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2022.12.23

京成線と芝山鉄道線でワンマン運転が始まる。

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京成3500形 3516編成
2022.11.30/大森台

▲11月26日ダイヤ改正より金町線と千原線、東成田線、芝山鉄道線で開始されたワンマン運転。貫通扉に掲出されたワンマンの札が目新しい
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京成3600形 3668編成・3500形 3508編成
2022.12.17/柴又〜京成金町

▲柴又で行き違う金町線のワンマン列車。向かって右側、京成金町行の運転士が運転席を離れてドアを扱っているのが見える。なお、ワンマン列車が駅を発着する際には安全のため必ず駅係員がホームに立会うことになっているようである

京成電鉄と芝山鉄道では、11月26日ダイヤ改正より両社で初となるワンマン運転を開始した。ワンマン運転を行うのは金町線と千原線、東成田線、芝山鉄道線で、概ね9〜17時の時間帯に走る4両編成の列車が対象となっている。このワンマン運転について、各線の様子を見てきたのでレポートしよう。

ワンマン運転の実施状況

まずは各線におけるワンマン運転の実施状況を見てみよう。( )内は各線でワンマン運転を行う4両編成の運行番号を記す。

▽金町線(71運行、73運行)

全ての列車が4両編成で運転される金町線だが、ワンマン運転を行うのは平日・土休日共通で下り:京成高砂10時7分発から16時52分発まで、上り:京成金町10時22分発から17時3分発までの列車が対象となっている。ただし、乗務員の行路の関係で、この時間帯であってもワンマン運転を行わずにツーマン運転となる列車が存在している模様である。

▽千原線(B51運行)

平日下り:京成津田沼10時14分発から15時34分発まで、平日上り:ちはら台10時53分発から16時13分発まで、土休日下り:京成津田沼9時34分発から14時54分発まで、土休日上り:ちはら台10時13分発から15時33分発までの80分に1本の列車が千原線内でワンマン運転を行う。千葉・千原線では4両編成の縮小で2018年12月ダイヤ改正より全ての定期列車が6両編成となっていたが、ワンマン運転の実施に伴い約4年ぶりに4両編成が復活した。

20分間隔で列車が走る千原線に対してワンマン列車が80分に1本なのは、4両編成が日中時間帯の千葉・千原線4運用のうちの1本を置き換えたにすぎないため。このため、千原線内ではワンマン運転を行う時間帯でも非ワンマンの列車が混ざって走る。さらに、列車は全て千葉線に直通するため、千原線内でワンマン運転の対象となる列車においては千葉中央でワンマン運転・ツーマン運転の切り替えが行われる。

千葉中央でツーマン運転からワンマン運転に切り替わる際、乗務員については車掌だけが降車するのではなく、運転士も千原線のワンマン区間を担当する乗務員への交代が行われる。千葉中央での乗務員交代は同駅における新しい日常だが、僅少な停車時間の中で行われるワンマン・ツーマン運転切り替えは、傍から見ていて少々慌しい。

また、このやり方では、今のところ千葉中央で降車した乗務員はちはら台まで行って帰ってきた4両編成に再度乗務して京成津田沼方面に戻るほかなく、ワンマン運転区間を担当する乗務員も80分に1本の4両編成にしか乗れないので、結局のところ通常は2人で済む京成津田沼〜ちはら台1往復分の乗務をワンマン列車に限って3人で行っていることになる。ワンマン運転を行うために却って非効率になっているように見えるが、ここらへんは将来への布石だろうか。

なお、今回復活した千葉・千原線の4両編成は宗吾出入庫の運用となっており、宗吾参道から送り込みの回送列車が51運行として設定されている。千葉・千原線の4両編成とともに、京成本線京成津田沼〜宗吾参道にも4両編成の定期運用が復活することになった。

▽東成田線・芝山鉄道線(81運行)

ワンマン運転の対象となるのは、平日下り:京成成田9時3分発から15時34分発まで、平日上り:芝山千代田9時20分発から16時ちょうど発まで、土休日下り:京成成田9時40分発から16時14分発まで、土休日上り:芝山千代田10時2分発から16時40分発までの列車。これに伴い、両線を走る4両編成の運用が大幅に拡大されている。従来、東成田線・芝山鉄道線の81運行は平日の午前中だけ走って早々に入庫してしまう運用だったが、平日は16時台まで、さらに土休日も走るようになった。

東成田線・芝山鉄道線では4両編成の列車とワンマン列車が完全に一致しており、車両はワンマン運転を行う時間に合わせて宗吾車両基地からやってきて、ワンマン運転の時間帯が終わると入庫となる。この際、宗吾参道〜京成成田は回送となるが、このわずか2駅だけの出入庫回送でもワンマン運転とならずに、他の列車と同じようにツーマンで運転される。

車両

車両は既報のとおり4両編成の3500形と3600形が使用されており、3508編成と3516編成、3540編成、3544編成、3668編成の5本に対してワンマン運転を実施するための改造を行った。したがって、ワンマン運転が含まれる運用には、この5本の編成のいずれかが充当される。ワンマン列車については今のところ編成前部および後部の貫通扉に簡易的なワンマンの札を掲出しており、外から見たときの目印になっている。

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京成3500形 ワンマン札
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▲ワンマン列車が掲出するワンマンの札を車内側からみたところ。窓に取り付けた吸盤フックに引っ掛けるだけの、かなり簡易的な表示方法である

ワンマン運転対応の4両編成は5本の編成に対して日中時間帯の定期運用で4本の使用となり、車両運用としてはなかなかカツカツな印象。これに京成高砂〜宗吾参道の臨時回送(83運行)や動揺測定(S73運行)などの不定期列車が加われば、その日の4両編成はフル稼働ということになる。何らかの理由でワンマン運転対応の4両編成が不足した時には東成田線・芝山鉄道線の81運行が6両編成・ツーマン運転での代走となる模様で、12月5日には3000形3013編成が4両編成の代わりに走った。

駅の設備など

ワンマン区間の駅では、ホームに安全確認用のミラーやITV(乗降確認用のモニター)を新設した。また、ワンマン列車が各駅を発着する際には、必ず駅係員がホームに立会い、安全の確保に努めている。

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おゆみ野駅 安全確認用ミラー
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▲ワンマン区間の駅に新設された安全確認用のミラー。ローカル感マシマシ??
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柴又駅 ワンマン運転用停止位置目印
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▲こちらもワンマン運転用に設置された停止位置目印。運転士がドアを扱う前の停止位置確認用として使っている
自動放送

ワンマン区間のアナウンスはタブレット端末を介した自動放送で行われるが、自動放送用のタブレット端末はこれまで使用されてきたものではなく、ワンマン運転用に新調したものとなる。従来の車掌が行っている半自動アナウンス(車掌が放送のタイミングを操作する)とは異なり、始発駅出発前に運行系統を設定すればその後は特に何もしなくてもそれぞれの放送が行われる優れもので、GPSを用いた位置情報により放送開始のタイミングを制御しているものとみられる。

放送の内容は従来の自動放送とほとんど変わらないものの、新規に収録したワンマン運転を行っている旨の案内が追加されているのが特徴である。以下、放送の例をいくつか掲載する。

【ワンマン普通京成津田沼行】ちはら台停車中

始発駅停車中の放送。「この電車はワンマン電車です」の案内が入る。ワンマン電車の英訳にはdriver only trainを充てている

【ワンマン普通京成津田沼行】ちはら台発車後

始発駅発車後の最初の放送のみ、同じくワンマン列車である旨の案内が入る。

【ワンマン普通ちはら台行】千葉中央発車後

千葉中央発車後。ツーマン運転からワンマン運転に切り替わった後なので、それに合わせた文言となる。

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京成3500形 ワンマン運転用タブレット端末
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▲自動放送の音源として使用しているタブレット端末。Panasonic製

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