2012.03.10
バブルが生んだ特急、時代とともに縮小へ。
来たる3月17日のダイヤ改正において、新宿と沼津を小田急線・御殿場線経由で結ぶ特急「あさぎり」が御殿場までに短縮される。車両も小田急60000形"MSE"のみの担当となり、JR東海371系と小田急20000形"RSE"は運用撤退、1991年以前の運行形態に逆戻りしてしまう格好となる。1991年の小田急3000形"SE"の引退を機に、バブルの時流に乗ってJR東海は371系、小田急は20000形というゴージャスな車両を製作し、運行区間も延長して沼津まで運転されるようになった特急「あさぎり」。今回の御殿場短縮も残念ながら時代を反映した結果のように感じられる。
今回の御殿場短縮は、単純に利用が少ないのが原因のように思える。私は7〜8年前に1度だけこの特急「あさぎり」を新宿から沼津まで全区間を利用したことがあるが、御殿場線内はほとんど貸切状態だった記憶がある(元々利用の少ないであろう平日の5号だったとい事情もあるが)。そもそも新宿から沼津まで行くのに小田急線・御殿場線廻りでは時間がかかるということ、そして今では高速バスが台頭してきており、これ以上の利用は見込めないという判断なのだろう。折しも、371系、20000形とも営業運転開始から20年を超え、車両の更新時期に差し掛かっている頃合。特急「あさぎり」の方向を転換するのには丁度いいタイミングであった。
前述のように、3月17日からは60000形"MSE"が使用される。60000形は千代田線北千住(有楽町線新木場)から御殿場線御殿場まで、まさに愛称の通りマルチな活躍に磨きがかかる格好だ。が、裏を返せばどこへ行っても"MSE"なわけで、小田急の看板特急であるロマンスカーですらも車両の共通化が進んでいるのだと感じざるを得ない。これも時代の流れだろうか。371系や20000形のような、個性的な面々が消えていくのはやはり残念である。
なお、表題の371系は「あさぎり」の運用(と付帯するホームライナーなどの運用)からは撤退するものの、団臨用としてリニューアルされるとの報道がなされている。また20000形"RSE"についても、富士急行に譲渡される可能性がある旨の報道があった。
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