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2022.05.17

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも17日の夕方に発表1)があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。

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京成3150形 3151編成
2019.11.8/松飛台

▲2019年にデビューした3100形。2021年度までに6編成が導入されているが、今年度の新造はなし
3年ぶりに5月に鉄道事業設備投資計画を発表

まず喜ばしいのは、このタイミングで鉄道事業設備投資計画が発表されたことだ。例年、同社は5月中旬〜下旬ごろに投資計画を発表しているが、新型コロナウイルスの感染拡大した2020年度と2021年度に限っては発表が11月にずれ込んでいた。先行きが多少見通せるようになったのか、3年ぶりに例年通りの5月発表に戻った。

ただし、投資額は引き続き低調である。今年度の投資額は167億円で、昨年度実績比23%増と自慢気に書かれているが、そもそも昨年度の投資額が少ない。新型コロナウイルスが感染拡大する前の2019年度の227億円に比べるとだいぶおとなしい(コロナ前とコロナ後を比べるのは酷かもしれないが)。

車両関連 - 今年度は新車導入なし

そんな2022年度の鉄道事業設備投資計画だが、残念ながら車両のことにはほとんど触れられておらず、新造の文字もなし。今年度は新車を導入しない模様である。2021年6月に公表された移動円滑化等取組計画書2)では2022年度に3100形を1編成導入するというような記載があったが、どうやら計画が変わったようだ。新車が入らないのは2011年度以来11年ぶりのこととなる。

一方、新車が入らないからといって廃車も発生しないと決め付けるのは早計である。今年度は列車無線の更新完了という大きなトピックが控えているためだ。2018年度から進められてきた列車無線の更新(デジタルSR化)では、車両に対する改造工事を伴うことから、車両の動きにも大きな影響を及ぼしてきた。特に、改造工事を行うために運用してきた予備車(2017年度に廃車しなかった8両編成3本分)が必要なくなるため、ダイヤ改正による増発等がなければ、まずはその分が一気に廃車になる可能性がある。

列車無線の更新完了については、全列車で新無線へ切り替えという記載があることから、その時点でデジタルSR無線に対応していない車両は本線を走れなくなる可能性がある。すなわち、今年度中にデジタルSR無線に対応しない車両は廃車になる可能性が高い。現時点でデジタル無線対応工事が行われていない3400形と3600形、3500形(一部)の動向には、特に注目されよう。

このほか、新型コロナウイスルの感染拡大で利用者が減少している現状では、さらなる減便を伴うダイヤ改正が実施される可能性もなきにしもあらずで、運用数が減少した場合はその分だけ余剰が発生する。今年度は新車が入らないものの、さまざまな理由で廃車が発生しうる、なんとも油断できない1年になりそうだ。

駅・設備関連 - 市川真間を耐震改修 ほか

続いて駅・設備関連を見てみよう。

  • 駅施設リニューアル(京成大久保、西登戸、千葉中央)
  • 耐震改修(市川真間駅、千葉中央〜千葉寺間高架)、法面補強
  • 押上駅ホームドア設置工事を推進
  • 京成立石駅付近の連続立体交差工事(四ツ木〜青砥)の推進
  • 京成本線荒川橋梁架替工事(関屋〜堀切菖蒲園)の推進
  • ほか

駅舎のリニューアルについては千葉中央が西口ビルの建替えに合わせて実施中のほか、2020年度より工事が続いている京成大久保と西登戸のリニューアルが完了する。西登戸は昨年9月末より下りホーム側に新設した駅舎の使用が開始され、建て替えとなった上りホーム側の駅舎もまもなく使用開始となる見込みである。合わせて跨線橋が撤去され、同駅は上下線分離改札となる。

押上駅のホームドアについては、2021年6月に京成が公表した都内駅におけるバリアフリーに関する整備計画3)によれば、2022年度〜2023年度の予定で事業が行われるとのこと。今年度より設置工事を行い、来年度にもホームドア設置というスケジュールになるとみられる。あのくそ狭いホームにどのようにしてホームドアが取り付けられるのか楽しみだ。

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