2019.09.24
京成AE形の行先表示に小変化。
9月中旬よりAE形の行先表示が改修され、その表示内容に変化が見られている。今回のAE形の行先表示改修でのポイントは、1.従来の経由表示に代わって全席指定という表示が追加されたこと。2.上野など「京成xx」が正式名称の駅について、その正式名称を表示するようにしたこと、の2点。
経由表示に代わり「全席指定」を表示
従来、AE形では「種別行先(日本語)→種別行先(英語)→経由」という表示を行っていたが、これを改めて「種別行先(日本語)→種別行先(英語)→全席指定」というふうに表示するようになった。経由表示も全席指定の表示もそれぞれ別の観点から誤乗車防止のためのものとなるが、今回の行先表示改修では経由する線区よりもライナー系列車が有料特急であることを重視したということのよう。
なお、経由表示はそれぞれの列車である地点を過ぎると表示されなくなっていた1)が、全席指定の表示は始発駅から終着駅までの全区間で表示されるようになっている。
正式名称の駅名「京成xx」を表示
京成では、正式名称が「京成xx」の駅でも案内等では「京成」を省略したものが使用されていることは広く知られているところである。例えば、京成上野は上野、京成佐倉は佐倉などとし、それらは駅名標や停車駅案内、方向幕などさまざまな箇所において適用されている。ところが、今回のAE形の行先表示の改修では、行先について省略された駅名ではなく「京成」を冠した正式名称を表示するようになった。冒頭の写真のように、上野行は「京成上野」と表示されるようになった。
「京成上野」のほかにもイブニングライナーで見られる成田も「京成成田」に改められていたことから、AE形が表示可能な行先である高砂、小岩、船橋、津田沼、佐倉もそれぞれ「京成xx」の表示になっているものとみられる。
駅名に「京成」を冠するようになったのは1931年(昭和6年)11月のことで、日暮里駅開業に伴う国鉄線との連絡運輸の開始により、全国に同一駅名がある場合に混同を避けるための措置であった。ところが、前述のように京成では「京成」の冠称を省いたものを案内等で使用しており、行先表示も方向板の時代から一貫して省略表記としてきた。正式名称である「京成xx」が行先表示として採用されるのは、今回のAE形が初めての事例と思われる。
となると、やはり気になってくるのは、「京成」表記を省略した方向幕を使用している通勤型車両も、いずれAE形のように「京成xx」の行先表示になるのかどうかというところ。京成は今年に入ってから制作物に「京成」を冠した正式な駅名を積極的に使っているフシがあり2)、これが意図的なものだとすれば通勤型車両への採用という可能性もなくはなさそう。はたして・・・?
行先表示の改修は11日より開始され、15日には完了していた模様。今年度の新造車両となるAE9編成(19日より営業運転開始)は新造時より改修仕様の行先表示になっていたようなので、既にAE形全編成が新しい内容の行先表示をするようになっている。
- 1)例えばスカイライナーの「成田スカイアクセス線経由」表示は、下り列車は日暮里を過ぎると、上り列車は空港第2ビルを過ぎると表示されなくなり、行先種別(日本語)と行先種別(英語)だけの交互表示となっていた。
- 2)『京成グループ要覧2019』に掲載されている停車駅案内や3月に更新された大久保駅の駅名標など。
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