2012.03.18
長野電鉄では、4月1日にダイヤ改正を行なう。屋代〜須坂を結ぶ屋代線の廃止に合わせたダイヤ改正となっている。長野電鉄では昨年2月にもダイヤ改正を実施しており、2年続けてのダイヤ改正となった。
まずは、プレスリリースより今回のダイヤ改正における改正点を拾ってみよう。以下、2011年2月13日におけるダイヤを「現行ダイヤ」、2012年4月1日におけるダイヤを「改正ダイヤ」などと記すことにする。
- 屋代線を廃止
今改正をもって、屋代〜須坂間を結ぶ屋代線が廃止される。1922年に河東鉄道によって開業した区間だが、90年の歴史に幕を閉じることになる。なお屋代線の代替として、長電バスにより須坂屋代線が開設され、同日より運行を開始する。 - 夕方以降、長野~信州中野間の全ての列車を3両編成で運転
混雑する夕方以降の長野〜信州中野間を全て3両編成で運転するようになる。具体的には、夕方以降の信州中野〜湯田中運用への車両の送り込みを兼ねた539列車以降の時間帯となっている。この列車以降の長野〜信州中野間の所要車両数は6本(特急運用除く)で、8500系6本と3600系1本の計7編成で賄われる。これにより、長野線は信州中野での分断の色が濃くなっており、信州中野を越えて走る普通列車は下りの初電である101列車のみとなってしまった。全線を通して走る普通列車は消滅している。 - 不定期特急列車の新設
午前中に須坂→湯田中→長野→須坂を走る不定期運用が1本設定される。列車は全てB特急で、車両は2100系"スノーモンキー"が使用される。運転日は日曜祝日と春・夏・冬の繁盛期に設定されており、湯田中・渋温泉郷宿泊客の、長野への帰途の便を図ったものと思われる。
このほか、3月17日のJRダイヤ改正に合わせた時刻の変更が実施されている。
なお、営業列車の本数については、前述の臨時特急を除くと須坂〜信州中野間で唯一変化があり、1本減となっている。列車の本数そのものに変化は無いが、上りの1本が回送となったためである。
以下、さらに詳しい考察を行なう。
特急車両(1000系"ゆけむり"・2100系"スノーモンキー")の運用
まずは特急車の運用を見てみよう。特急車の運用は以下のとおり。【 】内の運用番号は便宜的に付けたもの。
- 【特1】須坂705○:1B 〜 2B 〜 3A 〜 6A 〜 7A 〜 10A 〜 3A 〜 11A 〜 14A 〜 14B 〜 15B 〜 18B 〜 19B 〜 22B 〜 23B 〜 回送572:須坂2330?△
- 【特2】須坂959○:4A 〜 5A 〜 8A 〜 9A 〜 12A 〜 13B 〜 16B 〜 17B 〜 20B 〜 21B 〜 24B:須坂2210△
- 【特臨】須坂845○:1101B 〜 1104B 〜 1205B:須坂1113△
【特1】と【特臨】が2100系、【特2】が1000系の運用となっている。特急車の運用に関しては、不定期特急の新設に伴って運用が1本増加しているのが大きな変化で、これが【特臨】となっている。なお、【特1】と【特2】は前回のダイヤをほぼ踏襲しており特に変化はない。
一般車両(3500系・8500系)の運用
次に一般車両の運用を見てみよう。【 】内の運用番号は便宜的に付けたもの。運用番号にyが付いているものは湯田中への入線のあるもの、eが付いているものは夕方以降に長野〜信州長野間の運用があるものである。一部に推測を含む。- 【11e】須坂525○:202 〜 507 〜 510 〜 517 〜 522 〜 525 〜 530 〜 531 〜 536 〜 541 〜 544 〜 551 〜 554 〜 221:須坂2045△
- 【12y】須坂531○:101 〜 302 〜 303 〜 306 〜 307 〜 310 〜 518 〜 207:須坂1026△
- 【13】信州中野537○:502 〜 509 〜 512 〜 519 〜 524 〜 527 〜 532 〜 215:須坂1433△
- 【14】須坂540?○:回送501 〜 504 〜 511 〜 514 〜 205:須坂948△
- 【15e】須坂557○:503 〜 506 〜 513 〜 516 〜 521 〜 526 〜 211 〜 212 〜 533 〜 538 〜 543 〜 546 〜 553 〜 556 〜 561 〜 566 〜 223:須坂2315△
- 【16y】信州中野623○:301 〜 304 〜 305 〜 308 〜 309 〜 312 〜 311 〜 314 〜 313 〜 316 〜 315 〜 318 〜 317 〜 320 〜 319 〜 322 〜 323 〜 326 〜 327 〜 330 〜 回送560:須坂2040△
- 【17】須坂626○:505 〜 508 〜 201:須坂844△
- 【18e】須坂719○:204 〜 515 〜 520 〜 523 〜 528 〜 529 〜 534 〜 537 〜 542 〜 547 〜 550 〜 557 〜 562 〜 565 〜 570:須坂2317△
- 【19】須坂758○:206 〜 203:須坂914△
- 【21e】須坂1026○:208 〜 209 〜 210 〜 213 〜 214 〜 535 〜 540 〜 545 〜 548 〜 219:須坂1935△
- 【22y】須坂1424○:216 〜 539 〜 321 〜 324 〜 325 〜 328 〜 329 〜 332 〜 331 〜 334 〜 333 〜 336 〜 335 〜 回送338:信州中野2343?△
- 【23e】須坂1608○:218 〜 217 〜 222 〜 555 〜 558 〜 563 〜 568 〜 225:須坂2344△
- 【24e】須坂1653○:220 〜 549 〜 552 〜 559 〜 564 〜 567:信州中野2257△
この運用表が正しいと仮定すると、車両の最大使用は7時58分から8時44分までの9本で、その内訳は3両編成指定の運用が4本(【11】【13】【15】【18】)、湯田中入線対応車が2本(【12】【16】)、特に縛りのない運用が3本(【14】【17】【19】)となっている。夕方以降は8本が使用され、3両編成が6本(【11】【15】【18】【21】【23】【24】)、湯田中入線対応車が2本(【16】【22】)となっている。これに予備の編成を加えると、8500系6本、3600系1本、3500系4本の計11本程度で運用が回せるようになっており、3500系O編成は屋代線とともに全廃となる可能性がある。
また、屋代線だけでなく2000系D編成も引退することが確定しており、2000系は全廃となる。90年の歴史をもった屋代線と、48年間活躍し、現役唯一の長電オリジナル車両である2000系が消えるという、今回のダイヤ改正は長電にとっては非常に大きなものとなっている。
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