2024.03.04
本州における日本海側で最大の都市、新潟。新潟で見るべきもの言えば、重要文化財に指定されている萬代橋でも越後一宮・彌彦神社でもなく、新潟駅万代口のバスターミナルである。2月末に新潟に行く機会があった折、その様子を見てきたのでご紹介しよう。
バスターミナルは、新潟市を中心にバスを走らせている新潟交通のもの。面積的にはそんなに大きくはないが、乗り場数13を誇る同社最大のターミナルである。その最大の特徴は、今では珍しくなったスイッチバック式であること。バスターミナルにやってきたバスは所定の乗り場にバックで入線し、客扱い。発車時間が来たら、そのまま頭から出て行く。年季の入った鉄骨むき出しの大屋根はザ・昭和といった感じ。令和も6年になって、こんな味のあるバスターミナルが残っているとは。
さすが県都の中心駅にあるバスターミナルだけあって、バスはひっきりなしにやってきて、次々と発車していく。発車の合図は左ウィンカーである。バスはまずターミナル前の道路に右折する格好で出ていくのだが、すぐに駅前から萬代橋方面に左折するからか、あるいは左方から来ている一般車にバスの発車を分かりやすくするためなのか、とにかく左ウィンカーを出しながら発車していくのがここのやり方。特に、複数台の同時発車は圧巻である。何台ものバスがいっせいに道路に出て行くシーンは迫力満点だ。
そんな万代口バスターミナルだが、今月末をもって閉鎖されてしまうという。バスの乗り場が新潟駅の高架化に伴い新しく整備された交通広場に移転するためで、迫力の同時発車や小気味よいリズムで鳴らされるバック誘導のホイッスルの音も過去のものになる。地元の人にとって当たり前の光景が消えゆくのは寂しいが、安全性や利便性を踏まえれば仕方のないこと。最後まで安全に役割を全うしてもらいたい。
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