2011.02.20
前回の記事からだいぶ時間が経ってしまったが、引き続き全国津々浦々の国鉄型車両を取り上げてみよう。今回は前回と同じく静岡車両区113系の話題だが、特に静岡〜豊橋間に設定されていた「通勤快速」にスポットを当ててみる。
「通勤快速」と言うからには通勤ラッシュ時間帯を中心に何本か設定されているものと思いきや、その本数は朝夕合わせてたったの1往復のみ。上りは静岡に8時32分に到着する豊橋始発の2926M、下りは同18時ちょうどに発車する豊橋行2957Mの2本が「通勤快速」として運転されていた。停車駅は静岡と島田、および島田から豊橋までの各駅で、要するに静岡〜島田間を速達する列車であった。おそらく通勤ラッシュ時間帯の最ピークに、ピンポイントで遠近分離の役割を果すような列車だったのだろう。JR東海に関しては「静岡地区の快速列車は新幹線である」などというブラックジョーク(?)があるが、このように在来線にもわずかながら快速の名のつく列車は走っていたのであった。
車両は静岡車両区の113系LL編成が使用されており、同区所属の113系における花形運用の1つであった。側面の方向幕はどういうわけか「快速静 岡」あるいは「快速豊 橋」という表示(「通勤快速」でなく「快速」表示)になっていたが、前面方向幕はしっかりと「通勤快速」を表示しており、編成こそ6両と短かったが「通勤快速」を掲げた113系の姿は凛々しかった。
当列車は2007年3月のダイヤ改正で消滅しているが、113系はそれよりも一足早く2006年10月ごろに運用撤退している。ちょうどこの頃静岡車両区113系の313系への置換えが進んでいる時期で、LL編成が廃車になってしまったためである。113系の撤退から翌年3月の当列車消滅までは211系や313系での運転であったが、時期によって211系GG編成を3本つないだ6両編成や313系TあるいはN編成などでの運転だったようで、「通勤快速」最後の半年間は車両置換えの過渡期と重なって、使用車両に目まぐしい変化があった。
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