2018.12.13
京成3600形が北総線を走る。
12月9日、京成3600形3638編成が73K運行に充当し、北総線を走った。3600形が北総線に入線するのは今年に入ってから2回目となるが、10年くらいさかのぼっても片手で数えられるくらいの珍事。特に今回は定期運用としての入線となっており、一説によればこれは数十年ぶりのことなんだとか。なんだかスゴイデスネー。
いずれにせよ3600形が北総線に入線する機会は極端に少なく、こうなると聞こえてくるのが3600形は北総線に入れないのではないかという話。しかし、中国は蜀の名将、関羽が言っていたようにそんなものはない。今回の73K運行にしても過去のダイヤ乱れに伴う代走にしても3600形はもう何回も北総線に入っているわけなのだから、3600形が形式として北総線に入れないなんてことはないというのは自明であろう1)。
3600形の北総線への乗入れ機会が少ないのは、ただ単に運用の都合による。北総線の時刻表を見ていただければ分かるように、北総線の列車は京急線方面、とりわけ羽田空港発着が主。このため、北総線では少数派となる京成車の運用も羽田空港に絡んでいるものがほとんどで、京急線に入れない3600形は必然的に北総線も走ることができなかった。過去には3600形が入れる運用もあったようだが、少なくともここ十数年、3600形が北総線に入線する機会はダイヤが乱れた時などイレギュラーな場合に限られていた。
そんな中、登場したのが表題の土休日73K運行である。2017年10月ダイヤ改正で設定されたこの運用は、東成田を出庫し成田まで回送、快速特急として西馬込まで走った後、普通印旛日本医大行→普通印西牧の原行でいったん印旛車両基地に入庫。夜になって普通西馬込行として再出庫し、折返し高砂行で高砂検車区に入庫して終了、というような動きをするもの。京急線に入らない北総線運用となっている。東成田駅での停泊明けの運用となるため前日までの状況次第にはなるが、条件が整えば3600形が北総線運用に充当することが可能になっていた。
ただ、理論上は3600形がこの73K運行に充当可能と言っても、3600形の北総線入線が日常的なものになるかどうかは何とも言えないところ。まず、9日の3638編成で露呈したのは、方向幕の「北総・公団線」表記。3400形や3500形では既に消されているものだが、3600形は北総線にあまり入らないことから放置されていたようで、一部の車両でこれが見られた。久々に出現した公団線の文字に趣味者たちは喜んだかもしれないが、やはり案内上あまり好ましいものではない2)。これを消す手間なんて大したものじゃないだろうけど、それだったら73K運行に3600形を充当しないようにすれば済んでしまうことである。
また、73K運行が設定されてから今回の3638編成の充当が実現するまで1年かかったというのも気になるところだ。これが意図的なものなのかたまたまなのかはわからない。前述のように充当するまでの条件が難しいという事情もあるけれど、とにかく1年間は入らなかった。そして、今回の3638編成も前日の8日午前中に発生したダイヤ乱れが影響していた模様で、厳密に言えば計画的に充当されたものではない。今回の3600形の北総線入線も、結局はダイヤ乱れに伴うイレギュラーだったのである。
3600形を積極的に73K運行に充当する理由は特にないわけだけど、かと言って逆もない。結局のところ、今後も3600形が北総線で見られるかどうかは中の人の気分次第・・・?
- 1)芝山鉄道3600形の北総線入線や京急1500形の成田スカイアクセス線入線、京急2000形の泉岳寺入線など、入線できないはずなのに入っちゃった事例もあるので、必ずしも「入線した→入線できる」にはならない点に注意。
- 2)京成は2004年7月の北総・公団線→北総線改称から2010年ごろまで「北総・公団線」表記入りの方向幕をそのまま使っていたことがある。気にしなければ無問題???
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