2015.09.24
バンコクの交通事情に引き続き、タイ国鉄のあれこれを取り上げていこう。まずはバンコクの中央駅、フアランポーン駅の様子をば。
フアランポーン駅はタイ国鉄の主要幹線、タイ北部最大の都市チェンマイに向かう北本線、マレーシア方面の南本線、イーサーンと呼ばれるタイ東北部に走る東北本線、カンボジアとの国境に隣接する街アランヤプラテートへの東本線の4系統が集まる駅となっている。タイの首都バンコクのターミナル駅でもあるが、タイ国鉄の運行拠点でもあるわけだ。タイ国鉄が最初に開業した区間に含まれており、当駅が開業したのは1897年のことだそう。歴史のある立派な駅である。
現在の駅の本屋は洋風の立派な建物で、正面から中に入ると大空間のコンコースが待ち受けている。コンコースは主に待合所として使われているようで、これから各地へ向かおうという人あるいはどこかから到着した人でごった返している。いかにもターミナル駅という風景が広がっている。さらに奥に進むとホームへと出る。改札口も特にないので、構内に立ち入らせていただこう。
フアランポーン駅の構内は7面14線、南側が行き止まりの端頭式ホームとなっている。コンコースから続く大屋根の下に4線、その両側に4線と6線がそれぞれくっついているという具合。北側には客車の操車場に隣接している。ひっきりなしとまではいかないが、ある程度列車の発着があって観察する分にはちょうどいい塩梅。全般的にボロい客車がゴロゴロしており、アジアの鉄道らしい雰囲気が漂っている。たまに入換で客車の連結作業も行われているが、その作業のなんとも荒いこと。客車どうしをぶつけるかのごとく、擬音で表現するならガシャ――ン! というかもはやドッカーーン!! その様子はいつかYouTubeで見た動画のままで笑ってしまった。あれはたまたまそういうシーンが撮れたのではなく、ここではまさしく日常なんだな。
そして2番線には、JR西日本から譲渡された14系・24系の姿が。その姿はもはやブルートレインではなくパープルトレイン(?)となっているが、車体のいたるところに残る日本語の表記から日本時代を偲ぶことができる。現在はバンコク〜チェンマイ間の夜行特急として使われており、今もブルートレイン本来の用途として走っているのは特筆されよう。日本では最後のブルートレインとなっていた臨時寝台特急「北斗星」が8月に廃止されてしまったが、ブルートレインが無くなってしまって寂しい! とか、ブルートレインにもう1度乗りたい! とか思っている方は、ぜひともタイへの渡航を検討されてみてはどうだろう。
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