2017.08.30
東洋バスの子会社である千葉シーサイドバス。同社に所属する車両は東洋バスからの移籍車が多数を占めているが、自社で導入した車両もわずかながらに存在する。その中の1台、2682号車を紹介しよう。
千葉シーサイドバス2682号車は、2009年に導入した西工ボディの中型車である。三菱ふそうのヘヴィユーザーである東洋バスグループらしく、日産ディーゼルのスペースランナーRMではなくそのOEM版であるエアロミディSとしての導入で、型式はPDG-AR820GAN。前述のように千葉シーサイドバスが自社で導入した車両で、特徴は何と言っても同社のオリジナルカラーとなっている点である。仕様は同時期に東洋バス本体に導入された同型の車両に準じているが、千葉シーサイドバスオリジナルカラーの中型車は唯一無二の存在。導入当初は千葉200か2123のナンバーで、2123号車として東洋バスからの移籍車に混ざって運用に入っていた。
唯一の自社発注かつオリジナルカラーの中型車ということで、同社におけるエース的存在になるかと思われた。・・・が、2123号車は2011年に突如として東洋バス本体に移籍。ナンバーもきちっと習志野200か1334に付け替えられて東洋バスの1334号車ということになり、ここに千葉シーサイドバスカラーの東洋バスというよくわからない車両が登場することになった。東洋バスではフルルガーデン八千代のユーカリが丘地区へのお買物バスとして、約2年ほど使用された。
2013年になって同車は千葉シーサイドバスに再度転属し、2498号車(千葉200か2498)として復帰。ただし、一般路線に戻ることはなく、今度はイトーヨーカドー幕張店のお買物バスとして使われることになった。さらに同年11月には同店の「ぷんぱに☆バス1)」ということになり、これに合わせたラッピングを実施。千葉230あ2682の希望ナンバーを取得し、2682号車ということになった。希望ナンバーにしては少し中途半端な数字に見える2682は、「ぷんぱに」の語呂合わせである。
普通であれば、唯一の自社発注かつオリジナルカラーの中型車という存在は必ずや虎の子になりそうなものだが、その唯一の存在というのが逆に仇となったのか、少し波瀾万丈な人生を送っている2682号車。せっかくのオリジナルカラーも現在はラッピングで隠されてしまっており、やや不遇な扱い。ただ、千葉シーサイドバスの路線の設定のない幕張本郷周辺や幕張ベイタウン、検見川地区で見かけることができるのはお買物バスという役得だろうか。毎日同じ時間に決まったコースを走っているので、捕まえやすい存在になっている。
- 1)「ぷんぱに」とは、イトーヨーカドーの長田さんという方が考案した、笑顔の作り方らしい。
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