KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2018.02.20

平日853は4両編成で運転される普通成田行である。

D28631.jpg

京成3600形 3668編成
2017.8.9/うすい〜佐倉

▲普通成田行として走る京成3600形3668編成
  • [平日]853 普通成 田行
  • 始発:京成津田沼836 → 終着:成 田913
  • ダイヤ:2016.11.19修正
  • 備考:

たびたび話題にしているように、京成電鉄ではここ数年で4両編成の列車の削減を行っている。特に2014年11月ダイヤ改正と2016年11月ダイヤ修正では3500形の編成組換えにより4両編成の減+6両編成の増が実施され、4両編成の終日運用は金町線を除いて消滅。さらに、2017年11月ダイヤ改正では夕方以降に出庫する4両編成の運用もなくなり、4両編成は金町線+αという必要最低限な程度にまで至っている。いまや4両編成というだけで貴重な存在といっても言い過ぎではなさそうな状況だ。

そういうわけなので、ここ数年で4両編成の列車の状況は目まぐるしく変わっている。過去に4両編成の珍列車として普通うすい行普通大和田行をご紹介したが、こういった列車が現れては消えていった。そして、今回ご紹介する853普通成田行もこういう状況の中で新しく設定された4両編成の列車である。4両編成が必要最低限までに減らされた2016年11月ダイヤ修正で登場したものとなっている。

853は京成津田沼を8時36分に出発する列車だが、これはもとより10時台前半に京成津田沼→宗吾参道で設定されていた回送列車の運転時刻を早めて営業列車化した格好のものと言える。前述のように6両編成を増やした2014年11月ダイヤ改正と2016年11月ダイヤ修正では単純に3500形の編成組換えで対応したので、編成の数としては1本ずつ、合わせて2本が減ったことになる。編成の数が減ればその分だけ運転できる列車が減るので、何もしなければ減便となってしまうはずだが、停車時間や折返し時間を削ったり回送列車を営業列車化したりして減便になるはずの分を何とか捻出し、補填。それでも多少の減便になってしまった箇所が生じてしまったものの、4両編成の減+6両編成の増の裏ではこういった涙ぐましい努力がなされていたのである。

そんなような流れで設定された4両編成の普通成田行は、現行ダイヤにおいて京成津田沼〜宗吾参道間で4両編成に乗れる唯一の列車になっているので、やはり貴重な存在である。とは言え、この列車も前述の普通うすい行や普通大和田行のようにいずれは消え行く存在なのか・・・というとそうではなく、むしろ4両編成が必要最低限にまで減らされたことで逆に安泰そうな感じ。現行ダイヤにおいて京成津田沼以東の京成本線を下る4両編成はこの1本のみであり、京成本線や千葉・千原線、金町線方面に出ている4両編成を宗吾車両基地に戻す役割を兼ねているためだ。4両編成については老朽化してきている3500形の後継となる車両もそろそろ欲しいところだし、今後どうなっていくのだろうか。

関連記事

四直珍列車研究 97 - 平日 2472H・土休日 2462H

平日2472Hレ、土休日2462Hレは京急車の普通浅草橋行である。以前の記事でもご紹介したように、京成押上線の上り終電は普通浅草橋行というこの列車でしか見られない珍列車として運行されている...

四直珍列車研究 97 - 平日 2472H・土休日 2462H
四直珍列車研究 95 - 平日 2370H

平日2370Hレは成田スカイアクセス線上り最終のアクセス特急金沢文庫行である。2017年10月28日に実施された京成線のダイヤ改正は、成田空港アクセスの需要増に対応して、同空港への更なる利便性向上...

四直珍列車研究 95 - 平日 2370H
四直珍列車研究 94 - 平日 2324・土休日 2320

さて、まもなくダイヤ改正が行われる。ということで、恒例ながらダイヤ改正で消えてしまう珍列車を取り上げてみよう。平日2324レ・土休日2320レ、成田空港始発の京成津田沼行である。京成本線...

四直珍列車研究 94 - 平日 2324・土休日 2320
四直珍列車研究 93 - 平日 1620H

平日1620Hはかつて平日に走っていた快速三崎口行である。成田スカイアクセス線開業に伴う2010年7月ダイヤ改正で登場した列車である。京成本線から都営浅草線に直通する快速は、夕方くらいに以降の...

四直珍列車研究 93 - 平日 1620H
四直珍列車研究 92 - 平日 1011K

アクセス運用では唯一の快速特急。京成電鉄では、2014年11月ダイヤ改正で日中時間帯における高砂発着の押上線普通列車の一部の快速特急への格上げを実施。40分毎に運転されるエアポート快特〜...

四直珍列車研究 92 - 平日 1011K

最新記事

2025.03.31

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

2025.03.24

京成3200形 営業運転開始

まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...

京成3200形 営業運転開始

2025.03.17

さようなら JR東日本E217系

さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...

さようなら JR東日本E217系

2025.03.12

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化

京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...

京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化