2021.08.17
京成3500形の6両編成に異変。なんだか大変なことが起きている。
京成3500形において、編成組み換えが行われている。どういった内容なのか見てみよう。編成組み換えは以下の通りとなっている。
[3504-03-02-01]+18-17]
[3508-07-06-05]+26-25]
[3520-19+[3552-51-50-49]
[3524-23-22-21]
[3528-27+[3556-55-54-53]
[3536-35-34-33]
[3544-43-42-41]+46-45]
[3548-47+[3512-11-10-09]
↓
[3504-03+54-53]+02-01]
[3508-07-06-05]
[3512-11+26-25]+10-09]
[3520-19-18-17]+50-49]
[3524-23+[3528-27+22-21]
[3536-35+[3556-55+34-33]
[3544-43-42-41]
[3548-47+[3552-51+46-45]
6両編成6本と4両編成2本を一気に編成組み換え
ご覧のとおり、6両編成6本と4両編成2本が関係する編成組み換えとなっている。組み換えは13日から15日の3日間で実施された模様だが、3500形48両(芝山鉄道除く)のうち実に44両が短期集中で一気に組み換わるというのは過去に例のない事例。3500形は2018年12月ダイヤ修正で現在の6両編成6本+4両編成4本の体制となっているが、それ以来の大きな動きになっている。
そして、今回の編成組み換えがなおのこと奇妙なのは、組み換え後の6両編成の組成である。3500形の6両編成は、通常であれば4両編成の成田方あるいは上野方に半端な2両をつなげる格好で組成されるが、今回組成された6両編成は3520編成を除いた5本の編成が、いずれも番号順の4両の中に2両を組み込んだ、いわば2+2+2という格好になっているのが特徴。2+2+2の6両編成はこれまでもなかったわけではないが、組成されるのは車両不足などの時の突発的なものであり、イレギュラーな編成とされてきた。今回はこうした6両編成が一挙に5本も組成されたのだから、なんだか大変なことが起きているというわけなのである。
一方、これだけ大がかりに編成を組み換えたにもかかわらず、3500形の6両編成6本+4両編成4本という体制には変化がない。このことからすると、今回の編成組み換えは4+2あるいは2+4の6両編成を2+2+2の6両編成にするために行われたものと考えられる。
デジタルSR無線対応に向けた準備か、それとも?
それでは、なぜこのような編成組み換えを行ったのだろうか。考えてみよう。
考えられる理由のうち最も可能性が高そうなのは、デジタルSR無線対応に向けた準備である。現在、京成では2023年3月までの予定で列車無線の更新(デジタルSR化)が進められており、4月には一部の車両においてデジタルSR無線の使用を開始した。3500形はこれまでに無線対応工事が一切行われてなかったが、2023年度以降も走るのであれば、工事を実施してSR無線に対応する必要があるものとみられる。
その際、先が短いであろう3500形において、在籍している全ての先頭車を改造するというのはいささか効率が悪い。列車無線が必要なのは先頭に出ている車両だけだからだ。つまり、6両編成で中間に組み込まれた先頭車はSR無線に対応していなくても構わないので、3500形の中でSR無線に対応させる編成を限定し、その予定がない車両を6両編成の中間に押し込んだというように見ることができる。
一方で、ただ単に廃車準備という可能性も否定できない。現在、京成で置き換えが進んでいるのは3400形と3600形であり、単純に考えればこのまま3400形と3600形の廃車が進行するものと思われる。しかし、それはあくまでも外部の人間が勝手に思っていることなので、実は3500形こそが廃車候補でした〜なんて展開があるかもしれない。
3500形が廃車となる場合、今のところ4両編成には代替となる車両がないため、6両編成の廃車が先行するものと思われる。6両編成を編成単位で廃車にしやすいよう、あらかじめ編成組み換えを行ったということも考えられよう。
◆ ◆ ◆
今回の異変が3500形にとって今後も走り続ける布石となるのか、それとも終わりの始まりとなるのか、今後の動向が注目されるところだ。
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