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2015.11.29

京成電鉄では、12月5日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、京成電鉄と直通各社局のプレスリリース、および12月1日発売の京成時刻表Vol.27-2(12月5日ダイヤ号)などを参照しながら、変更点を考察してみよう。

本稿では、2014年11月8日におけるダイヤを「現行ダイヤ」、2015年12月5日におけるダイヤを「新ダイヤ」などと記すことにする。

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京成AE100形 AE-138編成
2011.12.4/関 屋

▲ついに定期運行が終了となるシティライナー
1.特急「シティライナー」の定期運行終了

ここ数年ダイヤ改正のたびに運転本数が減らされてきた特急「シティライナー」だが、いよいよ定期運行が取り止められる。ただし、ダイヤ改正のプレスリリース等において「定期運行の取り止め」という表現が使われている通り、廃止ではなく、シティライナーそのものは正月の多客対応などのために残存する模様。現行ダイヤにおける土休日の定期シティライナー81号、84号のスジが不定期列車となるようで、新ダイヤの京成時刻表で現行ダイヤのシティライナーの時刻を追ってみると、いくつかの駅でカラ待避している列車があるのがわかる。従来の臨時シティライナーであった83号、82号のスジは消滅している模様である。

これにより、AE100形の定期運用が消滅することとなった。AE100形の処遇はまだ明らかになっていないが、新ダイヤでの臨時シティライナー用として残るのか、それとも・・・といったところが注目される。

2.モーニングライナーおよびイブニングライナーの船橋停車

モーニングライナーおよびイブニングライナーの停車駅に船橋が追加される。船橋に停車しているシティライナーの定期運行終了を受けたもの。合わせてモーニングライナーとイブニングライナーは全席指定制に変更される。ライナー券の料金は従来通り410円で変わらない。

モーニングライナーは八千代台以東が事実上の乗車専用、青砥以西が降車専用(イブニングライナーはその逆)ということもあって号車指定の定員制で運転されてきたが、どっちともとれない船橋が停車駅に加わることにより、全席指定席へ変更になるものとみられる。AE形の列車が定期的に船橋に停車するようになるのは初めて。

3.上りアクセス特急の増発

22時台に上りのアクセス特急が1本増発される。増発されるアクセス特急は成田スカイアクセス線上り終車の1本前に設定され、合わせて終車も16分繰り下がる。アクセス特急が増発されるのは2010年7月の成田スカイアクセス線開業以来初めてのことで、成田空港におけるLCC到着便の多い夜間時間帯のダイヤが少しばかり強化された格好だ。

運用としては、早朝に京成本線を上っていた408K回送を前日の夜に成田スカイアクセス線を走るものとして振替えた格好となっている。そのため、京成本線高砂〜宗吾参道間を走るアクセス運用が消滅となる。

4.京成本線関連

ダイヤ修正ということで、内容は一部列車の時刻変更にとどまっているが、一部の列車において運用の受持ちが変更されており、京急車の京成本線乗入れが見られるようになるのが特筆される。従来は北総線方面に走っていた81H運行が高砂から西馬込〜佐倉間の運行系統に入るようになるためで、2010年7月ダイヤ改正で消滅していた京急車の京成本線運用が約5年半ぶりに復活することとなった。

久々となる京急車の京成本線運用では、京成本線ではあまり見かけることのない三崎口行(1680H)に目が行きがちだが、より注目したいのは西馬込行(1180H)。京成本線から京急車の西馬込行が設定されるのは初めてのことになる1)。なお、京急車の快速西馬込と快速三崎口行はともに成田スカイアクセス線開業以後も高砂始発の列車として設定されていた時期があるので、種別行先の組合せとしては約3年ぶりとなる。

5.北総線関連

北総鉄道では、平日夕方〜夜間のダイヤを大きく変更しており、下り特急の新設を含めたダイヤ改正を行う。新設となる下り北総特急は、京成のアクセス特急がおおむね60分間隔となる20時以降にアクセス特急を補完する形で4本が設定される。アクセス特急と北総特急は合わせて約30分間隔で運転される。

下り北総特急は都営車3本、京急車1本での運転となっており、北総車での運転がないのが少々残念。京急車が北総線内を特急で走るのは初となる。これらは都営浅草線内から特急として運転されるため、約9年ぶりに都営浅草線から京成線方面に特急が走ることにもなる。

一方、これまで下り北総線方向の優等列車として走ってきた北総急行は運転規模が縮小となり、18〜19時台に運転される3本のみとなった。京成線内の快速運転も取り止められており、北総車と都営車で見られた快速印旛日本医大行が消滅となる。これに対し、一部の北総線列車と京成線方面快速特急・通勤特急を高砂で接続するようにし、北総急行の京成線内快速運転取り止めを補っている。

北総線下り方向の優等列車は現行ダイヤより3本増えて7本となった。ただし、高砂を発着する北総線列車の総本数は変わらないので、特急と急行の通過駅においては列車本数が純減となっている。これについては18時以降、5~23分間隔と不均等となっていた普通列車の運転間隔を概ね15分毎に均等化するなどして、利便性が低下しないような工夫が盛り込まれている。

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北総7260形 7268編成
2014.7.22/立 石

▲見納めとなる北総車の快速列車。7260形も充当することがあった
6.新京成線関連

新京成では、6~7時台のくぬぎ山~新津田沼間で1往復分の増発を行う。くぬぎ山6時20分発〜新津田沼6時55分発の列車がこの増発分に相当しており、従来はくぬぎ山7時21分発松戸行として出庫していた運用の出庫が1時間ほど早まっている。

◆ ◆ ◆

以上、12月5日のダイヤ修正をざっくりと概観した。今回はダイヤ修正ということで特にこれといって大きな変化はないが、やはり珍列車と呼べるような列車も多数現れているので、それは別途紹介していくことにしよう。

  • 1)京成本線からの京急車の快速西馬込行は過去にも走っているが、いずれも代走としての運転だったので、これはまた別の話。

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