京成線 駅別乗降人員ランキング(2024年度)
2025.04.30
2024年度の京成線の駅別乗降人員ランキング!

京成線 志津駅
2025.4.29/**
京成線の全69駅(※)において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2024年度の駅別乗降人員をランキング形式で見てみよう。合わせて、各駅について前年度からの順位の変動や乗降人員の増減もご紹介する。(※京成は2025年4月1日に新京成と合併し、新京成線は京成松戸線となったが、本稿で扱うデータは2024年度のものであるため、本ランキングも松戸線を除いた69駅を対象とする。)
全体の傾向
コロナ禍後の利用者の回復傾向と絶好調の成田空港輸送により、2024年度も全ての駅で乗降人員が増加した。京成全線における1日平均の乗降人員の合計は1,574,903人で、前年度比74,850人、5.0%の増。定期・定期外の別では、定期利用は865,108人で3.8%の増、定期外利用は709,795人で6.5%の増である。
この1,574,903人という数字は、コロナ禍前で最大だった2018年度比で98.3%となっており、数字上はほぼほぼコロナ禍前に戻してきている格好である。ただし、定期・定期外の別では、同じく2018年度比で定期利用は8.0%の減、定期外利用は7.0%の増となっており、利用のされ方がコロナ禍前より変質していることがうかがえる。
インバウンド(訪日外国人観光客)も引き続き盛況を博しており、京成上野や成田空港などのスカイライナー停車駅ではここ日本だよね? というくらいスーツケースを抱えた外国人で溢れている。成田空港は2030年代にむけて機能強化を図っている最中で、コロナのような大きなトラブルがなければ、乗降人員においてコロナ禍前の数字を超えてくることはほぼ確実な情勢となっている。
それでは、ランキングを見てみよう。( )内の数字は1日平均の駅別乗降人員、[ ]内は前年度の順位と前年度からの増減を表す。*京成高砂、京成津田沼、東成田、押上は他社局線直通の連絡人員を含む。#東松戸、新鎌ヶ谷、千葉ニュータウン中央、印旛日本医大はスカイライナーまたはアクセス特急の利用人員のみをカウント。下線のある駅は、2018年度(コロナ禍前)の利用者数を超えている駅。
1位〜3位
1位:押 上*(222,826人)[前1→ / +13,405人]
2位:京成高砂*(102,056人)[前2→ / +4,688人]
3位:日暮里(101,435人)[前3→ / +6,472人]
不動のトップ3である。前年度までの勢いはないものの、それぞれの駅で引き続き大きな増加が見られている。特に、京成高砂と日暮里はともに5年ぶりに10万人の大台を突破した。両駅の差はわずか600人ほど。日暮里の勢いが京成高砂を上回っているため、まもなく順位の入れ替えが見られそうな気配が感じられる。
4位〜10位
4位:京成船橋(90,840人)[前4→ / +2,745人]
5位:京成津田沼*(58,525人)[前5→ / +1,274人]
6位:青 砥(48,727人)[前7↑ / +1,790人]
7位:勝田台(48,485人)[前6↓ / +973人]
8位:京成上野(48,475人)[前8→ / +3,329人]
9位:八千代台(43,829人)[前9→ / +937人]
10位:京成成田(36,328人)[前10→ / +1,789人]
順位は青砥と勝田台で変動。2009年度より6位をキープしていた勝田台が前年度7位の青砥に追い抜かれ、順位が入れ替わった。そして、6位〜8位の青砥と勝田台、京成上野は、いずれも48,000人台という三つ巴の戦いが展開されている。特に、勝田台と京成上野の差はわずか10人。インバウンドが後押しする京成上野の勢いからすると、こちらもさらなる順位の変動があり得る。
11位〜20位
11位:空港第2ビル(35,735人)[前16↑ / +6,629人]
12位:京成八幡(35,135人)[前12→ / +1,215人]
13位:成田空港(35,046人)[前17↑ / +6,466人]
14位:京成大久保(34,928人)[前11↓ / +539人]
15位:京成立石(34,621人)[前13↓ / +946人]
16位:お花茶屋(32,727人)[前14↓ / +1,303人]
17位:京成千葉(31,702人)[前15↓ / +1,426人]
18位:実 籾(24,292人)[前18→ / +1,148人]
19位:京成金町(23,574人)[前20↑ / +669人]
20位:京成関屋(23,344人)[前19↓ / +341人]
空港2駅の勢いは相変わらずだ。インバウンドはいまだ隆盛で、空港第2ビルと成田空港ともに前年度より大きくランクアップ。空港第2ビルの11位と成田空港の13位はそれぞれの最高順位である。10位の京成成田にも迫る勢いで、2025年度にはトップ10入りも果たすだろうか。前年度比の増加率も20%超えており、頑張ったで賞(下記参照)では3年連続でワンツーフィニッシュを飾った。
対照的に、大きく順位を落としたのが14位の京成大久保。2022年度には同駅初となるトップ10入りの快挙を成し遂げたものの、空港2駅の勢いには敵わず気づけば15年くらい前の定位置に落ち着きつつある。
21位〜40位
21位:堀切菖蒲園(22,096人)[前21→ / +887人]
22位:千葉中央(20,353人)[前22→ / +986人]
23位:京成曳舟(19,929人)[前25↑ / +1,111人]
24位:町 屋(19,511人)[前24→ / +468人]
25位:ユーカリが丘(19,438人)[前23↓ / +369人]
26位:船橋競馬場(18,907人)[前26→ / +499人]
27位:四ツ木(18,180人)[前28↑ / +782人]
28位:京成小岩(18,036人)[前27↓ / +407人]
29位:京成臼井(16,825人)[前29→ / +276人]
30位:千住大橋(16,762人)[前32↑ / +899人]
31位:京成佐倉(16,492人)[前30↓ / +211人]
32位:京成幕張本郷(15,951人)[前31↓ / +12人]
33位:公津の杜(14,734人)[前33→ / +979人]
34位:八 広(14,618人)[前35↑ / +1,354人]
35位:志 津(13,757人)[前34↓ / +101人]
36位:京成大和田(12,139人)[前36→ / +363人]
37位:国府台(11,912人)[前37→ / +174人]
38位:京成西船(10,702人)[前38→ / +127人]
39位:谷 津(10,398人)[前39→ / +280人]
40位:柴 又(8,624人)[前40→ / +171人]
前年度より都心に近い駅の方が郊外の駅より乗降者数の増加が大きい傾向は引き続いており、都内の千住大橋や京成曳舟、八広は千葉県内の駅を抜いてそれぞれ順位を上げている。特に千住大橋は近年好調で、36位だった2007年度から徐々に順位を上げていき、今回ついにトップ30入りを果たした。このほか、33位の公津の杜も2007年度の時点では42位であり、ここ十数年で大きな成長を遂げている駅のひとつである。
対して、追い抜かれた側の志津とユーカリが丘、京成佐倉はいずれも佐倉市内の駅となっている。いずれも乗客数の伸びは鈍く、特に前年度比わずか0.7%増の志津はヤバいで賞(下記参照)のワースト3に入ってしまった。これら3駅についてはコロナ禍前の2018年度と比較しても80〜90%しか乗客は戻っておらず、人口減少下にある自治体にあっては今後も厳しい戦いが予想される。
41位〜69位
41位:みどり台(8,071人)[前42↑ / +389人]
42位:京成幕張(7,898人)[前41↓ / +104人]
43位:京成稲毛(7,483人)[前43→ / +196人]
44位:東中山(6,963人)[前44→ / +236人]
45位:市川真間(6,821人)[前45→ / +95人]
46位:京成酒々井(6,246人)[前48↑ / +367人]
47位:江戸川(6,229人)[前46↓ / +265人]
48位:海 神(6,015人)[前49↑ / +203人]
49位:ちはら台(5,991人)[前47↓ / +48人]
50位:新三河島(5,882人)[前50→ / +186人]
51位:鬼 越(5,833人)[前51→ / +257人]
52位:学園前(5,794人)[前52→ / +291人]
53位:大神宮下(5,578人)[前54↑ / +275人]
54位:おゆみ野(5,575人)[前53↓ / +193人]
55位:新鎌ヶ谷#(5,438人)[前56↑ / +430人]
56位:東松戸#(5,362人)[前58↑ / +444人]
57位:千葉寺(5,353人)[前55↓ / +211人]
58位:千葉NT中央#(5,130人)[前57↓ / +191人]
59位:菅 野(5,021人)[前59→ / +212人]
60位:検見川(4,371人)[前60→ / +259人]
61位:京成中山(3,681人)[前61→ / +93人]
62位:大森台(3,422人)[前62→ / +249人]
63位:西登戸(3,279人)[前63→ / +222人]
64位:宗吾参道(2,952人)[前64→ / +253人]
65位:新千葉(2,167人)[前65→ / +11人]
66位:東成田*(2,101人)[前66→ / +173人]
67位:成田湯川(2,063人)[前67→ / +239人]
68位:印旛日本医大#(1,820人)[前68→ / +128人]
69位:大佐倉(370人)[前69→ / +27人]
46位〜49位と53位〜58位で順位の大きな変動が起きている。この中で注目したいのは京成酒々井。前年度は2ランクダウンという悲しい結果に終わっていたが、2024年度は順位を上げて再び46位に戻ってきた。郊外にありながらも乗降者数の増加率は上から数えた方が早く、どういうわけか調子は◎。ここ数年で調子の上がらない44位の東中山や45位の市川真間も射程圏内に入ってきただろうか。
53位〜58位の順位変動は、絶好調の空港輸送が場を荒らした格好だ。成田スカイアクセス線の東松戸と新鎌ヶ谷がそれぞれ順位を上げている。東松戸と新鎌ヶ谷ともに他社線との乗換駅であることが要因であろう。逆に、そうでない千葉ニュータウン中央は順位を落としてしまった。同駅は数字が増えていないわけではないが、順位は2012年度の52位となった後は下り坂で、成田スカイアクセス線に絡む駅では1人負けの様相を呈している。
頑張ったで賞
対前年度で増加率の大きい5駅
1位:空港第2ビル(+22.8%)
2位:成田空港(+22.6%)
3位:成田湯川(+13.1%)
4位:八 広(+10.2%)
5位:宗吾参道(+9.4%)
ヤバいで賞
対前年度で増加率の小さい5駅
1位:幕張本郷(+0.1%)
2位:新千葉(+0.5%)
3位:志 津(+0.7%)
4位:ちはら台(+0.8%)
5位:京成西船(+1.2%)
◆ ◆ ◆
冒頭に記した通り、京成は2025年4月1日付けで新京成を吸収合併した。これに伴い、2025年度から新京成線改め松戸線各駅の乗降者数もランキングに入ってくる予定である。松戸線として京成に加わった各駅がどのように殴り込んでくるのか、その参考として、以下に2023年度の乗降者数(※)を掲載する。(※2024年度のデータが現時点で未公表のため。2024年度のデータが判明すれば差し替える予定です。)
松 戸:93,292人(1位)
上本郷:6,960人(21位)
松戸新田:7,138人(20位)
みのり台:9,021人(17位)
八 柱:40,771人(5位)
常盤平:17,832人(8位)
五 香:27,202人(7位)
元 山:15,494人(10位)
くぬぎ山:6,592人(22位)
北初富:5,298人(23位)
新鎌ヶ谷:36,254人(6位)
初 富:5,112人(24位)
鎌ヶ谷大仏:13,702人(13位)
二和向台:16,148人(9位)
三 咲:13,442人(14位)
滝不動:7,394人(19位)
高根公団:14,382人(11位)
高根木戸:8,015人(18位)
北習志野:42,226人(4位)
習志野:12,747人(15位)
薬園台:14,328人(12位)
前 原:9,983人(16位)
新津田沼:59,471人(2位)
京成津田沼:42,376人(3位)
関連記事
2025.04.10
京成電鉄 松戸線が開業
Hello! Matsudo Line 4月1日、京成電鉄は新京成電鉄の吸収合併を実施した。これに伴い、新京成線は同日より京成松戸線として運行を開始。1947年12月に新津田沼〜薬園台で産声を...
2024.05.03
京成線 駅別乗降人員ランキング(2023年度)
2023年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2023年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
2023.05.25
京成線 駅別乗降人員ランキング(2022年度)
2022年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2022年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
2022.08.29
京成線 駅別乗降人員ランキング(2021年度)
2021年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2021年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
2021.07.31
京成線 駅別乗降人員ランキング(2020年度)
2020年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2020年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
最新記事
2025.04.30
京成線 駅別乗降人員ランキング(2024年度)
2024年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2024年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
2025.04.26
京成電鉄バスグループ バス事業の大再編を実施
表現するならば、「激震」。4月1日、京成グループでは傘下のバス事業会社の再編を実施した。京成電鉄の完全子会社となる京成電鉄バスホールディングスを持株会社として新たに設立。その上でグループ15社...
- 京成バス
- タグはありません
2025.04.20
北総9800形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2025年)
今年も春がやってきた4月20日、臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。同日に北総鉄道がイオンモール千葉ニュータウン提携駐車場で開催するイベント「ほくそう春まつり」に合わせて運転される恒例の...
2025.04.15
京成グループ 車両の動き(2024年度)
京成グループにおける2024年度の車両の動きをまとめてみよう。2024年度の車両の動きの目玉は、やはり3100形以来6年ぶりの新型車両となる3200形が登場したことであろう。今年度は日本車両製の...
- 京成
- タグはありません
2025.04.10
京成電鉄 松戸線が開業
Hello! Matsudo Line 4月1日、京成電鉄は新京成電鉄の吸収合併を実施した。これに伴い、新京成線は同日より京成松戸線として運行を開始。1947年12月に新津田沼〜薬園台で産声を...