2023.09.09
京急1000形、1001編成が6年半ぶりに直通運転に復帰。
2002年4月に営業開始した京急1000形。導入開始から21年を経て今なお製造が続けられ、先ごろには今年度導入の22次車となる1500番台1501編成がデビューを飾ったところである。そんな中、トップナンバー・1001編成が8月上旬より他社局線への直通運転を再開した。同編成が直通運用に入るのは、2017年2月9日の61H運行以来、実に約6年半ぶりのこととなる。
この6年半、はたして1001編成に何があったのか。それは、2017年2月から9月に実施された更新工事が大きく影響している。この工事において、同編成は車体更新とともにシーメンス製GTO-VVVFから三菱電機製のSiC-VVVFに換装。その後、シーメンス製VVVFインバーターを搭載していた他の1000形8両編成が東洋電機製のものへ換装となる中で、結果的に異端的な仕様となっていた。このことが災いしたのかどうかはわからないが、同編成は更新以降、運用範囲が品川までの自社区間のみに制限されていた。品川から先、都営浅草線や京成線、北総線に直通可能な規格で製造されたはずなのに、満足ではない状態が続いていた。
そういった意味では、ようやく1001編成は本来の1000形に戻ったと言える。運用制限は7月中旬には解除されていた模様で、そのタイミングで運転台に貼られた限定運用をしている旨の注意書きテプラが消えた。運用制限解除後、まずは7月31日の61H運行で泉岳寺に入線。その後、8月4日に京成高砂まで走る73H運行にてめでたく直通運用に復帰した。さらに、同7日には北総線、同27日には成田スカイアクセス線、9月6日には京成本線にもそれぞれ入っている。運用の制限は完全に消滅したもの考えてよいのだろう。
他方、1001編成に代わって今度は600形601編成が自社線内のみの限定運用となっている模様。こちらは補助電源装置の換装が関与しているものと思われる。京急の今の車両事情においては、2100形を除く8両編成のうち1本くらいは直通できない編成があっても特に問題ないようだ。
- 京急
- タグはありません
関連記事
京急1000形 「夏詣」ヘッドマーク(2023年)
かがやけ、みんなの夏詣。京急電鉄では、6月末より「夏詣」ヘッドマークの掲出を行っている。同社が2019年より毎年夏に実施している「夏詣」キャンペーンをPRするもので、ヘッドマークの掲出は今年で...
京急1000形1890番台 「ブルーリボン賞」受賞記念ヘッドマーク
京急1000形1890番台、祝・「ブルーリボン賞」受賞。京急電鉄では、12月上旬より1000形1893編成にて「ブルーリボン賞」受賞記念ヘッドマークの掲出および装飾を実施している。2021年5月...
京急電鉄 シーメンス製VVVFインバーターの終焉
一時代の終焉。11月11日、京急1000形1057編成が全般検査ならびに機器更新などのため久里浜工場に入場した。同編成は現在国産メーカーへの換装が進んでいるドイツ・シーメンス製のVVVF...
京急1000形1890番台 「すみっコぐらし10周年号」運転
「すみっコぐらし」と京急蒲田駅付近の連続立体交差化完了の10周年を祝して。京急電鉄では、1000形1893編成を使用したラッピング電車「すみっコぐらし10周年号」の運転を行っている。人気キャラ...
京急1000形・2100形ほか 車体側面に車両番号を追設
京急車に小変化。車両番号。鉄道車両に対して付けられる車両番号は、在籍している各々の車両を識別するためのいわば名前のようなものである。通常、それは各車両において視認しやすい位置に掲示されるものだが...
おすすめの記事
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...
北総車の京急線内特急運転が復活
約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...