2012.01.08
静岡鉄道では2011年10月1日の静岡清水線でダイヤ改正を実施、合わせて1000形の方向幕の交換を行なった。1000形は登場から39年経過しているが、方向幕の交換を実施するのは初めてのことだと思われる。今回はこの新方向幕について見てみよう。
今回の方向幕交換は新種別の設定に伴うものとなっている。同ダイヤ改正で登場した「急行」および「通勤急行」用のコマが新たに収録されたほか、これまで種別の表記がなかった普通列車用についても「普通」表記入りのものに改められている。また、非常用として途中駅折返し用のコマも用意されているのが特徴で、旧方向幕が全10コマだったのに対し、新方向幕は倍増の全20コマとなった。以下に新方向幕のイメージを掲載する。
1番から10番までが定期列車で使用される内容となっている。3番に新種別となる「通勤急行」が、同じく4番に「急行」が収録された。これらはそれぞれ片方向のみの運転のため、通勤急行は新静岡行、急行は新清水行のそれぞれ1コマずつの収録となっている。5番と8番、9番は区間列車用で、白地となっているのは全線通しの列車と差別化する目的があるものとみられる。このうち5番の県総合運動場行だけ「普通」の表記が異なる(四角で囲まれていない)のが気になるところである。1番と2番、6番、7番は普通新静岡行あるいは新清水行用で、新種別幕では両方向表示(新静岡-新清水)のコマだけでなく、1番に新清水単独、6番に新静岡単独表記のコマが収録された。これは、新ダイヤにおいて平日朝に県総合運動場折返し列車が設定されたことで、必ずしも新静岡行が折返し新清水行になるとは限らないためである。1番と6番の単独コマは主に平日朝に、2番と7番の両方向コマは日中時間帯に使用しているようだ。
11番と12番は種別表記のないコマとなっているが、この2コマのみ旧方向幕の体裁に合わせたものとなっており、ダイヤ改正前日までに使うためのものであった。なんとも律儀である。11番は2番あるいは7番、12番は8番で代用してもよかった気がしないでもない。
13番から16番までは臨時列車用となっている。16番に「教習車」が新しく収録された。17番から19番までは非常用となっており、途中で折返しが可能な駅での折返し列車用である。17番と18番は新静岡との両方向表記、19番のみ単独表記となっているが、桜橋と狐ヶ崎は新静岡方面からの折返ししか想定していないということだろうか。なお、この3コマについては乗務員室内に掲示してある方向幕対照表では「普通」表記となっているが、実際の方向幕は「折返」表記となっているのが大きな特徴である。
そして20番は、ダイヤ改正当初こそ極めてあやしい、どのように使うのか謎だらけのコマであったが、蓋を開けてみれば土休日セノバダイヤで運転される臨時急行「セノバ号」用の方向幕であった。ただ、このコマ、両方向表記となっているが、臨時急行「セノバ号」の記事で取り上げたように、実際の臨時急行は新静岡〜新清水を往復することはなく、新静岡と新清水での折返しが普通または回送となるために、終着駅で7番〜20番あるいは10番〜20番の変更作業を行なわなくてはならない状態で、やや効率の悪い幕順になってしまっている。このコマは11番あたりに入れておいたほうがよかったのではと思ってしまうところだ。あるいは11番と12番はやはり他のコマで代用して、新静岡と新清水それぞれの単独表記の臨時急行幕を入れておいてもよかったように思う。
新清水駅における7番から20番への方向幕回転シーンを動画で撮影出来たので、合わせてこちらも参照してほしい。→ 静岡鉄道1000形 方向幕回転シーン(YouTube)
◆ ◆ ◆
最後に、参考として旧方向幕のイメージも掲載する。
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