2020.06.22
京成3000形、3003編成のSiC-VVVFインバーター試験が終了。
2016年12月よりハイブリッドSiCを適用したVVVFインバーターに換装されていた3003編成だが、このほど試験を終了し、元のIGBT-VVVFインバーターに戻された。SiC-VVVFインバーターを搭載した状態での最終運用は6月11日の43運行で、942レにて宗吾車両基地に入庫した後、入場。3003-8、3003-7号車ユニットの制御装置などの交換が行われた。18日のS49運行で試運転を実施し、同日の1742レより営業運転に復帰している。同編成がSiC-VVVFインバーターを搭載していた期間は約3年半であった。
当該VVVFインバーターの製造元である東洋電機のレポート1)によれば、3003編成の試験は当初より3100形を見据えたものであった模様。VVVFインバーター装置のほか、フィルタリアクトルと主電動機を高効率のものに交換した上で回生ブレーキのパターンを変更し、従来の3000形との消費電力の比較を行った。その結果、18%程度の省エネルギー化が確認できたという。
3003編成の成果はもちろん3100形に反映された2)わけだが、惜しむらくはその走行音であろう。3100形の起動音はほぼほぼ3000形と同じなので、3003-8+3003-7の電動車ユニットが奏でていた音は唯一無二のまま終わってしまった。
走行音はこちら:【走行音】京成3000形SiC-VVVF試験車【東洋電機】
- 1)京成3000形への高効率プロパルジョンシステムの適用[pdf] - 東洋電機技報 第139号
- 2)成田スカイアクセスに「3100形」を導入します[pdf] - 京成電鉄の2019年4月11日付プレスリリース
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