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2020.05.15

京成3000形の過渡期的顔面4態。

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京成3000形 3011編成
2011.5.16/江戸川

▲2002年度から2018年度まで17年にわたり製造が続いた3000形。登場から15年以上が経ち、改造等で徐々に変化が出始めている

2002年度に登場した京成3000形は2018年度まで実に17年にわたり製造が続けられ1)、3050形を含めると8両編成19本、6両編成29本、合わせて326両という京成随一の大所帯になっている。トップナンバーの3001編成から最終増備車である3042編成まで大きな仕様変更もなく製造されたことは、京成の車両の特徴のひとつに挙げられる「質実剛健」そのものであり、まさに3000形がそれを創り上げたと言ってもよいのだろう。いまや、京成線では右を向いても左を向いても3000形ばかり。おまけに、北総鉄道や新京成においても姉妹車両である7500形、9200形、N800形がいるのだから、趣味的には困ってしまうわけである(ぉぃ)。

しかし、そんな3000形も登場から15年以上が経ち、改造等による変化が出始めてきている。ここでは車両のイメージを最も印象づける部分である顔面に絞って見てみよう。

3000形では、2009年8月の3002編成を皮切りに2009年度から2011年度にかけて行先表示器のフルカラーLED化2)を実施。これが3000形の顔面に変化が生じた最初の改造となっている。2009年度より新造された車両は最初からフルカラーLEDとなったので、現在は全ての3000形がフルカラーLEDの行先表示となっている。

その後、2017年度より前照灯のLED化が始まった。前照灯のLED化は検査等のタイミングで順次交換されており、オリジナルのハロゲンライトが残るのは数編成となっている。さらに、2018年度末に3002編成〜3005編成のみを対象に運行番号表示器のフルカラー化(白色化)が実施されている。

前照灯のLED化と運行番号のフルカラーLED化はそれぞれ別に実施されているので、前照灯がLEDの編成とそうでない編成、運行番号がフルカラーLEDの編成とそうでない編成が入り交じり、全部で4種類の形態が過渡期的に見られている。以下、今のところ見られる3000形の顔面の4態を紹介する。

(注)以下に写真を掲載した各編成は撮影当時の状態であり、現在は形態が変わっている編成があるかもしれません。

ハロゲンライト+運行番号3色LED
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京成3000形 3006編成
2020.3.12/ユーカリが丘〜京成臼井

▲ハロゲンライトで運行番号の表示がオレンジ色の3006編成

前照灯がハロゲンライトで運行番号が3色LEDの形態である。行先表示器のフルカラーLED化以降、前面を特にいじってない編成がこれにあたる。最もオリジナルに近い形態とも言える。しかし、LED前照灯への交換に伴い、そのうちに見られなくなるであろう絶滅危惧種である。

LED前照灯+運行番号3色LED
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京成3000形 3029編成
2020.3.20/菅野〜京成八幡

▲LED前照灯で運行番号の表示がオレンジ色の3029編成

現在、鉄道車両の前照灯は省エネで長寿命、点灯時の視認性に優れたLEDによる前照灯が主流となっているが、3000形においてもオリジナルのハロゲンライトからLED前照灯への交換が実施されている。LED前照灯への交換は現在も進行中だが、既に大半の編成がLED前照灯となっており、3色LEDの運行番号表示器との組み合わせは3000形では最もよく見られる形態になっている。

3000形で最初にLED前照灯となったのは3002編成で、2017年12月のことであった。LED前照灯は森尾電機製の16粒タイプが採用されている。3002編成のLED前照灯は試用だった模様で、3002編成だけがLED前照灯の状況がしばらく続いていたが、翌2018年8月の3007編成より本格採用になった。

前照灯は前述のとおり検査等のタイミングで順次交換されており、スローペースながらLED前照灯の編成はその数を着実に増やしている。なお、LED前照灯については2019年9月に交換を実施した3001編成より前照灯の本体が白地のものから黒地のものに変更されたので、この違いを含めると形態をさらに細かく分類することもできよう(上の写真の3029編成は白地のLED前照灯、下の写真の3039編成は黒地のLED前照灯である)。

ハロゲンライト+運行番号フルカラーLED
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京成3000形 3005編成
2019.11.10/船橋競馬場〜谷津

▲ハロゲンライトで運行番号の表示が白色の3005編成

3000形の前面で最もレアだと思われるのが、前照灯がハロゲンライトで運行番号がフルカラーLEDという形態。3003編成〜3005編成と3039編成、3040編成でのみ見られたものだが、やはり前照灯のLED化でこの形態も絶滅危惧種。

フルカラーLEDの運行番号表示器は、2018年度に新造された3039編成〜3042編成が新造時より搭載となったほか、2018年度末になって3002編成〜3005編成が3色LEDからの交換でフルカラーLEDとなっている。ところが、運行番号表示器のフルカラーLED化は3002編成〜3005編成で実施されたまま途切れており、現在は動きがない。

撮影趣味の観点からすると、フルカラーLEDの方が高速でシャッターを切っても表示が切れにくい3)ので、運行番号表示器のフルカラーLED化をするのであればどんどんやっていただけるとウレシイのだが4)

LED前照灯+運行番号フルカラーLED
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京成3000形 3029編成
2020.3.20/菅野〜京成八幡

▲LED前照灯で運行番号の表示が白色の3039編成

3000形の今のところの最終形態である。LED前照灯への交換が進み、運行番号表示器の交換が再開されれば最終的には全編成がこの形態になるはず???

◆ ◆ ◆

というわけで、3000形の顔面を大雑把に4形態に分類した。前述したLED前照灯の違いや行先表示器の仕様の違い、そして3050形を含めればもっと細かい分類もできるはずなので、京成線を利用される際にはぜひともあれこれと観察をしながら乗車してみよう。

  • 1)2008年度と2011年度は新造なし。2009年度と2010年度は成田スカイアクセス線仕様の3050番台を製造。
  • 2)種別部分がフルカラー、行先部分が白色で表示される表示器を採用している。2017年度新造の3029編成より全面がフルカラーLEDの表示器を採用。
  • 3)運行番号表示器の3色LEDが1/160のシャッタースピードで表示が切れるのに対し、フルカラーLEDは1/1000まで耐えられる。
  • 4)というわけで、3色LEDの運行番号は容赦なく表示をぶった切っております。すいません。

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