2016.01.26
タイ国鉄メークロン線その3。メークロン線のマハーチャイ〜バーンレーム間は大きな川によって線路が分断されており、この区間は徒歩と渡船にて連絡を行なう。メークロン側で乗る予定なのはバーンレーム駅8時5分発の列車。1日に3往復しか運行のないメークロン側のこの列車を逃してしまうとこの日のスケジュールは崩壊必至なので、なんとしてでも間に合わなければならない。
マハーチャイ駅から渡船のりばへは、駅前の商店街を抜けていく。マハーチャイは港町の様相を呈していて、活気のある商店街からは魚介類のにおいがそこらじゅうから匂ってくる。人の多さから察するにそこそこ大きい街のようだ。マハーチャイの街そのものも面白そうでいろいろと見て回りたい気持ちもあるが、いかんせん時間に余裕がないので今回はスルー。5分ほど歩いて渡船のりばに着いた。
渡船はフラットな床に屋根をつけただけのシンプルなもので、船内は申し訳程度のベンチとただだだっ広い空間がひろがるのみ。バイクや自転車にまたがったまま乗船できるようにしているためのようである。ラッシュ時間帯ということで2隻の船が互いに反対方向に行ったり来たりしている。ラッシュの方向はバーンレーム側からマハーチャイ側のようで、向こう岸に大量のバイク客を乗せた船が見える。こちらはガラガラなので、向こう側の乗船完了を待って出航だ。10分もかからずにあっさりと対岸の船着場に到着。乗船料金は5バーツであった。
バーンレーム側の渡船のりば1)から、これまた商店街の細い路地を抜ける。交差点に出て地図とにらめっこしていると、地元の人が駅はあっちだよと教えてくれた。タイの人はやはり親切である。あとはバーンレーム駅までまっすぐ歩くのみ。5分ほど歩いて本当に駅がこっちのほうにあるのかどうか不安になりかけるが、それでも構わずに進むと急に駅が現れる。時刻は7時55分、間に合った。
◆ ◆ ◆
バーンレーム側はマハーチャイ側の喧騒とはうってかわって静か。たまたまそうだったのかもしれないけど、人の姿がほとんどない。バーンレーム駅も街の外れにあるということもあって、ずいぶんと閑散とした駅である。それでもメークロン線のメークロン側の運行拠点の1つとなっており、駅員も常駐している。メークロンまでの乗車券を出してもらったが、フアランポーン駅やウォンウィエンヤイ駅で出してもらったものと同じ様式のものが発券され、こんな小駅ながらもタイ国鉄の乗車券発行システム(?)にオンラインで繋がっているようだ。
バーンレーム駅の構内はややカーブした1面1線となっており、駅のすぐメークロン寄りに車両交換用の短い側線が1本設けられている。本線上にジャッキアップ装置が備え付けてあり、これを使ってメークロン側に閉じ込められている車両の検査を行なうようである。このほか線路の終端側に予備の気動車2両が留置されていたほか、線路の終端で脱線したまま放置されている無蓋貨車の姿があった。
それにしても、線路がずいぶんとヘロヘロなのが気になるところである。これからこのヘロヘロな線路の上を走る列車に乗って、メークロンまで向かうのである。
- 1)バーンレーム駅のすぐそばにも船着場があり、列車の時刻に合わせて運航する渡船があるらしいのだが、そちらのほうはよくわからず。
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