2022.08.29
2021年度の京成線の駅別乗降人員ランキング!
京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2021年度の駅別乗降人員をランキング形式で見てみよう。合わせて、各駅について前年度からの順位の変動や乗降人員の増減もご紹介する。
全体の傾向
新型コロナウイスル感染症の影響で大荒れとなった2020年度。2021年度はひとまずそんな最悪な状態を脱し、ゆるやかな回復傾向が見られる。京成全線における1日平均の乗降人員の合計は1,221,149人で、前年度比77,602人、6.8%の増。定期・定期外の別で見ると、定期利用は731,542人で前年度比+0.8%、定期外利用は489,607人で同+17.1%である。全体としては定期外利用の回復が大きく先行している。
とは言え、2021年度は政府から緊急事態宣言の発出があったなどまだまだ新型コロナウイスル感染症の影響は大きく、コロナ前の2019年度との比較では全体で378,871人、23.7%の減。京成線の輸送の要のひとつである成田空港輸送についても、海外渡航や外国人旅行者の受け入れ数の制限などがかかっており、コロナ前とは程遠い状況にある。今後も状況の改善とともに輸送人員の回復傾向は続くものと思われるが、もうコロナ前の状態には戻らないとも言われており、どの程度まで回復していくのかが注目される。
それでは、ランキングを見てみよう。( )内の数字は1日平均の駅別乗降人員、[ ]内は前年度の順位と前年度からの増減を表す。*京成高砂、京成津田沼、東成田、押上は他社局線直通の連絡人員を含む。#東松戸、新鎌ヶ谷、千葉ニュータウン中央、印旛日本医大はアクセス特急の利用人員のみをカウント。
1位〜3位
1位:押 上*(164,265人)[前1→ / +3,309人]
2位:京成高砂*(79,605人)[前2→ / +695人]
3位:京成船橋(73,750人)[前3→ / +6,027人]
トップ3は前年度と変わらず。前述のように全体的には新型コロナウイルスの感染拡大の影響から回復傾向にあるものの、もとより定期利用の割合の多い押上と京成高砂については回復がやや鈍い。特に、京成高砂は駅単体としての利用は約1,300人増えているものの、北総線からの連絡人員が前年度割れという結果に。押上も約3,300人の増という数字の上ではそれなりに増やしているように見えるが、2020年度に減らした約65,000人の穴を埋めるのにはまだまだ至っていない。前年度3位に入った京成船橋はその座を守り、引き続き3位にランクイン。
4位〜10位
4位:日暮里(71,278人)[前4→ / +6,118人]
5位:京成津田沼*(50,754人)[前5→ / +4,356人]
6位:勝田台(42,061人)[前6→ / +2,700人]
7位:青 砥(39,535人)[前7→ / +1,224人]
8位:八千代台(37,994人)[前8→ / +2,075人]
9位:京成上野(32,115人)[前9→ / +1,135人]
10位:京成立石(29,716人)[前10→ / -258人]
2020年度、京成船橋に単独駅1位を譲り渡してしまった日暮里は引き続き4位。ただし、京成船橋との差はたったの約2,500人、空港需要が回復すれば3位への返り咲きも十分に考えられる。この中で、というか全体の中で特異なのは10位の京成立石。全体的に増加基調の中、全69駅で唯一の前年度割れ。ぶっちぎりでヤバイで賞(下記参照)を受賞である。2010年度より10位に入っている同駅だが、京成八幡が約500人の差で迫ってきており、このまま行けばトップ10から陥落してしまう可能性もあり得る。
11位〜20位
11位:京成八幡(29,244人)[前11→ / +2,686人]
12位:京成大久保(29,107人)[前14↑ / +5,140人]
13位:京成成田(27,400人)[前13→ / +2,698人]
14位:お花茶屋(27,281人)[前12↓ / +821人]
15位:京成千葉(24,842人)[前15→ / +2,820人]
16位:京成関屋(20,794人)[前17↑ / +1,641人]
17位:京成金町(20,203人)[前16↓ / +949人]
18位:実 籾(19,804人)[前18→ / +2,088人]
19位:堀切菖蒲園(18,149人)[前19→ / +739人]
20位:船橋競馬場(17,122人)[前21↑ / +1,359人]
学生街ということで2020年度に大きく数字を減らしていた京成大久保は、学生が戻ってきたということもありV字回復。ランクも2つ上げて12位に。対して、成田山新勝寺を擁する京成成田は、回復傾向にあるもののまだ観光客があまり戻らず13位に低迷。都内のお花茶屋、京成金町、堀切菖蒲園の3駅は数字だけ見れば伸びていなさそうだが、もともとコロナでも比較的影響が少なかったためである。近年好調の船橋競馬場はユーカリが丘を抜き、ついに20位にランクイン。
21位〜40位
21位:ユーカリが丘(16,626人)[前20↓ / +490人]
22位:千葉中央(16,610人)[前23↑ / +1,314人]
23位:町 屋(16,480人)[前22↓ / +760人]
24位:京成曳舟(15,648人)[前24→ / +566人]
25位:京成小岩(15,397人)[前25→ / +664人]
26位:京成臼井(14,676人)[前26→ / +636人]
27位:四ツ木(14,542人)[前28↑ / +1,235人]
28位:京成佐倉(14,226人)[前27↓ / +666人]
29位:京成幕張本郷(13,995人)[前29→ / +927人]
30位:千住大橋(13,616人)[前30→ / +720人]
31位:志 津(12,136人)[前31→ / +449人]
32位:空港第2ビル(11,292人)[前35↑ / +2,224人]
33位:公津の杜(11,097人)[前34↑ / +1,469人]
34位:八 広(10,956人)[前32↓ / +664人]
35位:京成大和田(10,220人)[前33↓ / +414人]
36位:成田空港(9,791人)[前38↑ / +1,865人]
37位:国府台(9,550人)[前39↑ / +2,515人]
38位:京成西船(9,306人)[前37↓ / +878人]
39位:谷 津(8,968人)[前36↓ / +412人]
40位:京成幕張(7,009人)[前41↑ / +856人]
2020年度、6年ぶりにトップ20に返り咲いたユーカリが丘は船橋競馬場にその座を明け渡し、21位にランクダウン。京成沿線の自治体の中でも佐倉市は人口減少の傾向にあり、ユーカリが丘のほか志津、京成臼井、京成佐倉も厳しい状況が続く。この先も低迷が予想される。空港第2ビルと成田空港の2駅は旅行需要の回復とともに大きく数字を伸ばしているが、コロナで失った分の穴はまだまだ埋められず。今後、政府による訪日観光客の受け入れ体制が鍵になってくるだろう。
そして、空港2駅以上の回復が見られたのが国府台。2020年度に大きく減らした分だけ増加率も大きく、35.7%の増は全69駅中1位、めでたく頑張ったで賞(下記参照)受賞である。大久保と同じく学校の多い街であり、学生が戻ってきたものと思われる。このほか、近年好調な千葉中央、四ツ木、公津の杜は22位、27位、33位にそれぞれランクアップ。
41位〜69位
41位:柴 又(6,885人)[前40↓ / +515人]
42位:みどり台(6,520人)[前44↑ / +986人]
43位:京成稲毛(6,429人)[前43→ / +607人]
44位:市川真間(6,420人)[前42↓ / +593人]
45位:東中山(5,518人)[前45→ / +523人]
46位:江戸川(5,143人)[前46→ / +163人]
47位:鬼 越(4,981人)[前48↑ / +268人]
48位:ちはら台(4,925人)[前50↑ / +463人]
49位:海 神(4,911人)[前49→ / +348人]
50位:新三河島(4,868人)[前47↓ / +158人]
51位:京成酒々井(4,833人)[前51→ / +475人]
52位:学園前(4,558人)[前52→ / +280人]
53位:おゆみ野(4,542人)[前53→ / +363人]
54位:大神宮下(4,536人)[前54→ / +456人]
55位:千葉寺(4,287人)[前56↑ / +366人]
56位:菅 野(4,154人)[前57↑ / +491人]
57位:千葉NT中央#(4,087人)[前55↓ / +38人]
58位:検見川(3,588人)[前59↑ / +386人]
59位:新鎌ヶ谷#(3,463人)[前58↓ / +241人]
60位:京成中山(3,168人)[前60→ / +208人]
61位:東松戸#(2,919人)[前61→ / +463人]
62位:大森台(2,626人)[前62→ / +255人]
63位:西登戸(2,485人)[前63→ / +245人]
64位:宗吾参道(2,340人)[前64→ / +155人]
65位:新千葉(1,831人)[前65→ / +67人]
66位:東成田*(1,562人)[前66→ / +60人]
67位:成田湯川(1,176人)[前67→ / +99人]
68位:印旛日本医大#(1,113人)[前68→ / +81人]
69位:大佐倉(301人)[前69→ / +4人]
柴又がついにトップ40から陥落。やはり観光客の多い駅はまだまだ厳しいものと見られる。2020年度、順位を大きく落としたみどり台が42位に返り咲き。みどり台も学校が多い街であり、大久保や国府台と同じ傾向が見て取れる。この中で好調なのは鬼越と海神、菅野で、同じような小駅でありながら2年連続でランクアップ。逆に、調子が悪いのが新三河島。一気に3つも順位を落としてしまった。
アクセス特急停車駅については、東松戸が大きく回復傾向にあるのに対し、千葉ニュータウン中央はほとんど数字が伸びず明暗が分かれる格好に。特に、千葉ニュータウン中央は前年度とほとんど同水準でちょっと心配である。とは言え、まだまだ空港需要が回復し切っていないので、ここらへんが戻ってくればまた傾向は変わってくるだろうか。
頑張ったで賞
前年度比で増加率の大きい5駅
1位:国府台(+35.7%)
2位:空港第2ビル(+24.5%)
3位:成田空港(+23.5%)
4位:京成大久保(+21.4%)
5位:東松戸(+18.9%)
ヤバいで賞
前年度比で増加率の小さい5駅
1位:京成立石(-0.9%)
2位:京成高砂(+0.88%)
3位:千葉ニュータウン中央(+0.94%)
4位:大佐倉(+1.3%)
5位:押 上(+2.1%)
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