2011.08.23
国鉄型車両はこれまでJR東海の車両を中心に扱っていたが、今回は一気に北へ飛んでJR北海道の781系をば。
781系は国鉄型では唯一となる北海道専用特急型電車形式である。北海道における電車特急は485系に耐寒耐雪装備を付けた485系1500番台による「いしかり」に端を発するが、耐寒耐雪装備を付けたところで485系は485系、北海道の厳しい寒さに耐えることができず故障が頻発。ここはやはり北海道専用の形式を、ということで登場したのがこの781系である。それはまさしく北海道の冬と戦うための車両であった。
781系は2007年9月に札幌を訪れた際に撮影する機会を得た。781系と出会ったのはこれが初めてではなく、過去に千歳空港(新千歳空港にあらず)〜札幌〜旭川間を「ライラック」で乗った以来実に二十ウン年ぶり。この間、1990年代に塗装が国鉄色から現行のラベンダー色になってしまっていたが、これはこれで似合っていたのではと思う。「ライラック」の愛称幕もいつ頃から黄緑色のものから、塗装に合わせたような白地のシンプルなものになっていたが、これもまた似合っていた。
781系だが、2007年10月のダイヤ改正で789系1000番台に置換えられるかたちで全車引退となっている。789系1000番台のデビューにあたっては、785系ともども130km/h運転が可能となることから「ライラック」と「スーパーホワイトアロー」を統合し、これらは新たに「スーパーカムイ」として走ることとなった。これをもって1980年から27年間使われた「ライラック」の愛称は残念ながら消滅、「ライラック」という愛称も781系とともに過去のものとなっている。「ライラック」から分離した「すずらん」がちゃっかり残るというのが何となく歯がゆくも思うが、789系1000番台と785系の「スーパーカムイ」への発展もこの781系があってこそであり、列車の愛称が変わっても781系の魂はちゃんと引き継がれていることと思いたい。
関連記事
国鉄型車両を訪ねて 6 - 大阪環状線の103系
我々は、何のために関西へ行くのだろうか。それは、首都圏から引退した国鉄型車両に乗るためである(おい) JR西日本では、國鉄廣島などと揶揄されるように、西へのほう行けば行くほど国鉄の成分が濃くなって...
国鉄型車両を訪ねて 4 - EF58 157
国鉄型車両の4回目は、JR東海静岡車両区に所属していたEF58 157、通称"イゴナナ"である。定期運用のない車両を撮るのは大変だ。何せ、いつ走るのかわからない。EF58 157もその1つで...
国鉄型車両を訪ねて 3 - 113系「通勤快速」
前回の記事からだいぶ時間が経ってしまったが、引き続き全国津々浦々の国鉄型車両を取り上げてみよう。今回は前回と同じく静岡車両区113系の話題だが、特に静岡〜豊橋間に設定されていた「通勤快速」に...
国鉄型車両を訪ねて 2 - 湘南電車113系
久々にJR東海エリアを訪れて思い出した。そういや、JR東海の国鉄型をシリーズ化してアップするとか云々・・・ってなわけで、シリーズその2は東海道線の113系をば...
国鉄型車両を訪ねて 1 - 381系「しなの」
撮影した画像を死蔵するのは勿体無いので放出。JR東海の国鉄型車両を比較的撮影する機会があったのでシリーズ化してみることにする。こないだ廃車回送が実施され...
最新記事
京成線 2024年11月23日ダイヤ修正
京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリースや15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。本稿では...
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...