2024.11.27
京成線、モーニングライナーとイブニングライナーを実質値上げ。
11月23日、京成電鉄では京成本線で運行している座席指定制の特急列車モーニングライナーとイブニングライナー(以下、ML・EL)ーの特急料金の改定を実施した。どういった内容なのか、見てみよう。
最も大きく変わったのは、これまでの均一料金から距離に応じて料金の変わる距離制に移行したこと。新たな料金は5つに区分され、20kmまでが250円、40kmまでが450円、48kmまでが500円、65kmまでが600円、70kmまでが950円となった。1980年代に利用が低迷していたスカイライナーの一部列車を活用する格好で運転を開始したML・ELは、通勤ラッシュ時間帯の着席保証列車的な性格から均一料金制を採用してきたが、今回の料金改定ではそれが崩され、大きく舵を切ることとなった。
ML・EL各停車駅間の料金は以下の通りである。
新しい料金については、3つのポイントがあるように思われる。まず、京成上野・日暮里・青砥〜八千代台の料金を450円のまま据え置いた点。ML・ELをホームライナー的に利用する層が最も多いとみられるこの区間については、これまで通りに利用してもらいたいということである。これより長い距離を利用した場合については、料金表の通りに距離に応じて値上げとなった。逆に、旧料金よりも安い250円の区間も新設されているが、これまでの均一料金では割高になる短距離利用はほとんどなかっただろうことを踏まえると、全体的には事実上の値上げといってよい内容となっている。
次に、成田空港を発着する場合について。特に、上野・日暮里〜空港第2ビル・成田空港で利用する場合、特急料金はこれまでの2倍を超える950円、同区間の普通運賃1,060円と合わせても1,510円→2,010円で約3割の値上げとなった。下り方の終着駅が成田空港だからこそ可能な強気の設定で、高単価な成田空港利用者からきっちりと料金をいただきたいという意図が透けて見えてくる。なお、この区間については、青砥や京成佐倉、京成成田でライナー券を分割して購入すると100円安くなるという逆転現象も生じている。
最後に、250円という料金区分の設定である。これにより、京成船橋〜八千代台などといった短距離利用が今までよりもしやすくなった。前述のとおり新料金で250円となる短距離利用はこれまでほとんどなかったと思われるので、こうしたちょい乗り需要を喚起するのも今回の料金改定の狙いのひとつだろうか。あるいは、250円でも利用してくれれば御の字という考えなのかもしれない。
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