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2017.08.06

アクセス運用では唯一の快速特急。

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京成3050形 3055編成
2017.7.25/四ツ木

▲快速特急高砂行として走る京成3050形。現行ダイヤでは快速特急高砂行は平日に2本のみの設定で、このうち京成車はこの写真の1本だけ
  • [平日]1011K 快速特急高 砂行
  • 始発:羽田空港国内線ターミナル1041 → 終着:高 砂1131
  • ダイヤ:2014.11.8改正
  • 備考:品川まで快特、押上までエアポート快特

​京成電鉄では、2014年11月ダイヤ改正で日中時間帯における高砂発着の押上線普通列車の一部の快速特急への格上げを実施。40分毎に運転されるエアポート快特〜アクセス特急系統の谷間に、青砥〜羽田空港間を京成線内快速特急、都営浅草線内エアポート快特、京急線内快特で走る新しい運行系統が登場した。今回ご紹介するのはこの運行系統における珍列車である。

この運行系統では青砥発着が基本になるところ、平日の1011Kと1429Tの2本だけ高砂行として運転されている。快速特急高砂行はこの2本のみの設定という珍列車。このうち1429Tは夕方のラッシュ時間帯に移行するタイミングの列車なのでイレギュラーなパターンになるのはわからんでもないのだが、気になるのは1011K。既に日中時間帯のパターンダイヤが始まっている11時台に1本だけポツンと高砂行として下ってくる。日中時間帯のパターンダイヤの中を走る珍列車というのは、珍列車の出現の仕方として珍しい。いったいどうなっているのやら。

1011Kを高砂行として運転しなければならない理由は単純で、車両を高砂に入庫させるためである。列車番号が示すように、この列車はアクセス運用となっている。3050形を夕方からの上野発着のアクセス特急で使用するために、高砂検車区で待機させておくことが必要があるというわけだ。​また、11K運行をこのタイミングで入庫させないと、3050形が青砥〜羽田空港を走り続けることになってしまう。​3050形は成田スカイアクセス線を走るための車両なので、本来の用途から外れる運用をさせたくないということで810Kで羽田空港まで行って帰ってきたところでの入庫になっているものとみられる。

​11K運行のこのタイミングでの高砂入庫は、2014年11月ダイヤ改正でこの運行系統が青砥発着の快速特急になる前の高砂発着の普通だった時から行われていた。その頃は他の列車も高砂止まりなので大して目立たなかったが、快速特急格上げ+青砥発着化でも1011K(と1429T)だけ高砂行のままの運転となったので、嫌でも目立つようになった。要するにもとより3050形の間合い運用だったものがたまたま快速特急化して一気に珍列車になってしまったということである。3050形の間合い運用は高砂発着の列車を中心にいくつか設定されているが、快速特急で走るのはこの1011Kが唯一の事例となっている。

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