KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2019.07.18

祝・成田スカイアクセス線9周年。

X75543.jpg

京成3050形 3054編成&3052編成
2019.7.5/東松戸

▲2010年7月の成田スカイアクセス線開業に合わせてデビューした京成3050形。正式には3000形7次車となるが、付番やデザインなどで通常の3000形とは別物として扱われてきた

2019年7月17日に、成田スカイアクセス線は開業から9周年を迎えることとなった。都心〜成田空港の最速ルートとなる成田スカイアクセス線の利用者数は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で若干の落ち込みがあったものの、その後は順調に推移。2018年10月にはスカイライナーの利用者数が過去最速のペースで3000万人を達成したほか、今年度はAE形を1編成増備してスカイライナーの運転を終日にわたり20分間隔とすることが決定しているなど、まさに順風満帆といった感じになっている。

そんな中、先行きがなんとも分からなくなってきたのが3050形だ。その原因は、新型車両3100形。今年度中に新型の通勤型車両が登場することはかねてより明らかにされていたが、4月になってついにベールを脱いだその新型車両は成田スカイアクセス仕様の3150番台(3150形)として登場するっていうのだから、3050形としては困っちゃうわけなのである。

D32334.jpg

京成3050形 3054編成
2019.7.5/立会川

▲京急線内をエアポート快特として走る3050形

成田スカイアクセス線の一般車運用は開業時から01K運行〜11K運行の6本1)が設定されており、専ら成田スカイアクセス線用に新造した3050形が使用されている。これに対して、3050形の在籍本数は6本。なにもなければこの6本の編成がフルに使用されるが、予備車がないので3050形の検査時や3050形が何らかの理由で所定の運用から外れた時は3000形あるいは3700形が代走してこれを補っている。3050形については東日本大震災以降、なし崩し的に京成本線の運用に入る機会が増えていたが、2018年12月ダイヤ修正で運用が再び厳格化された模様で、それ以前と比較すると京成本線を走る機会は少なくなっている。

以前の記事でも記したように、アクセス特急の増発が行われる可能性は低いものとみられる。京成電鉄の発表で、AE形の増備についてはスカイライナーの増発が合わせて謳われているものの、3150形ではアクセス特急用の新型車両ということしか触れられていないためだ。3150形がアクセス特急増発用の車両であるならそういうふうな言及があってもよさそうところだが、そうではないあたりがアクセス特急増発の可能性の低さを示している。

ここに、3150形が入ってくれば成田スカイアクセス線の勢力図が変わってくることは必至であろう。アクセス特急の増発がなければ運用数は6本のままであろうから、3150形導入によって3050形はあぶれてしまうことになる。前述した、困っちゃうというのはそういうことである。もちろん、運転を開始してから9年そこらの3050形をそのまま廃車にするはずはないので、京成本線に転用して老朽化している3600形を置換えるなど使い道はいろいろあるだろうけど、こうなった場合、3150形の導入は3050形の転機にもなりそうだ。

なお、3150形については3152と思しき編成が金沢八景の総合車両製作所(J-TREC)の外から見える位置に出てきているらしく、さまざまな目撃情報が挙がっている。なにやらまもなく出場しそうな雰囲気になっているということのよう。3150形の導入やスカイライナーの大増発で成田スカイアクセス線にとっての2019年は大革変の年となりそうだが、一方で3050形はどうなるだろうか。

  • 1)夏休みなどのシーズンに不定期列車として13K運行が設定されたこともあったが、いずれも所要の本数は6本となる。
  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成電鉄「2019年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも13日の夕方に発表があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。今年度は...

京成電鉄「2019年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
新型車両 京成3100形(3150形)を考察する

ついにベールを脱いだ京成電鉄の新型車両、3100形(3150形)。京成電鉄では、かねてより2019年度中における新形式通勤型車両の導入を明らかにしていたが、このほどその新型車両が3100形として...

新型車両 京成3100形(3150形)を考察する
京成AE形「ありがとう3000万人」ヘッドマーク

祝、3000万人。京成電鉄では、10月下旬よりAE形AE7編成に「ありがとう3000万人」ヘッドマークの掲出を行っている。2010年7月の成田スカイアクセス線開業による新型スカイライナーの...

京成AE形「ありがとう3000万人」ヘッドマーク
京成線 夏季繁忙期に合わせた臨時アクセス特急を運転

夏休みにアクセス特急に乗ってもらおう大作戦。京成電鉄では、8月1日より臨時のアクセス特急の運転を開始した。夏季の繁忙期に合わせた列車となっており、上下1本ずつ、下りは早朝5時18分上野発の...

京成線 夏季繁忙期に合わせた臨時アクセス特急を運転
京成線 2010年7月17日ダイヤ改正 祝・成田スカイアクセス開業

ついに・・・この日がやってきた。成田スカイアクセス線の開業である。この記念すべき日をどのように迎えようかと思案したが、京成好きの端くれとしてここはやはり新生スカイライナーの1番列車である...

京成線 2010年7月17日ダイヤ改正 祝・成田スカイアクセス開業

最新記事

京成線 2024年11月23日ダイヤ修正

京成電鉄では、11月23日にダイヤ修正を行う。今回のダイヤ修正について、プレスリリースや15日発売の京成時刻表Vol.33などで明らかになっている情報を基に、その内容を見てみよう。本稿では...

京成線 2024年11月23日ダイヤ修正
四直珍列車研究 134 - 平日 1681K

京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)

空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...

京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える

都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...

都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」

「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...

船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」