2015.06.08
バンコクの交通事情、その3はバスである。

バンコクのバス
2015.02.12/แยกราชประสงค์
バンコクのバスはいかにも前時代的である。前回まで取り上げた軌道系の交通が比較的新しいということもあってとても使いやすいのとは対照的。車両はボロく、エアコンの無い車両も当たり前のように走っている。停留所には路線図等の掲示が無いどころか、停留所名称の掲示もないというありさま(そもそも停留所名称が設定されていない可能性もアリ)。加えて、運転手の判断で運行経路が変わることすらあるというもんだから、もうむちゃくちゃである。
そんなバンコクのバスだが、バンコクでは都市の規模に対して軌道系の交通がまだまだ貧弱ということで、路線バスの果たす役割は非常に大きい。路線バスはバンコク都内を密のように走っており、日々バンコクの人々を運んでいる。バンコクの日常が詰まってる乗り物と言えよう。路線バスを使いこなせるようになれば非常に便利なだけでなく、よりバンコクという街を楽しむことができること請け合い。そしてここは海外、日本と同じようなシステムのバスに乗ったって面白くあるまい。アナウンスがなかろうがボロかろうが何だろうが、そういうところも含めて楽しまなくちゃ海外に出かけてきた意味がないというもの。

バンコクのバス
2015.02.12/วัดพระเชตุพนวิมลมังคลารามราชวรมหาวิหาร
路線図
まずはバスがどこをどのように走っているかを把握するために、路線図を入手してみよう。路線図は、運行事業者や行政による公式的なものはないようだが、地図等を発行している出版社が製作しているものが現地の大型書店等で手に入る。私が手に入れたのはTHINK NETという出版社の路線図で、99バーツであった。このほか、バンコク在住の日本人向けフリーペーパーを作っているDACOという出版社もバス路線図を発行しており、その巻末にくっついている写真付き行先リスト(車掌に指差しで目的地を伝えられる)は、不慣れな日本人旅行者にとって心強い味方となろう。
バンコクのバスが外国人に対して救いがあるとすれば、路線毎に路線番号が振られていることだろうか。バスの車体にアラビア数字で番号が掲示してあり、それを頼りにしてバスに乗るわけだ。上記の路線図においても、路線番号とともに運行経路が示されており、そういう意味では分かりやすいシステムになっているのかも。これで番号が無くてタイ語による行先表示だけだったら終わってるところである。あんな謎の模様にしか見えないタイ文字の識別はいくらなんでもキツいって・・・。

バンコクのバス
2015.02.12/แยกราชประสงค์
運賃
運賃はバスの種類に依存しており、これが非常に分かりづらい。みな同じようにバンコクを走っている路線バスだが、まず公営バスか民営バスかで運賃が異なり、さらに、エアコンが付いているか付いていないかでも運賃が異なるという体系。例えば、エアコンのない公営バスは均一6バーツだが、エアコンの付いているエアコンバスは乗車距離によって8〜30バーツとなっている。これらとは別に、ミニバスやメトロバスと呼ばれるタイプのバスもさらに別の料金体系になっているのだからもう大変である。いちおう、バスの種類に応じて塗装が異なっているとのことだが、そんなもんいちいち覚えられるかい!
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