。平日夕方〜夜間に運転されている下り急行・特急についても18時台の急行1本と22〜23時台の特急2本を削減(格下げ2本・列車消滅1本)。新ダイヤで走る急行と特急はともに2本となる。

なお、今回のダイヤ改正では都営浅草線でホームドア設置への対応として停車時分の増が図られている模様で、泉岳寺〜押上で所要時間が2分ほど増加している。このため、都営浅草線からの列車が現行ダイヤより数分遅れて入ってくるようになり、北総線内の待避パターンに影響を及ぼしている。現行ダイヤでは日中時間帯の北総線の下り列車は新鎌ヶ谷でスカイライナーとアクセス特急をまとめて待避しているが、新ダイヤでは東松戸でスカイライナーを、新鎌ヶ谷でアクセス特急を待避するようになる。これに伴い、アクセス特急のスカイライナー待避も東松戸から京成高砂に変更される。

9.新京成線関連

ダイヤ改正、ダイヤ修正ともに実施しない。

◆ ◆ ◆

以上、2月26日のダイヤ改正を概観した。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、全体的にネガティブな内容のダイヤ改正となってしまっているのは残念なところである。しかし、その中においてもやはり珍列車と呼べるような列車が現れているので、それは別途紹介していくことにしよう。

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