2020.07.26
祝・成田スカイアクセス線10周年。
成田スカイアクセス線が10周年ということは、開業に伴い新設されたアクセス特急も10周年というわけである。アクセス特急はスカイライナーほどの華やかさはないものの、成田スカイアクセス線の一般列車として同線になくてはならない存在となっている。前回の記事ではスカイライナーの10年間を振り返ったので、今回はアクセス特急の10年間の歩みを簡単に見てみよう。
アクセス特急の10年間
アクセス特急は10年で1.5往復分の増となっている。成田スカイアクセス線ではスカイライナーの躍進ぶりが目立つが、増発したのは実はアクセス特急の方が先。繁忙期の臨時列車という格好で、2012年8月から夏休み期間を中心に1往復分のアクセス特急を走らせたのが、成田スカイアクセス線における初めての増発になった。この臨時列車は2016年11月ダイヤ修正で定期列車に昇格している。残りの0.5往復分の増発は2015年12月ダイヤ修正での実施で、京成本線経由の回送列車を振り替えたものだった。
このほか、アクセス特急にとっては2012年10月ダイヤ改正も大きなダイヤ改正であった。このダイヤ改正では、京急線京急蒲田駅付近の高架化完成に関連して、日中時間帯のアクセス特急の運行パターンを一新。それまで生じていた根古屋信号所での列車交換が解消し、所要時間の大幅な短縮が図られた。その後のダイヤはこの2012年のダイヤがベースとなり、京成本線特急との接続改善や早朝・深夜帯の拡充を経て現在に至っている。
なお、当初は都営浅草線内をエアポート快特として走る上りアクセス特急に対して、飛行機マークを付した「(飛)アクセス特急」の種別も設定されていたが、2013年10月ダイヤ修正でその使用が取り止められ、現在は全ての列車が通常のアクセス特急として走る。
アクセス特急の顔ぶれの変化と珍運用の登場
アクセス特急で面白いのは、使用される車両の面々やその運用であろう。アクセス特急は一部時間帯を除いて都営浅草線・京急線方面への直通運転が主体となることから、もとより複雑怪奇、百花繚乱と言われる四直にさらなる話題を提供してくれている。
京成ではアクセス特急専用の車両として3050形を6編成製造し、3000形と3700形をその予備として運用してきた。2019年には京成で16年ぶりとなる新型の通勤型車両3100形が成田スカイアクセス線仕様の3150番台として登場。アクセス特急として走る仲間に加わっている。同時に、誤乗防止の観点から3050形を含めて車体が成田スカイアクセス線のラインカラーであるオレンジ色に変更されたのも、大きな話題であった。また、開業から9年を経てアクセス専用車を1本増やして7編成体制になり、車両運用面でも大きな変化が生じている。
京急車のアクセス特急は、停車駅予報装置の関係で当初600形と新1000形10次車以降(1121以降の編成)に限定されていたが、2018年7月にそれ以外の新1000形が加わり、2019年12月には1500形も充当するようになった。成田スカイアクセス線開業時と比べると、車種の制限がほとんど解消されたことになる。600形には京急ブルースカイトレイン、新1000形にはイエローハッピートレインもあり、京成車以上にバラエティーに富む面々が成田スカイアクセス線に入ってきている。
珍列車についても2017年10月ダイヤ改正で設定されたアクセス特急金沢文庫行や、2018年12月ダイヤ修正で京成車の三崎口行が23年半ぶりの復活を遂げるなど、話題には事欠かない。直通運転の面白さは、アクセス特急でも例外ではないということだ。
今後は5500形のアクセス特急も?
今後、アクセス特急で期待されるのは、都営車の参入だろうか。現在導入が進められている都営5500形は120km/h運転が可能な性能を備え、既にアクセス特急の行先表示も準備されている。東京都交通局では2021年度中にも5300形の置換えを完了させる予定となっており、この時点で車両が5500形に統一される。その後の展開が注目されるところだ。
(つづく)
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