2018.07.02
はいどうもー! 都営浅草線の新型車両5500形がついにデビュー。さっそく乗りにいってみたので、簡単にレポートしてみよう。
6月30日、都営浅草線の新型車両5500形がデビュー、営業運転を開始した。運行初日となった6月30日はトップナンバーの5501編成が907Taレより07T運行に充当。西馬込〜泉岳寺間を往復し、当初より予定されていた1406Tbレまで走り切って入庫、無事に運行初日を終えた。翌7月1日も同様に運行されている。なお、本来の07T運行は早朝から深夜まで走る運用だが、まだ足慣らしの段階ということなのだろうか、5500形は車両交換により行路の一部を担当した格好。まだ京成線や京急線などへの乗入れ準備が整っていないことから、5500形はしばらくの間西馬込〜泉岳寺間のみの運行とのこと。
当初は2018年春の運行開始予定とアナウンスされていた5500形だが、ようやく日中時間帯の本線に姿を現したのは5月19日のことであった(初の日中試運転)。この時点で春の運行開始には間に合わなさそうだったことから、営業運転に向けた調整が難航していたことがうかがえる。26日より数日間京急線に出向いて高速試運転を実施。その後、乗務員訓練、報道公開等を経て、めでたくデビューという運びとなった。いわば難産となった5500形がこうしてデビューの日を迎えられたことは、関係者にとって喜びもひとしおだろう。
また、6月11日には2編成目となる5502編成が金沢八景の総合車両製作所(J-Trec)より馬込車両検修場に自走で回送されてきており、5500形は現時点で2編成が揃っている。
都営5500形の概要
さて、都営5500形とはいったいどういう車両なのだろうか。各メディアで報道されている内容を基に、簡単にみてみよう。
車両の製造は総合車両製作所が担当。スポット溶接を用いることでフラットな外板を実現した「sustina」が採用されており、すっきりとした見た目のステンレス車両である。デザインのコンセプトは「日本らしさとスピード感が伝わる車両」ということで、車体内外の随所に「和」を感じさせるものが取り入れられている。特に歌舞伎の隈取を現代風にアレンジした前面は、浅草や銀座を走る車両としてふさわしいものに仕上がっている。
走行機器類はE235系をベースにしているものとみられる。制御装置は三菱電機製のフルSiC適用VVVFインバーターで、1C4Mのものを1〜3、6〜8号車に搭載。それらはそのまま電動車となる。5300形と同じく独立M車方式となるが、編成におけるMT比率が引き上げられて6M2Tになった(5300形は4M4T)。合わせて営業運転における120km/h運転が可能になっており、将来的には120km/h運転が必要な成田スカイアクセス線への乗入れも視野に入っている模様である1)。台車は総合車両製作所製のボルスタ付台車で、軸箱の支持は軸梁式。パンタグラフは3号車と6号車にシングルアーム型のものを2基ずつ搭載。
先頭車両の連結器は5000形より採用してきた密着自動連結器より変わって電気連結器付きの密着連結器となった。これにより京急車との併結運用も期待されたが、これはあくまでも非常用とのこと2)。
都営5500形の今後
東京都交通局によれば、引き続き5500形を順次導入し、2021年度までに既存の5300形全27編成を置換える予定ということである。東京都交通局の経営計画により今年度は7編成が導入されることが明らかになっており、今後3年で27編成が導入されることを考えるとかなりのハイペースで増えていくことになるだろう。また、前述のように120km/h運転に対応していることから、ある程度の数が揃った段階でアクセス特急の運用に投入ということも予想される。都営浅草線の新しい顔になる5500形の今後の活躍に期待しよう。
走行音
都営5500形5501-7 馬込→中延
都営5500形5501-7 五反田→高輪台
走行音の完全版はこちら:【走行音】都営5500形 西馬込→泉岳寺(YouTube)
- 1)行先表示には既にアクセス特急のデータも準備されており、報道公開ではそれを表示した姿も披露されている。
- 2)ただし、四直においては自動連結器が基本となるので、これと連結可能なアダプターを備える。
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