2019.09.12
千葉シーサイドバスが船橋市・市川市内を走る。

千葉シーサイドバス 2644号車
2019.8.23/イオンモール船橋
千葉市花見川区に本社を構え、総武線の幕張駅を中心に路線バスを走らせている千葉シーサイドバス。そんな千葉シーサイドバスが船橋市や市川市内にも路線を展開していることをご存知だろうか。船橋や市川と言えば京成バスや新京成バスなど京成グループの牙城だが、そんなエリアのどこに千葉シーサイドバスが走っているかというと、表題のイオンモール船橋シャトルバスがそれ。千葉シーサイドバスでは、東武アーバンパークライン新船橋駅前にあるイオンモール船橋を基点に4つの路線を走らせている。各路線の概要は次のとおり。
- 金杉台コース:イオンモール船橋〜夏見台団地入口〜市立体育館〜金杉台団地中央
- 西船橋コース:イオンモール船橋〜京成ガード下〜西船橋駅入口
- 行田・藤原・柏井町コース:イオンモール船橋〜行田公園〜前貝塚〜柏井町1丁目
- 行田・古作町コース:イオンモール船橋〜行田公園〜古作3丁目〜印内1丁目〜行田〜イオンモール船橋

イオンモール船橋シャトルバス 路線図
イオンモール船橋のバス停は同モール駅側エントランス前に設けられている。大型のショッピングモールによくあるお買い物バスにしか見えないのだが、道路運送法に基づくれっきとした路線バスとなっている。運賃は大人100円、小人と65才以上50円。千葉シーサイドバスが発行する「路線バス全線乗り放題シルバーパス」は使うことができない。バス停もお買い物バスにありがちな目印などといったものではなく、路線バスであるから時刻表を掲示したポールが各所にきちんと建てられている。
イオンモール船橋シャトルバスが路線バスとして運行を開始したのは、同モールのグランドオープンから5ヶ月後となる2012年9月のこと1)で、当初は金杉台コースと西船橋コースのみの設定であった。その後、2013年11月に行田・藤原・柏井町コースと行田・古作町コースを追加で開設。以来、上記の4コースでの運行となっている。シャトルバスの運行はイオンモール船橋の要請を受けたもので、千葉シーサイドバスとイオンモール船橋とで輸送契約を結んでいるという。
車両は東洋バスから転入した千葉200か2633(2633号車)と千葉200か2644(2644号車)の2台が専用車として用いられており、2633号車が金杉台コースと西船橋コースを、2644号車が行田・藤原・柏井町コースと行田・古作町コースをそれぞれ担当している。このほか、過去には千葉200か1878や無料の試行運行期間中にはマイクロバスが使われていたこともあったようだ。専用車といっても特別なラッピングがされているわけでもなく、写真のとおり千葉シーサイドバスの一般的なカラーリングの車両が走る。しかし、このことが千葉シーサイドバスが船橋市・市川市内を走るという風景を作り出している。

千葉シーサイドバス 2633号車
2019.8.23/イオンモール船橋

千葉シーサイドバス 2633号車
2019.8.23/金杉台団地
というわけで、千葉シーサイドバスが船橋市・市川市内を走るという面白い光景が展開されているのだが、残念ながらそれもまもなく見納めとなるようだ。千葉シーサイドバスはイオンモール船橋シャトルバス全4路線の廃止を発表しており、9月20日をもって同社による運行は終了となる。廃止の事由は、深刻な運転士不足のためとのこと2)。9月21日以降、シャトルバスは京成バスと船橋新京成バスがコースやダイヤの一部を改変して運行する予定となっている。
- 1)運行開始は同年7月だが、9月中旬まで試行運行として無料であった。
- 2)国土交通省関東運輸局報第1730号(2019年4月11日発行)
- 東洋バス
- タグはありません
関連記事
東洋バス2095号車 いすゞエルガミオ2KG-LR290J3
東洋バスにいすゞエルガミオが初登場。当Webサイトでも再三にわたりお伝えしているように、東洋バスにおける2018年は特異な年であった。同社の創立70周年ということもあり、これを記念した路線バス...
東洋バス70号車 創立70周年記念の復刻塗装車両
祝・東洋バス創立70周年。今年で創立70周年を迎えた東洋バス。当Webサイトでもご報告したように、これを記念したツアーが東洋バスと千葉シーサイドバスで合わせて3回開催されてきたところである...
千葉シーサイドバス「中・大型ツーステップバスで行く車庫めぐり」ツアー開催(前編)
今年でめでたく創立70周年を迎えた東洋バス。これを記念したツアーとして、4月29日には「227号車で行く路線バスの旅」が、つづいて8月25日には「同 八王子編」がそれぞれ催行されたところである...
東洋バス「227号車で行く路線バスの旅」ツアー開催(前編)
東洋バスで羽田空港にレッツラゴー(死語) 太平洋戦争の終結間もない1947年に産声をあげた東洋バスは、今年でめでたく創立70周年を迎えることとなった。同社の公式Webサイトにおいてもたいへん...
東洋バス1107号車 三菱ふそうPDG-AJ820NAN
東洋バス1107号車は2009年に導入された中型ロング車である。型式は三菱ふそうPDG-AJ820NANで、スペースランナーJPのOEM版のエアロミディSである。当時、三菱ふそうでは日産...
最新記事
2025.03.31
新京成線 新津田沼駅の0キロポスト
歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...
2025.03.28
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了
京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...
- 京成
- タグはありません
2025.03.24
京成3200形 営業運転開始
まさに「令和の赤電」。2月22日、京成電鉄の新型車両3200形デビューした。2024年度導入分の6両が、3204+06-05という編成を組んで6両編成として運用に入っている。遅ればせながら...
2025.03.17
さようなら JR東日本E217系
さようなら、E217系。3月15日、JR各社を始めとした3月の全国的なダイヤ改正が実施された。列車や車両が新しく生まれ、または消えていく。そんな季節が今年もやってきた。JR東日本の横須賀・総武...
2025.03.12
京急600形・2100形 側面の行先表示器をLED化
京急600形と2100形、側面の行先表示器がLEDになる。京急600形と2100形で、側面の行先表示器のLED化が進んでいる。2024年10月下旬にLEDとなった602編成と607編成、2157...